北欧ブランドらしいシンプルでエレガントな外観
「シンプルで非常に美しい」
最初に「EARIN A3」のケースを手に取った感想がこれだ。
アルミ素材のケース(マイクロカプセル)は、加工精度が高く質感が豊かだ。合わせは正確、やや粗めの表面処理で、手触りはサラリとしている。滑らかな曲線を描いているので手のおさまりがいい。厚さは2cmほど。薄型であるため、Yシャツの胸ポケットに入れても違和感がない大きさだ。
最近の完全ワイヤレスは多機能化が進む半面、充電ケースが大型化する傾向にある。長時間使うためには多くのバッテリーが必要、しかしバッテリー容量を増やせば必然的にケースが大きくなる。そういうジレンマがあるのだ。結果ケースがかさばって、ポケットがもっこり。スマホだけ持って出かけたいのにカバンが必要といった矛盾があったりする。
その点、EARIN A3のケースはジッポライターを一回り大きくした程度だ。それでいて5時間利用できるイヤホン本体を最大5回充電でき、合計で30時間とかなり長い時間使える仕様になっている。
イヤホンはちょっと形容しがたいかたち
小型のサイズに比較的大容量のバッテリーを搭載できている理由は、イヤホン本体の小ささだろう。ケースを開いて取り出すと驚くが、イヤホンはケースの浅いくぼみにマグネットでくっついているだけだ。スティック型の製品のように、マイク/アンテナ部がケースの奥に差し込まれているわけではない。
しかも、このイヤホンがこれまで見たことがないような不思議な形をしている。粘土で作った扁平なドライバー収納部分をニュッとつまんで、アンテナや基板の収納部分を作ったのではないかと思えるもの。そういえば、ねんどろいどのようなデフォルメしたフィギュアの靴の形にも似ている。あまりに独特なので、最初はどのように耳に入れればいいのか戸惑ってしまったほどだ。
さらに驚かされるのは、このサイズと軽さでありながら、直径14.3mmと大型のドライバーを内蔵している点だ。完全ワイヤレスではあまり聞いたことがないサイズ。さらに人感センサーで着脱を検知(Automatic Ear Detection)して再生の一時停止/再開ができ、左右自動認識でどちらの耳に入れてもOKといった、インテリジェントな仕様になっている。イヤホンの形状は左右同一で、イヤーチップもなし。L/Rの小さな文字を探して確認することなく、つまんで耳にはめる(乗せる)だけで使い始められる。
また、この機能の応用なのか、二人で片側ずつを使うことができる。モノラルで同じ音が鳴る仕組みだ。そんなことカップルでもしない……と思いそうだが、旅行中スマホなどで撮影した動画を、その場で一緒に確認するぐらいはあるかもしれない。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります