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「Precision Boost OverDrive 2」でのOC方法を解説!Ryzen 5 5600Xの性能を引き出す設定は?

2021年03月15日 11時00分更新

「Precision Boost OverDrive 2」で
Ryzen 5 5600Xのパワーをさらに引き出してみる

 Ryzenは基本的に全モデルにおいて、CPU倍率を手動で変更することによるOC(オーバークロック)をサポートしている。だが、この他にも自動オーバークロック機能として「Precision Boost OverDrive」、略して“PBO”がある。

 まず、土台となるべき前提知識をざっくりと解説しておくと、動作中のRyzenのアクティブコア数や消費電力、発熱などの要素から、各コアのクロックを無理のない範囲で適切に引き上げる「Presicion Boost 2(PB2)」という機能がある(Ryzen 2000シリーズより実装)。

 さらに、PB2では攻めきれない部分(ブーストの余力)を活用するために、X付きRyzenとX470マザーボードの組み合わせで機能する「XFR2(Extended Frequency Range)Enhanced」という機能も実装された。このPB2+XFR2自体は製品保証範囲内におけるクロックのブースト機能だ。だがさらにブーストさせたいという人向けに実装されたのがPBOであり、こちらは手動OCと同じくユーザーの自己責任による行為となる。

 最新の第4世代Ryzen 5000シリーズではこのPBOの後継である「PBO2」が実装されている。機能自体は昨年の段階でアナウンスされていたが、PBO2を利用するにはAGESA 1.1.8.0以降のBIOSが必要であるため、ユーザーは暫く待たされていた。

 現在ではAGESAは1.2.0.0までバージョンアップしており、このAGESA 1.2.0.0になってようやく筆者の検証環境でもBIOSの挙動が安定してきた。そこで今回はPBO2でRyzen 5 5600X(6コア/12スレッド、3.7~4.6GHz)の性能がどう変化するのかを検証してみたい。

 Ryzen 5 5600Xは発売から4ヵ月が経過しているが、いまだ人気で流通量が不足気味。現時点におけるRyzen 5000シリーズの中でもTDPが最も低く、熱的な余裕があるのでPBO2による性能の伸びしろも期待できる、という点でこのモデル1本に絞って検証した。

PBO2の真髄は「Curve Optimizer」にあり

 PBO2については既に過去記事で解説しているので詳しい解説は省略するが、PBO2を利用するメリットはコアの“Undervolt”、即ち電圧下げ機能と、電圧下げ幅を負荷に応じて調整することで、電気的&熱的な余力をつくりブーストを高く&長く持続させる“Curve Optimizer”が実装されたことだ。PBO2を使うには、このCurve Optimizerを使うこととほぼ同義といってよい。

 このCurve OptimizerはRyzen全コアに対し一括で適用できるが、コア単位(Per Core)でCurve Optimizer の設定値を変えられる。手間としては後者の方が圧倒的に増えるが、その分CPUのポテンシャルを引き出せる。PBO2のチューニングとは、最終的にはCurve OptimizerをPer Core設定にし、コア毎に最適な値を割り出していく作業になる。果てしなく長い道のりになるが……。

前回のPBO2解説記事より再掲。PPT/EDC/TDCやPBO ScalerといったパラメーターはPBOから継承しているが、さらにPBO2では適応型UndervoltingともいえるCurve Optimizerが追加された

Curve Optimizerのコア電圧変動は状況に応じて変化する。クロックが低い時には電圧を大きく下げ、高い時には少しだけ下げる。こうすることで電力や発熱の余力を最大限に確保できるのだ

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