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CGアニメ「映画 えんとつ町のプペル」制作の裏で活用されるRyzen Threadripper 3990X&980 PRO

Gen 4 SSDで体感2倍速!STUDIO4℃に聞いたCG制作で重要なPCスペック

2020年10月29日 11時00分更新

Ryzen Threadripper 3990X&Gen 4対応の980 PROを採用

今回レンタルしたTSUKUMOのワークステーション「WA9A-G200/WT」。
なお、今回の構成はSTUDIO4℃のためにRyzen Threadripper 3990Xや980 PROを選んでカスタマイズしたモデルとなる

――今回「映画 えんとつ町のプペル」の制作にあたって、TSUKUMOのワークステーションをお借りしたとのことですが、それはどんなスペックでしょう?

天田氏「CPUはAMDのRyzen Threadripper 3990X、GPUもAMDのRadeon RX 5700 XTで、メモリーは256GB、ストレージはSamsungのGen 4対応NVMe SSD「980 PRO」の1TBになります。今まで使っていたPCよりもすごく作業が快適になったので、このまま買い取りたいなと思って、早速注文しました(笑)」

――それはなによりですね! ちなみに、今まで使っていたPCのスペックはどんなものなのでしょう?

天田氏「今まで使っていたのは、CPUがIntelのCore i7-10700K、GPUはNVIDIAのGeForce RTX 2070 SUPERあるいはQuadro P4000で、メモリーが64GB、ストレージはGen 3対応NVMe SSDの500GBになります」

仮想メモリー利用で重要になるSSDの速度

――では、CG制作におけるストレージの影響からおうかがいしてもよろしいでしょうか?

天田氏「はい。やっぱりOSやアプリケーションの起動時間やレスポンスの速さですね。弊社では3DアニメーションやCGの背景制作にMaya 2016を使い、その後「撮影」というカットを完成させる最後の工程でAfter Effectsを使っているんですが、今回お借りしたワークステーションですと、体感ではMayaの起動時間で1.5~2倍、After Effectsでは2.5倍ぐらい違いますね」

――かなり違いますね。しかし、例えばPCゲームではNVMe SSDどうしで比べてしまうと、起動時間にそこまで差が付かないというのが一般的な見解だと思うのですが、どうしてクリエイティブのアプリだとそこまでの差になるのでしょうか?

天田氏「弊社の場合、プラグインを20個ぐらい入れておりまして、起動時はその読み込みでかなりもたつくのが原因だと思います」

――なるほど。ちなみに「レスポンスの速さ」というのは具体的にどういった感じでしょう?

天田氏「主に仮想メモリーですね。メインメモリーが足りないと作業の処理中に耐えきれなくなってアプリが途中で落ちてしまうこともあるので、仮想メモリーを割り当てて対処しています。まず最初のセットアップの時にそもそもの仮想メモリーをCドライブに割り振るのですが、アプリもキャッシュを取るので、その時の読み書きの速度がレスポンスの速さに直結しますね。今回のワークステーションは最大毎秒7GBの980 PROが載っているおかげで、スワップに入った時の速度が体感では倍ぐらい速くなった気がします」

TSUKUMOのワークステーションに搭載しているSamsungのGen 4 SSD「980 PRO」

――なるほど。ちなみに、今回のワークステーションだとメインメモリーはそもそも256GBと巨大なので、そうそうスワップするように思えないのですが?

天田氏「はい。もちろんだいたいのカットは256GBに収まるのですが、やはり処理の多いスペシャルなカットになるとはみ出すこともあります。そうなると、スワップに入った瞬間にグッと速度が落ちて挙動がもっさりしだすので、その時の読み書き速度は少しでも速いほうがありがたいんですよ」

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