初めてのバイクとして、Honda「CBR250RR」の2020年モデルを手に入れてから数ヵ月。このモデルから、オプションとしてクイックシフターが用意されています。運転に慣れてきたこともあり、このクイックシフターを取り付けてみることにしました。
クイックシフターとは何なのか?
クイックシフターとは、変速動作をクラッチ操作なく行なうためのパーツ。クルマでいうところのマニュアル車をセミオートマ化するといえばよいでしょうか。ただし、停止時と発進時にはクラッチ操作が必要になります。もともとロードレースの分野で使われていたパーツで、動作はシフトアップのみに限定されていたとか。その後、技術が進んでシフトダウンに対応。さらに市販車にも取り付けられるようになってきました。
筆者は、CBR250RRが初めてのバイクであることから、まずはクラッチ操作に慣れるために納車時には取り付けませんでした。またCBR250RRの場合、アシストスリッパ―クラッチ機構を搭載しているので、クラッチレバーそのものがとても軽く、街乗りでMTは面倒、という思いをすることは一度もありませんでした。エンストは最初の頃、何度もしましたが……。
取り付けは車両購入店であるHonda Dream新宿でお願いしました。費用はクイックシフターそのものが2万5300円税込。そこに工賃が約1万円かかって3万5000円弱とのこと。今回もPayPayでキャッシュレス払い。少しでも還元が受けられるのはうれしい限りです。
クイックシフター取り付け手順
取り付け作業は、私の場合約45分で完了しました。まずシートと左側のカウルを取り外し、もともとあったバーを取り外します。次に最初から装着されている部品を取り外し、クイックシフター本体を取り付けます。
クイックシフターからはセンサーケーブルが伸びていますので、それを車両側のコネクターに接続。これで基本的な取り付け作業は完了します。作業を見て思ったのは、カウルの取り外しが意外と大変そうだったこと。あっちのネジを外して、こっちをやって……と、脱着がクイックシフターを取り付ける以上の時間がかかっていたように見えました。さらにカウルそのものも、思ったより薄い素材のように感じました。
取り付けた後、クイックシフターが装着されたことをバイクのコンピューターに学習させる作業を行ないます。シートカウルに収納されていたケーブルを取り出し、コネクターに専用の工具を取り付け、バイクの電源をオンにします。スタッフの方がハンドル左側にあるMODEボタンを何回か押して、学習作業は終了。あとはシートやカウルを取り付けて、すべての作業が完了となりました。
クイックシフターは、シフトのアップダウンのほか、アップのみ、ダウンのみ、そして使わないというモードの切り替えができます。切替方法は、MODEボタンを押したままバイクの電源をオン。メーターパネルを見て使いたいモードを選択するのみです。
とくにシフトダウン時が大幅変化!
クイックシフターの有効性はスグにわかりました。冒頭に書いたとおり、停止時と発進時はクラッチ操作が必要ですが、その後はクラッチ操作をせずに変速動作ができます。加速する際、クラッチを握ってアクセルを戻してシフトアップという動作をせず、アクセルを開けたままシフトアップできるのは相当ラク。また、シフトアップに適していない回転数では、シフトアップできないのですが、それが逆に「今まで変な回転数でシフトアップしていたのか」という気づきにもなりました。ただし1速から2速にする際、途中にニュートラルがあるためか、かなりエンジンの回転数を上げないとシフトショックがあります。
あまりの便利さに、一度使うと戻れないのが正直な感想。「最初から付けておけばよかった」という後悔の念もある一方で、コレに慣れたら絶対にクラッチレバーを使った変速をしなくなるでしょうから「いやいや、やっぱり途中から付けて良かった」とも。ちなみに作業された方によると「納車時に取り付けることはあっても、途中からは初めてかもしれません」だそうです。最初から付けておけばよかったかな(笑)。
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