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「Precision Boost OverDrive 2」でのOC方法を解説!Ryzen 5 5600Xの性能を引き出す設定は?

2021年03月15日 11時00分更新

PBO2を実際に使ってみる

 では実際にPBO2のPer Core Curve Optimizerを使ったOCの手順を紹介しよう。まず前置きとして、PBO2を利用するには「Ryzen 5000シリーズ」「AMD 400/500シリーズチップセット」そして「AGESA 1.1.8.0以降のBIOS」の3点が必要だ。そこで今回は以下のような構成で検証している。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 5 5600X」
(6コア/12スレッド、3.7~4.6GHz)
CPUクーラー Corsair「iCUE H115i RGB PRO XT」
(簡易水冷、280mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」
(AMD X570、BIOS F33c)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」
(DDR4-3200、16GB×2)×2
ビデオカード AMD「Radeon RX 6800 XT」リファレンスカード
ストレージ GIGABYTE「AORUS GP-ASM2NE6200TTTD」
(NVMe M.2 SSD、2TB)、
Western Digital「WDS100T2X0C」
(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット Super Flower「LEADEX Platinum 2000W」
(80PLUS PLATINUM、2000W)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」
(October 2020 Update)

 とはいえ、いきなりPBO2を使えと言われても何から手を付けていいか分からないはずだ。だが、今回AMDはPBO2を使う際のスタートラインとして、以下のような資料を出している。まずはここからスタートし、徐々に詰めていこう。

AMDが初めてPBO2を使う人のために用意した“設定のスタートライン”

 実際にGIGABYTE製X570マザーボード「X570 AORUS MASTER」を利用して、PBO2の設定をしてみる。最後に解説するCurve Optimizerの設定値はCPUの個体や検証環境ごとに異なるので、自分で試行錯誤しつつ見つけ出すしかない。

 また、言うまでもないがPBO2の利用はBIOS画面で警告が出るとおり、動作保証外の行為となるため、これが原因で故障しても保証は受けられない。全て自己責任の下で実施しよう。

まずはBIOS設定の「Settings」→「AMD OverClocking」と進み(ここで1度確認が入る)、「Precision Boost Overdrive」と進む

1番上の「Precision Boost Overdrive」を“Disabled”から“Advanced”に変更しよう。「PBO Limits」→「Motherboard」、「Precision Boost OverDrive Scalar」→「Manual」「10X」、「Max CPU Boost Clock Override」→「200MHz」に設定する。ここまで設定したら「Curve Optimizer」を選択しよう

Curve Optimizerには3つの設定項目がある。1番上は適用範囲(All Coresか、Per Coreか)、2番目は電圧を上げるか下げるか、3番目はどの程度を目標にするかの目安になる。Positiveなら電圧上げ、Negativeなら電圧下げとなる

 Curve Optimizerの設定はPBO2によるチューニングの核心部分であるが、CPUの個体差や冷却環境などの要素が入り込むため、この設定なら通ると断言できる情報はない。いきなりPer Core設定に挑むと心が折れるかもしれないので、まずはAll Cores設定で感覚を掴んでみるとよいだろう。Negativeの設定値を5あたりから小さくしていって、OSが起動しなくなる限界値を探ってみると良いかもしれない。

Curve OptimizerのキモはMagnitudeことカウント数の選択。1カウントあたりコア電圧を3mV~5mVの範囲で上げ/下げすることができ、最大30カウントまで設定できる。Negativeのカウントを増やして電圧を下げ、浮いた電力や熱の余裕を他のコアに回すのが設定の目的になる

Curve Optimizerを“Per Core”にすると、コア単位で電圧上げ/下げの方向とカウント数を調整できるようになる。最終的にはこの設定を詰めていくことになる

 Curve OptimizerのPer Core設定での勘所は、Ryzenの“優秀なコア”に対しNegativeで一番小さなカウント(0に近い値)を与え、逆に性能の良くないコアはNegative方向にカウントを増やすことにある。普通のコアに無駄な電力を費やして働かせるよりも、優秀なコアをキッチリ回す方がシングルスレッド性能が伸び、結果的に体感性能の向上に結びつきやすいからだ。

 この優秀なコアは「Ryzen Master」や「HWiNFO」のようなユーティリティーを使えば一発で判別できる。ざっくりと全コア同じカウントからスタートし、OSの起動やベンチマークなどで不具合が出たら優秀なコアのNegativeカウントを減らす(0に近づける)ような感じで最適な設定を探すとよいだろう。「OCCT」のような高負荷をかけるツールを使って、高負荷をかけた時にエラーが出やすいコアをチェックするのも良い手だ。

「Ryzen Master」では“Cores Section”を展開して、コアの前に★と●の付いたコアが優秀なコアを示す。ただRyzen Masterのコア番号は1からスタートなので、BIOS設定画面上のコア番号(0スタート)と食い違う点に注意

「HWiNFO」ではSensorsウインドウのクロック表記に注目しよう。「Perf #1/1」が最も優秀なコア、「Perf #1/2」が2番目となる。この画像でいうとコア1とコア5がこれに該当する

今回筆者の検証環境で得られた、ベンチマークが安定して通ったPer Core設定。優秀なコアであるCore 1とCore 5のカウントのみ「0」で、それ以外のカウントはNegative 6、つまり「-6」となった。もしかしたら-7にできるコアもあるかもしれないが、労力との兼ね合いでここまでとした

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