週刊アスキー

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色の変更に合わせて、音質からチューニングしなおしたカラバリ機種

finalの完全ワイヤレス「TWS04K-WH」を聴く、ただの色違いだと思っちゃダメ

2020年12月30日 14時30分更新

楽器音のリアルさ、低域がボーカルをマスクしないバランスの良さ

 充電機能付きのケースはやや大柄だが、モバイルバッテリーになることを考えると妥当なサイズだろう。表面は革シボ風の滑り止め加工がなされている。ふたを開けてイヤホンを取り出すと電源が自動でオンになる。すでにペアリング済みのスマートホンが近くにあれば、自動的に接続する。

イヤホン収納部のノズル部分が割合広めになっている。

質感の違い

 イヤホンのボタンは機械式でクリック感がある、使いやすいものだ。質感も高く、充電を示すライトになるボタンの周囲の光り方も上品だ。特にホワイトバージョンは本体カラーとよくマッチしている。なお、再生中はライトの点滅がなく、電車などでの使用時でも、ライトが目立って人目に付く心配がないのも好ましいと思う。

 イヤホン本体はコンパクトで耳にも収まりやすい。

 ホワイトはLEDライトも含めたカラーリングが美しい。一方のブラックは精悍な感じだ。音のチューニングも異なり、後から出たホワイトでは、より強調感が少なく、自然で、リラックスした感じの音調に変更しているという。

 「iPhone 12 Pro」で試聴した。音色が美しく、音楽を聴いて楽しいという第一印象は共通だ。高域は鮮明だが、きつさが少ない感じだ。中高域は楽器の音色が美しい。音色の再現もリアルで、ピアノの打鍵音も軽やかでよく響く、ギターではピッキングの歯切れもいい。ボーカルも明瞭感があって、はっきりと声が聴こえ、歌詞が聴き取りやすい。低域はパンチがあって、この価格にしてはわりと鋭い。やや強めだがボーカルへのかぶりなど中高域の再現を犠牲にしていない。

 音の左右の広さは普通だが、三次元的な広がり感が良くて立体感がある。奥行きある空間にボーカルがポッカリと浮かぶさまが心地よい。

 全体に音質はとても良く、サウンドのリアルさが高く、楽器音がリアルに感じとれる。もちろん絶対的な音質がハイエンド並みとは言わないが、バランスがよく、満足感が高い音と言える。滑らかで温かみがある、古き良き時代のダイナミックドライバーの音とも感じた。スピーカーを聴いていた人にも聞き馴染みのある感じだと思う。

 次に両モデルの違いについて着目してみる。ブラックはよりアタックが先鋭的でパンチがある。より音楽が前に前にと出てくる感じでアグレッシブ。音の抑揚というかメリハリが強い。ホワイトは比較するとやや穏やかでリラックスできる。音は少しなだらかで客観的に落ち着いている。同じ曲のボーカルを聴いても、ホワイトはより優しい印象だ。ホワイトの方がより自然な感じがあり、ブラックはより躍動的でアグレッシブだ。

 高音質をうたうイヤホンは、シャープすぎる傾向があり聴き疲れしやすい面があるが、特にホワイトは柔らかく聴きやすいので、長時間リスニングにも向いている。ポップやメタルなど、録音がきつめの音楽を聞いていても聴き疲れは少ないと思う。

 充電機能も便利に使うことができる。容量2600mAhだからスマートフォンのフル充電は難しいかもしれないが、緊急用には使えるだろう。ちなみに再生時間は9時間とあるが、実測してみたところ10時間は連続再生可能であった。

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