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第4世代Ryzen&AMD 500シリーズチップセット搭載マザーボード限定のはずが……

Intel環境でもRadeon RX 6000シリーズのSmart Access Memoryが使えるのか検証してみた

2020年12月03日 11時00分更新

AMDがSAMの解説に用意した資料より抜粋。Ryzen 5000シリーズとRX 6000シリーズがPCI Express Gen4で接続するのが必須条件のように見えるが、それが本当なら今のIntel製プラットフォームでSAMの実現は不可能という話になるが果たして……

 AMDの“Big Navi”こと「Radeon RX 6000シリーズ」は、同社のRDNA 2アーキテクチャーを採用したGPUだ。7nmプロセスで高クロック同左、さらにInfinity Cacheに16GBのGDDR6メモリーといった内容は、GeForce RTX 3080や3070と真っ向から勝負できる“最高に強いRadeon”と言って差し支えない。

 すでに発売している「RX 6800 XT」および「RX 6800」の性能は「Radeon RX 6800 XT/6800で強いRadeonが久々に戻ってきた!」の前編後編で検証しているが、RX 6000シリーズの性能を語る上で欠かせないのが“SAM”、すなわち「Smart Access Memory」の存在だ。

 SAMについて簡単に解説すると、今まで慣例的にわずか256MBの小さな窓を通していたCPUからVRAMへのアクセスを止めると、そのオーバーヘッドが減って描画性能が上がる(ものもある)というものだ。

AMD縛りと思われていたSmart Access Memoryだが……

 AMDはSAMについて、当初「Radeon RX 6000シリーズ+AMD 500シリーズチップセット+Ryzen 5000シリーズ」という限定した環境特有の機能であるかのように言っていた。しかし、実際はPCI Express 2.0の時代から存在する機能「Re-Size BAR」(あるいはResizable BAR:リサイズ可能なBase Address Register)を有効活用したものだ。つまり、AMD製のCPUやチップセット、GPUを用いなくとも、SAMに準じる動作は期待できるのだ。

 そんな中、ASUSはいち早く同社製のIntel Z490チップセット搭載マザーボードの一部に向けて、SAM(Re-Size BAR)対応を謳ったβ BIOSの提供を開始した。同様のBIOSが今後Intel H460やIntel Z390チップセット搭載マザーボードにも提供されるかについてはまったく不明だが、今回は先んじてSAMに対応したIntel Z490チップセット搭載マザーボードを試そうと思う。

 今回はCore i9-10900K+ASUS製のIntel Z490チップセット搭載マザーボード+Radeon RX 6800 XTという、「Intel製プラットフォーム上のRadeon」な環境を用意。SAMに準ずる機能(本来はRe-Size BARと呼ぶべきだが、便宜上SAMと呼んでしまおう)がゲームのフレームレート向上に効くのか否かを検証してみたい。

DXRを使わないゲームならGeForce RTX 3080に並ぶどころか、大幅に上回る描画性能を備えた「Radeon RX 6800 XT」のリファレンスカード。性能は良いが市場供給量が圧倒的に足りないので、AMDには頑張っていただきたいところだ

有効化手順はRyzen環境と同じ

 今回は「ROG MAXIMUS XII EXTREME」を使って、SAMを有効化する手順について解説しよう。まずはASUSからリリースされたBIOS「1002」にする必要があるが手順については割愛する。β BIOSなのでシステムが不安定になるかもしれないし、万が一BIOS更新に失敗したら最悪マザーボードが動かなくなる可能性もある。つまり、完全に自己責任の世界になるので、同様の検証を行なう場合その辺を覚悟の上で挑んでいただきたい。

今回検証に使ったのは、ASUSのIntel Z490チップセット搭載マザーボード「ROG MAXIMUS XII EXTREME」

ASUSは一部のIntel Z490チップセット搭載マザーボードに向け、11月27日付けでβ BIOSをリリースした。解説の2行目に「Offer a Re-Size BAR Support option」とある。つまり、AMDのSAMに準ずる機能が使えるようになった、と謳っているのだ

 BIOSの書き換えが完了したらBIOS設定を開き「Advanced」→「PCI Subsystem Settings」を開こう。すると「Above 4G Decoding」の下に「Re-Size BAR Support」という項目が出現しているはずだ。これを「Auto」に変更しよう。さらに、「Boot」→「CSM(Compatibility Support Module)」内にある「Launch CSM」も「Disabled」にする必要があるが、ASUS製マザーボードの場合、標準でDisabledになっているはずだ。

BIOS 1002では「Above 4G Decoding」は標準でEnabledになっていた。「Re-Size BAR Support」の項目が見えない場合は、BIOS更新を忘れているか、Above 4G DecodingがDisabledになっている可能性を考えよう

 あとはRadeon RX 6000シリーズを装着し、普通にドライバーをセットアップするだけで準備OK。デバイスマネージャー上でビデオカードのプロパティーを開き、リソースタブに「大容量メモリの範囲」という項目があれば、SAMが有効になっていることになる。

デバイスマネージャーのリソースタブ内に「大容量メモリの範囲」が出ていることを確認。そこに書かれているアドレスの範囲(0000004000000000~00000043FFFFFFFF)は、GPUのVRAM搭載量(RX 6800 XTなので16GB)に一致する

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