週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

開放型で超小型! 独特だけど、使い込むほどしっくりくる!?

「EARIN A3」の実機をレビュー、完全ワイヤレスの世界を作ったブランドが改めて世に問う製品

2021年05月05日 14時00分更新

ふたにはEARINのロゴを浮き彫り

まわりの音が聴こえつつ音楽も楽しめる

 EARIN A3はよくある密閉型ではなく、開放型の機種となる。耳穴にギュッと押し込むというよりは、耳穴の出っ張り(耳珠)の部分に軽く引っ掛けるフィーリングに近い。そのため、低域は少し抜けてしまう(パワフルさが削がれる)が、代わりにカナル型のような閉塞感なく使える。面白いのは、音楽再生中でもまわりの音がよく聞こえる点だ。耳に付けて外に出てみたが、音楽は明瞭に聴こえるのに、レジを打つ店員との会話にも支障がないし、行きかう人々の様子、道を走る自動車の音なども把握できる。

シルバー

ブラック

イヤホン本体

ケースを真横から眺めたところ

 周囲の音をシャットダウンしてただひたすら自分の世界にこもるといった使い方には向かないが、気持ちいい日差しを浴びながら軽く散歩し、音楽で気分を盛り上げるといった用途には最適だ。本体も両方合わせて8~9gと軽く、装着しているのを忘れるほど。自宅ではリモートワーク主体の昨今の事情にマッチすると思う。外に出ず、静かな部屋で作業しながら過ごす時間が増えているが、家にいると仕事以外にも注意を払わなければならない場合が多い。仕事と生活の両立にも役立つ。

 資料によるとEARIN A3は、風切り音の低減機能なども持つそうだ。その効果はよくわからなかったが、環境音と音楽の両方を違和感なく聞けるのは上に書いた通り。また、本体はIP52相当の防塵防滴仕様になって、汗や雨にも強い。耳に密着しないライトな装着感だが、動いても簡単には外れなさそうなので、ジョギングやエクササイズなどのお供としても活躍しそうだ。

マイク音質は良好、テレワークにも向いている?

 Bluetoothチップはクアルコムの「QCC5121」を搭載している。左右独立伝送のTrue Wireless Stereo PlusやaptXコーデックに対応するチップだ。クアルコムのスペック表を見ると、QCC5121は「aptX Adaptive」や「Qualcomm Active Noise Cancelling」といった最新機能にも対応しているようだが、Xperia 5 IIで再生してみたところ、接続は16bitのaptXとなり、24bitのaptX Adaptive/aptX HDなどでの接続はできていなかった。

底面にボタンが用意されていて、イヤホンは入れたまま、ふただけ開けて長押しするとペアリングモードに入る。

 ペアリング待機モードには、イヤホンをケースに入れたままの状態で、ケースのふただけを開き、背面ボタンを2秒ほど長押しすることで入れる。EARINがマイクロカプセルと呼ぶ充電ケースは、USB Type-C充電だけでなく、ワイヤレス充電にも対応している。ボタンのある場所を下にしてQi充電器に置くだけで充電が進む。

 EARIN A3専用のアプリも用意されており、設定変更が可能。本体操作はタッチとタップの2種類があり、タッチはEARINのロゴがある楕円形の部分、タップはイヤホン全体が反応する。タップのほうが反応するエリアが大きいが、誤動作にもつながるので、複数回触れるような複雑な認識をさせたい場合は、タップを無効化して、タッチだけに反応するようにもできる。

 使っていて若干不便なのは、Spotifyで再生している際、プレイリストが終わると接続も切れ、再接続しないといけない点だ。また、筐体が小さいため、意図せずタッチセンサーに触れてしまいやすいのもデメリットかもしれない。

 とはいえ、小型であるため、耳から出っ張る部分が少なく目立たない。ここはいい部分だ。心配なのは、ヘッドセットとして利用した際に、声をきちんと拾ってくれるかどうか。試しにウェブ会議のサービスを立ち上げて自分の声を録音してみたが、十分に聞き取れる。iPhone 8のマイクと比べると周波数帯域が狭く、わずかに歪みも生じるが十分実用的だろう。Knowles製マイク2本に加えて、ボディーの振動を利用して音声を拾うボイスピックアップユニット2本を搭載しているという。また、マイクはノイズキャンセルにも対応しているので、周囲に騒音がある場合でも声を的確にとらえる。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう