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拡張スロットと補助電源コネクターそれぞれの供給電力を測定

ビデオカードの消費電力を正確に計測するNVIDIAの純正キット「PCAT」と「FrameView」を解説

2020年09月09日 19時30分更新

GeForce系カードの消費電力を調べる

 では実際にPCATでGeForce系カードの消費電力はどの程度か、時間経過でどのような感じで変動するのか、そして拡張カードスロットと補助電源ケーブルはどの程度の割合で消費電力を負担しているのかなどを見ていこう。今回の計測環境は以下の通りとなる。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 9 3950X」(16C/32T、3.5~4.7GHz)
CPUクーラー Corsair「iCUE H115i RGB PRO XT」(簡易水冷、280mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」(AMD X570、BIOS F22)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」(DDR4-3200、16GB×2)×2
グラフィックス NVIDIA「GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition」
ストレージ GIGABYTE「AORUS GP-ASM2NE6200TTTD」(NVMe M.2 SSD、2TB)、Corsair「Force Series MP600 CSSD-F1000GBMP600」(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット Super Flower「LEADEX Platinum 2000W」(80PLUS PLATINUM、2000W)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(May 2020 Update)

 まずはGPUに単純かつ強烈な負荷をかける「FurMark」のストレステストを実行し、GeForce RTX 2080 FEの消費電力をPCATで測定することにした。ここでは定格時のデータに加え、「Afterburner」を使ってPower Limitを最大値(124%)に設定した場合のデータも取得して比較する。カード全体の値のほかに、補助電源コネクター(8ピンおよび6ピン各1系統ずつ)と拡張スロットの値も見てみよう。

GeForce RTX 2080 FEの消費電力を計測するために、FurMarkのストレステストを実行しながら、PCATで消費電力データを取得した

FurMark実行時におけるGeForce RTX 2080 FEのカード全体の消費電力。横軸は時間(単位は秒、以下同じ)

 まず最初に確認しておきたいのは、GeForce RTX 2080 FEのTDPは225Wだ。そして、定格でFurMarkを回した時のカード全体の消費電力も225W近辺で前後しているように見える。今回の計測では、カード全体の消費電力(Total Board Power)は平均216.4WとTDPにかなり近い値が得られた。最大値は234.7Wだったが約1800サンプル中、TDP225W以上のサンプルはわずか98個。つまり、カードの消費電力がTDPより上になることはあるものの、そう頻繁に上回ることはなかった、と言える。

FurMark実行時におけるGeForce RTX 2080 FEの補助電源コネクターごとの消費電力

FurMark実行時におけるGeForce RTX 2080 FEのPCI Express×16スロット由来の消費電力

 部位ごとの消費電力に目を向けると、定格時は拡張スロットから平均54.7Wの電力を消費しているのに対し、6ピンコネクターは平均59.5W、8ピンコネクターは平均129.1Wとなった。つまり、PCI Expressスロットの給電能力を使い切った上で補助電源ケーブルからの電力を使うのではないということもわかった。

 そして、Power Limitを124%に引き上げると、カード全体の消費電力も同じ程度増えたことも確認できた。瞬間的になら292.6Wまで上昇(定格TDPの130%)することはあっても、平均では126%増の270.8Wにとどまった。

 ただし、この結果はFounders Editonだからである。カードの設計やBIOSの味付けが違えば、また異なった結果が出ることは当然考えられる。

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