週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

医療に介護、スポーツと日本の現場で法人向けスマホ「arrows BZ01」が選ばれる理由

2021年03月29日 12時00分更新

文● 村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII
提供: 富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社

 「arrows」と聞くと、コンシューマー向けのスマホを思い浮かべる人が多いだろう。しかし、富士通コネクテッドテクノロジーズは法人向けモデルも提供している。現在発売中の「arrows BZ01」は、優れた耐久性やセキュリティー性能を備えつつ、さらに業務に合わせたカスタマイズができるスマートフォンだ。普通のarrowsとはどこが違うのか? どのように活用されているのか? 介護施設での導入事例を中心にどのような業界で活躍しているのかを紹介する。

さまざまな業種のニーズに対応する
「arrows BZ01」

 arrows BZ01は、約5.6インチの液晶ディスプレイを搭載し、サイズは約147×70×9.1mm、重さは約145g。比較的コンパクトで、片手でも操作しやすいサイズ感だ。

約5.6インチ(1080×2220ドット)のディスプレイを搭載。約145gという軽さで、扱いやすいことも利点

背面には約1220万画素のカメラと指紋センサーを搭載

 さまざまな現場での使用を想定し、防水性能(IPX5/IPX8)、防塵性能(IP6X)に加えて、落としても画面が割れにくい独自の衝撃吸収構造を採用。コンシューマー向けのarrowsと同じく、耐久性能は米国国防総省の調達基準であるMIL規格の23項目をクリア。汚れたら泡タイプのハンドソープや液体食器用洗剤で洗うこともできる。さらに、病院や食品を扱う現場でも安心して使えるように、耐薬品性能も備えている。具体的には、イソプロピルアルコール(99.7%)、エタノール(99.5%)、次亜塩素酸ナトリウム(1.0%)による拭き取りが可能だ。

 法人の現場では、LTEなどのモバイルネットワークを使わずWi-Fiネットワークだけを利用することもある。広い施設内で移動しながら使う場合など、頻繁にWi-Fiアクセスポイントを切り替える必要があっても素早く切り替わり、通話や通信が途切れにくい性能も備えている。

nanoSIMとmicroSDを装着可能。しかし、構内のWi-Fiを使うなどSIMなしでも運用可能

底部にはUSB Type-Cポートとオーディオジャック、そしてストラップホールを備える

見守りシステム「ネオスケア」
推奨端末に選ばれた「arrows BZ01」

 業種を問わず、多くの法人が導入しているarrows BZ01。安定した通信性能や耐薬品性能などが評価され、医療や介護の分野での採用も増えている。

 業界初の予測型見守りシステム「Neos+Care (ネオスケア)」を全国の介護施設に提供するノーリツプレシジョン株式会社は、同システムと併せて使うスマートフォンとして、施設にarrows BZ01を提案しているという。

 「ネオスケア」とは、介護施設において入居者がベッドから転倒しないように見守るシステムだ。ベッド上にバーチャルな3次元の電子マットを配置し、赤外線を用いた距離センサーによって、人物の動きを正確に判断する。ベッドからの転倒の予兆を検知すると、スタッフが持つ端末に通知が届く。スタッフは音と映像で状況を確認でき、必要に応じて介助に行ったり、声をかけたりできる仕組みだ。経済産業省ロボット介護機器開発導入促進事業における「見守り支援機器(介護施設型)」の優秀機器認定の第1号に認定された製品でもある。

このモバイル端末にarrows BZ01が採用されている

ネオスケアのシステムのイメージ

 このネオスケアとarrows BZ01というソリューションを採用した一例としては、埼玉県川口市にある高齢者総合福祉センター「サンテピア」がある。転倒や転落事故の削減、夜勤帯の職員の負荷軽減が議題になっており、それらを両立させるためにネオスケア導入を決断。運用ルールを見なおすことでより効果を高めているとのこと。2018年3月からネオスケアを導入、100床に対し20台が稼働している。

高齢者総合福祉センター サンテピア

 同じような見守りシステムと比較検討したところ、居室の状況をリアルタイムに見られて、検知スピードが速かったのがネオスケアだったという。

 ノーリツプレシジョンでネオスケアを担当する巽 敦司さんに、介護の現場でarrows BZ01が選ばれる理由と、どのように使われているかについてうかがった。

 「ネオスケアと一緒に使うスマホはAndroidでもiPhoneでも機種は問いません。以前、安価なAndroid端末を使う施設で、Wi-Fiのハンドオーバーがうまくいかないケースがありました。いったんWi-Fiの圏外に出て、再び圏内に戻った時につながらないといった事例です。Wi-Fiにつながらないと、ネオスケアが予兆を検知しても通知されないのです」(巽さん)

ノーリツプレシジョン株式会社の巽 敦司さん

ストラップホールの重要性について語る巽さん

 そんな中、巽さんが注目したのが、arrows BZ01のWi-Fiハンドオーバー機能。移動しながら通話しても、電波が強いアクセスポイントに素早く切り替わり、途切れずスムーズに通話ができることが特徴だ。

 「実際にarrows BZ01を使ってみて非常に良い結果が出たので、介護現場で役立つ端末としてネオスケアの導入施設に推奨するようにしました」(巽さん)

 だが巽さんの評価とは裏腹に、1年ぐらいは「まったく売れなかった」とのこと。「arrows BZ01の半額くらいで買える端末もあるので、コスト重視で安いスマホを選ぶ施設が多かったですね。しかし、昨年のある時期からarrows BZ01の注文が殺到するようになりました。どこかの病院で、端末を介してコロナウィルス感染症のクラスターが発生したという報道があり、arrows BZ01がアルコールで消毒できることが評価されたようです」(巽さん)

落としても水没させても壊れにくい!
介護の現場で「arrows BZ01」が評価される理由

 コロナ対策としてarrows BZ01を導入した施設からは、消毒できることだけでじゃなく、さまざまな良い反響があったという。

 「実際に使っている施設からは、落としても割れにくい、水没させても壊れないとい点も評価されています。介護スタッフの中には、“壊したら弁償しなければならない”と思って、こうした端末を持つことを怖がる人もいるようです。その点、arrows BZ01は破損の心配が少ないことも利点です」(巽さん)

 arrows BZ01には、スマホでは珍しいストラップホールが付いている。この点も介護の現場で重宝されているようだ。

 「介護のスタッフは、スマホにネックストラップを付けて、たすき掛けにしています。ほとんどのスマホはストラップホールがないので、ストラップが付けられるケースに入れて使うことになりますが、ケースに入れると操作しづらく、ケースが壊れやすいという声も聞きました」(巽さん)

ストラップホールがあるので、ケースに入れなくてもネックストラップを取り付けられる

Wi-Fiハンドオーバーによる
安定した通信で問題点が解決

 巽さんが直接担当されている地域では、今年の1月以降、ネオスケアを導入する施設の約7割がarrows BZ01を採用しているという。施設にとって購入の決め手はやはりアルコール消毒のようだが、ソリューションを提供するノーリツプレシジョンとしては、Wi-Fiハンドオーバーを最も評価しているという。

 「転倒を予防する見守りシステムにおいて、通信が途切れることは致命的。途切れないのが前提で、それが一番大切です。ネオスケアとarrows BZ01によって、リアルタイムの状況を映像で確認でき、スタッフが業務の優先順位を決められるという効率化にもつながっています」(巽さん)

ネオスケアから送信された映像をarrows BZ0で確認しているイメージ

 arrows BZ01は用途に合わせたカスタマイズを行うこともでき、Android向けのアプリケーションも使える。介護の現場では、ナースコールや介護記録の共有などにも用いられ、軽量で扱いやすいサイズ感も評価されている。

Androidの標準アプリに加えて、導入企業のニーズに合わせたアプリや仕様を変更できる

さまざまな現場で活躍する「arrows BZ01」は
まさに縁の下の力持ち

 arrows BZ01は、ほかにも多様な業種で導入されている。例えば、物流業界では、Wi-Fiハンドオーバーによって、広い倉庫内で安定した通信を実現。さらに、arrows BZ01で業務に必要な資料を共有したりグループウェアを利用することにより、業務効率も向上する。

 また、ほかの法人向けarrowsの導入事例として、社会医療法人敬愛会 中頭病院での事例もお伝えしたい。中頭病院では院内の連絡手段(内線など)がPHSだったが、今後の医療現場でのスマートフォンの拡張性を想定したテストをしたところ、最も通信状態が優れていたのが法人向けのarrowsだったため変更を決断したという。

arrows BZ01を導入した、社会医療法人敬愛会 中頭病院

 実際にarrows BZ01を導入したところ、カメラやモバイルカルテとの連動により情報共有が迅速になったとのこと。電卓やカウンタータイマーといった基本機能に加え、アプリケーションをインストールして機能を拡張できるというスマホならではの使い勝手が便利で、たとえば電話帳アプリは院外にスマホを持ち出す場合のセキュリティー管理に役立っている。そして先ほどの事例同様、ストラップが付けられるので肩からたすき掛けで作業できるのは現場で助かっているとの声が多い。

 導入の決め手はスムーズな内線通話と拡張性とのことだったが、今後の活用計画としては、現状の通信状態を保ちつつ、電子カルテの参照範囲の拡大やオンライン上の文献との連携、そしてアプリケーションの拡張で、スマホ1台で様々なことができるようにしていくようだ。

中頭病院の導入事例イメージ

 病院だけでなく、スポーツ界にも導入され始めていることも見逃せない。日本ラグビー協会がその一例だ。ラグビーの試合中にレフリー間のコミュニケーションを改善するため、グループトークプラットフォーム「BONX WORK」とイヤホン(BONX GRIP)、NTTコミュニケーションズのSIMカード、そしてarrows BZ01をセット導入した。その結果、試合中に離れた場所にいるレフリー間が音声でリアルタイムに円滑なコミュニケーションがとれるようになったという。

写真はイメージです

 さらに、SIMはデータ専用SIMのため月額費用も安く抑えることができ、arrows BZ01は防水防塵対応で堅牢性に優れるため、目まぐるしく変わる天候の試合でも安心して利用できると高評価とのこと。

 ほかにも建設業界では、堅牢性が評価されて、arrows BZ01が採用されることが多いようだ。自社内で構築するプライベートLTEにも対応しているので、安定した高速通信を利用でき、中長期的な通信費を抑えることも可能だ。さらに、電力会社や新聞社、農業の現場などでも導入されている。arrows BZ01は、さまざまなビジネスを力強く支援する“縁の下の力持ち”のような存在と言えるだろう。

PR:富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社

「arrows BZ01」の主なスペック
メーカー 富士通コネクテッドテクノロジーズ
ディスプレイ 5.6インチ
画面解像度 1080×2220ドット
サイズ 約147×70×9.1mm
重量 約145g
CPU Snapdragon 450
1.8GHz、オクタコア
内蔵メモリー 3GB
内蔵ストレージ 32GB
外部ストレージ microSDXC(最大400GB)
OS Android™ 10
カメラ アウト:約1220万画素
イン:約800万画素
対応バンド(4G) 1/3/5/8/19/26
無線LAN 802.11a/b/g/n/ac(5GHz対応)
バッテリー容量 2780mAh
FeliCa/NFC ○/○
ワンセグ/フルセグ ×/×
防水/防塵 ○/○
(洗える/アルコール除菌/耐薬品)
生体認証 指紋認証
USB端子 Type-C
カラバリ ブラック
この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう