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ゲームにビデオ会議にマルチに活躍できる機能を持つ「arrows NX9 F-52A」

2020年12月28日 12時00分更新

 富士通コネクテッドテクノロジーズ「arrows NX」シリーズの最新モデル「arrows NX9 F-52A」が18日にドコモから発売された。ハイエンドSoCではなく、ゲーム向けにカスタマイズされたSnapdragon 765Gを搭載しつつ、洗剤やアルコール除菌シートでの洗浄に対応するだけでなく、プロゲーマーやストリーマーに監修を受けたゲームモード「ゲームゾーン」を搭載するなど、今の時代に寄り添った機能が特徴の5Gスマホだ。本稿ではarrows NX9 F-52Aをじっくりとチェックしていく。

arrows NX9 F-52A

両サイドが湾曲した
上質感あるボディーデザイン

 6.3型(19:9、1080×2280ドット)有機ELディスプレーを搭載し、サイズは約72×152×8.5mmで6.3型前後の端末としてはややスリムな印象。これは、左右のほぼ端まで画面になっており、上下のベゼルも限界まで削られているためだ。形状は画面の端がラウンドした、最近のハイエンドだと主流のデザイン。画面上部のインカメラはパンチホールを採用している。カラバリは、ゴールドとネイビー、ホワイトの3色。

正面

上部。SIMカードスロット/microSDカードスロットがある。本体のストレージ容量は128GBと必要十分なので出番は少ないかもしれない

底部はスピーカーマイクとステレオイヤホン端子、USB Type-C端子を搭載

左右の端までディスプレー

 デザイン的には2019年以降のスマホを踏襲しており、上記のように19:9の縦長パネルを備え、右側面に電源ボタンとボリュームボタンといったレイアウト。底部にはスピーカーとマイク、USB Type-C、ステレオイヤホン端子があり、背面には3基のカメラモジュールが並ぶ。カメラについては後述するが、広角(標準)カメラと超広角カメラ、深度カメラを搭載している。

 どちらかといえば、洗剤やアルコール除菌シートでの洗浄に対応する点がポイントになるだろう。ほとんどの機種ではアルコールシートは御法度なのだが、気軽に清掃できるのは、このご時世なかなかうれしい。

ゲーマーのための機能「ゲームゾーン」
ゲームに没入できる設定が豊富

 ゲームゾーンは、プロeスポーツチーム“REJECT”監修で開発されており、パフォーマンスや通知、ナビゲーションロックのクイック設定があったり、画面の一部分の反応を鈍らせるなどゲーム向けの機能が豊富だ。細かく見ていこう。

ゲームゾーンはランチャーアプリとして用意されている

 ゲームゾーンの設定は、アプリごとの設定と全体的な設定にわかれているが、全体的な設定が中心だ。3段階のパフォーマンス設定やディスプレーの明るさ調整、Wi-Fi低遅延モード、メモリー解放、着信抑止、通知抑止、画面端のタッチ感度、スライドインランチャーの無効化、ナビゲーションバーのロックがある。

 面白い機能に注目してみると、Wi-Fi低遅延モードは消費電力が増加するが、Wi-Fi性能を最大限に発揮させるものだ。次に画面端のタッチ感度。これは4辺の感度を低下せるもので、グリップによる誤入力を防ぐ目的の機能だ。縦画面・横画面関係なく使用でき、ゲームにはマストな仕様といえる。

ゲーム別の設定

全体の設定。とても細かく設定できる

画面端のタッチ感度設定は、画面4辺の端の感度を低下させる。写真の場合だと、半透明の赤色で塗った部分がおおよその該当エリア(わかりやすいように筆者が塗った)。オンオフですぐに分かれるレベルなので、まずはテストしてみよう

ゲーム中にゲームゾーンを呼び出すこともできる

 またイマドキの配信需要に応えるかのように録画機能も豊富。インカメラやマイクのオンオフだけでなく、ゲームのサウンドと映像とマイク入力をひとつのファイルにまとめたり、ゲームのサウンドと映像、マイクを分けて保存、それぞれ3つに分けて保存とユニークな機能もある。これはPC側で編集してアップロードするのに都合がいい。ゲームゾーンはゲームアプリ以外も登録可能であるため、ビデオ会議時の資料として操作や流れを収録して編集する際にも重宝するだろう。もちろん、ビデオ会議自体の録画にも使える。

 SoCはSnapdragon 765G(2.4GHz+2.2GHz+1.8GHz、オクタコア)、メモリー8GB。SoCとしてはミドルハイになるが、GPUに関してはハイエンドSoCであるSnapdragon 855と同様の機能を備えている点が特徴。よってグラフィック設定は最高に持って行きやすい。人気のタイトルでチェックした限りでは、比較的高めの設定でフレームレートのキープがやりやすい印象だ。

 たとえば、「原神」はアプリ側の画質設定は低がデフォルトだが、これを最高にするとフレームレートは低下するが遊べないほどではなかった。安定して30fpsを維持するのであれば画質:中か高が妥当だ。「PUBG Mobile」ではクオリティ:HD、フレーム設定:高での動作まで良好だった。ただ大きくカメラを回すとフレームレートが落ち込むこともあったため、操作のクセに応じて、クオリティーを調整するといいだろう。

PUBG Mobileでのプレイ設定

画面左に見える紫色のバーがゲームゾーン。オフにもできる

 またテストプレイ中のタップ漏れやドラッグ抜けには遭遇しておらず、ハードウェア起因のミスとは遭遇しにくいようだ。長時間のプレイになると、どうしても熱によるパフォーマンスダウンと、それに伴う応答性の低下や取得漏れが気になりがちだが、大型のベイパーチャンバーによって防いでいる。富士通コネクテッドテクノロジーズの解説によると、液化してから熱源に戻るまでのルートを毛細管構造にして冷却を高めており、これが効いているそうだ。

 ゲーム向けを想定してメモリー容量は8GBと多めになっている。ゲーム自体の挙動がよくなるというよりは、ゲームを起動させたままほかのことがしやすい、またはマルチウィンドウのながらプレイが安定する、録画しながらでもパフォーマンスの低下が軽微などのメリットがある。

 ベンチマークは以下の通りで、そつのないスコアだ。GPUが強化されている分、3DMARK Wild LifeプリセットとSling Shot Extremeプリセットのスコアが高くなっている。ちなみにベイパーチャンバーの効きがわかりやすいのは、Geekbench OpenCL Scoreの変動。連続で計測するとスコアは下がっていくのだが、おおよそ100ほど低下するに留まりがちだった。

Geekbench 5.2.3

3DMARK Wild Lifeプリセット

3DMARK Sling Shot Extremeプリセット

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