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予算10万円でAPU搭載ゲーミングPCを作る予定だったが……?

Radeon RX 6700 XT搭載の"超"ゲーミングPC爆誕! 汗と涙、サプライズ満載の自作体験レポート

2021年05月21日 11時00分更新

ヒヤリ・ハット連続! 自作ほぼ初心者の編集部員が自作に挑戦

 編集部に到着後、購入したPCパーツ一式を作業机のうえに置いてから、ジサトラメンバーのドリル北村に声をかけた。

パーツを担ぎながら編集部へと直行

私:ドリル先輩、オススメしてもらったPCパーツを買ってきました!
ドリル北村:お、いいね! ……ってあれ、CPUクーラー買ってないの? 水冷を買う予定だったよね。
私:それが360mmの水冷クーラーは全部売り切れてまして……。
ドリル北村:そうか。じゃあ240mmだけど私物の水冷クーラー貸してあげるよ。買ったら返してね。
私:ありがとうございます! これでPC組めますね。よーし、やるぞ!

購入したパーツ類

水冷CPUクーラーが買えなかったので、今回はドリル北村の私物を借りた

 まずは袋からマザーボードを取り出し、CPUをソケットに装着するところからスタート。

 今回選んだCPUは、6コア/12スレッドのAMD「Ryzen 5 PRO 4650G」。先述したが、こちらはGPUを内蔵したCPU、つまり「APU」と呼ばれるものだ。ゲームだけでなく、映像を出力するのに使うビデオカードが非搭載なのはさすがにまずいので、手頃な価格で買えるAPUをチョイスした。軽めのゲームはもちろん、普段使いの用途も快適にこなせる。目当てのビデオカードが買えるまでの間は、Ryzen 5 PRO 4650Gで十分だろう。価格は約3万円。

AMD「Ryzen 5 PRO 4650G」

 ASRockのB550M Steel Legendは、AMD B550チップセットを採用する「Steel Legend」シリーズのMicro ATXモデル。コストパフォーマンスと耐久性に優れているのが特徴的だ。RGB LEDイルミネーション機能を搭載しており、起動すればゲーミングPCらしいライティングが楽しめる。そのほか、2.5ギガビットLANやUSB 3.1など最新機能も備える。価格は約1万6000円と、かなりリーズナブルなのがうれしい。

B550M Steel Legend

私:あれ、CPUがソケットにハマらない。半分入ってるっぽいけど。力強く入れてみるか。(CPUの上に指を乗せて)いっせーのっ――

CPUをマザーボードのCPUソケットに挿し込む様子

うまく入らない。どうにかして半分だけ入った。よしこの調子で――

ドリル北村:わあああっ、ストップストップストップっ!

「ストップストップ!」と、大声で制止するドリル北村

私:え、どうしました?
ドリル北村:CPUの向きが逆だよ! そのまま無理やり押し込んだらCPUのピンが折れてそこで試合終了だよ!
私:な、なんですってーっ!
ドリル北村:第1ステップであるCPUの装着は、実は初心者が1番つまずきやすい工程なんだ。CPUの三角マークを、ソケットの三角マークに合わせてそっと置くだけでいいんだよ。
私:こうですかね。あ、レバーが降りました。あのまま無理やり押し込んだらとんでもないことになってたんですね……。

よく見ると、ソケットの角に三角マークが

CPUを装着後、レバーが降りればOK

いきなりトラブルが起きて不安だったが、CPUの装着は完了

ドリル北村:よし、CPUの装着はバッチリだね! 次はメモリーを挿入してみよう!

 使用したメモリーは、Aiutoの「AU-2XM378A1G44AB0-CWE」。メモリー速度はDDR4-3200で、容量は16GBのデュアルメモリー(8GB×2枚)だ。Samsung純正チップを採用したデスクトップ向けメモリーで、AMD第3世代Ryzenの定格運用に最適だ。価格は約1万3000円。

Aiuto「AU-2XM378A1G44AB0-CWE」

私:むむっ、入らないですね……。

メモリーをスロットに挿し込もうとする私。だが、どうも挿し込みがうまくいっていないようだ

ドリル北村:ああっ! ストップストップ!
私:……ひょっとして、私またミスを犯してます?
ドリル北村:そのとおり。メモリースロットの端にあるツメを倒してごらん。これも初心者が陥りやすいミスなんだ。
私:なるほど、そういうことでしたか。ちょっとやってみます。
ドリル北村:ちなみに挿す場所はマニュアルに書いてあるよ。今回使うメモリーはシングルランク(片面実装)の3200MHzなので、A2とB2のスロットにメモリーを挿してみよう。

メモリーを挿し込む前に、メモリースロットの端にあるツメを倒す必要があった

メモリーを挿す場所はA2とB2のスロット。メモリーをどのスロットに挿すべきかは説明書をチェックしよう

私:メモリー、挿せました!
ドリル北村:惜しい、ちゃんと挿し込まれていないぞ。そこは真上からグッと力強く押さないと。メモリーを押し込んだ親指に跡がつくぐらいが理想かな。
私:わかりました。自作って意外と体力使うんですね……。
ドリル北村:さっきCPUを力強く押し込もうとしてたでしょ(笑)。

わかりづらいかもしれないが、こちらはメモリーが下までちゃんと挿し込まれていない悪い例。両端のツメがカチっとハマっていない

私:(グイっ)あ、入りました! これで大丈夫ですか?

力強く押し込んだら、カチっという音が。両端のツメがちゃんとハマっているからOK

ドリル北村:OK! 次はSSDかな。

 ウエスタンデジタル製の「WD Blue SN550 NVMe WDS100T2B0C」(M.2 NVMe、1TB)は、SATA SSDよりも高速をうたうストレージだ。アプリケーションの起動時間はもちろん、ゲームのロード時間の短縮も見込める。価格は約1万3000円。

ウエスタンデジタル製NVMe SSDの1TBモデル「WD Blue SN550 NVMe WDS100T2B0C」

ドリル北村:さて、SSDをどこに挿せばいいかわかる?
私:えっと、たしかM.2スロットに挿入すればいいんですよね。
ドリル北村:そうそう。まずはSSDヒートシンクを外そうか。

SSDヒートシンクを外す。SSDを挿す場所はマザーボードの説明書に記載されている

ドリル北村:挿し込むときは、マザーボードに対してだいたい30度の角度でスロットに挿入するといいよ。あ、SSDヒートシンクを被せる前には、裏に貼ってある熱伝導シートの保護シールを剥がしてね。剥がし忘れると冷却性能が下がって、ヒートシンクの意味がなくなるからね。

30度の角度をイメージしながらSSDをスロットに挿入

SSDの上にヒートシンクを取り付ける前に、ヒートシンク裏に貼ってある熱伝導シートを外そう

私:(SSDの装着を終え)はい、できました。
ドリル北村:よし、SSDの挿し込みは完璧だね。次はCPUクーラーを取り付けてみよう。まずはCPUの上にグリスを塗ってみようか。
私:グリスの量ってどれぐらいが理想ですか?
ドリル北村:多からず少なからずって感じかな。薄く伸ばす感じで。ヘラを使ってグリスを広げてもいいし、このうえにCPUクーラーを載せて広げちゃってもOK。

CPUクーラーを装着する前に、CPUの表面にグリスを塗る

ヘラを使ってCPUグリスを広げる

ドリル北村:よし、じゃあCPUクーラーを取り付けてみよう。

CPUクーラーがなかなかハマらずに苦戦する私

私:あれ、ハマらない……。
ドリル北村:苦戦しているようだね。これは初心者の最初の難関でね、CPUの熱がうまく伝わるようにしっかりネジを締めて、CPUとクーラーを密着させる必要があるんだ。

~数分後~

私:ふー、やっとできました。
ドリル北村:いいね! これでマザーボード周りの組み立ては終わりだね。次はいよいよPCケースの出番。ここからもっと大変になるから、市川くん覚悟してね。
私:ひぃー! そうか、これはまだ序の口だったのか。

CPUクーラーの取り付けが完了

 マザーボード側の作業はこれで終了。自作ほぼ初心者と自称していたが、久しぶりに挑戦すると自分の未熟さが露呈することになった。前半の段階でヒヤリとする展開が何度もあり、もしひとりで自作していたら間違いなく事故を起こしていたに違いない。さて、次項では後半の模様を紹介する。果たしてうまくいくのだろうか。この時点でも、頭の中は不安でいっぱいだった。

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