Razerは17日、2020年夏の新製品11モデルを発表した。新CPU搭載モデルは6月26日より発売となる。
☆Razer Blade Stealth 13
CPUが第10世代コア(IceLake)のi7-1065G7、GPUはGeForce GTX1650TiのMax-Qで、メモリ16GB+SSD512GBを搭載。ディスプレイは120Hz駆動のフルHDと4Kタッチディスプレイの2モデルがある。
☆Razer Blade 15 ベースモデル(第9世代)
第9世代のi7-9750HにGeForce GTX1660Ti、メモリ16GB+SSD256GBで2.5インチドライブ用空きスロットを持つ(7mm厚)。144Hz フルHDディスプレイを採用。
☆Razer Blade 15 ベースモデル
こちらは第10世代のi7-10750HにGPUはGTX1660Ti / RTX2060 / RTX2070で、メモリ16GB+SSD256GB/512GBで、かつ、M.2空きスロットを持ち、有線LANも内蔵。ディスプレイは144HzフルHDと4KOLEDのノンタッチで4モデル。
☆Razer Blade 15 アドバンスドモデル
第10世代i7-10875HにGeForce RTX2070 / 2080 SUPERをMax-Qで搭載。メモリ16GB+SSD512GB/1TBでディスプレイは300Hz駆動のフルHDと、4KOLEDタッチで3モデル。
☆Razer Blade 15 STUDIOモデル
i7-10875Hにメモリ32GB、SSD1TBでGPUはQuadroRTX5000を搭載。4KOLEDタッチディスプレイを搭載。
最新最強コンビ
Core i-H & RTX Superの凄さとは!?
スリム&ソリッドデザインのゲーミングノートというRazer Bladeの血統を受け継ぐ中心モデルは「Blade 15 アドバンスドモデル」である。
CPUとGPUは、4月2日に発表となった、インテルの第10世代コアi-Hと、NVIDIAのモバイル版GeForce RTX SUPER + Max-Qという、最新最強コンビを搭載している。
発表となったコアiの新しいHシリーズは、ターボブースト時のクロックを上げて、i7も8コアへステップアップしてきた。最上位i9-10980HKはシングルコアの最高クロックが5.3GHzで8コア/16スレッド、i7-10875Hは5.1GHzの8コア/16スレッドとなった。
i7の10850Hと10750Hが6コア/12スレッド、i5は10400Hと10300Hで4コア/8スレッドで、TDPはいずれも45Wである。
NVIDIAが発表したモバイル用RTXは2070と2080の「SUPER」が登場。2080と同SUPERを比べると、CUDAコア数は2944から3072へと128個増えているが、ブーストクロックは1590MHzから1560MHzへとダウンした。
2070もCUDAコアが2304個から2560個へ増え、ブーストクロックが1440MHzから1380MHzへと若干ダウン。2070/2080ともにSUPERの消費電力は最高115Wと150+Wと、変わらないので、インテルとは逆にコア数を増やしてクロックは据え置き(若干ダウン)という作戦である。
今回のノート版SUPERの目玉はもうひとつあって、省エネ化のMax-Qデザインの進化があり、「New MAX=Q Technology」という名称になった。
中でも「Dynamic Boost」という機能は、CPUとGPUの消費電力を調整して、総消費電力を抑えながら、最高のパフォーマンスを実現する。また、CPUの内蔵GPUとGeForceを使い分けるOptimusも改良されて、「Advanced Optimus」という名前になり、G-SYNCや高リフレッシュレートが可能となっている。つまり、RTXとCore i-Hは、2つそろってこそ実力を発揮する「コンビ」なのだ。
Blade 15 アドバンスドモデルは、この2つの最新最強コンビを搭載しているのである。
キーボードはカーソルキー配列変更
インターフェースも最新仕様になり
SDカードスロットを内蔵!!!!
ちょっとおさらいすると、Razer Bladeは2018年5月に従来の14型Bladeをフルモデルチェンジし、15型狭額縁のソリッドデザインとなった。同年10月には、アドバンスドモデルとベースモデルに分化。アドバンスドはトンガッタ上位モデルで、ベースはちょっと厚みが増して(約3ミリ)、ハードディスクを搭載可能とし、有線LAN端子も搭載するが、GPUは下位でACアダプターも小型というスペックだった。
2019年3月には新たに発表されたGeForce RTXを搭載、8月にはCPUが第9世代のi7-9750Hとなり、Blade Pro 17もソリッドデザインになった。2020年に入り、光学スイッチキーボードモデルを発売したが、今回の2020夏モデルにはないのが、ちょっと残念で、復活を望みたい。
さて、今回のモデルチェンジでは、CPUとGPUのバージョインアップだけでなく、ボディデザインも変更がある。
まず、キーボードの配列が変わった。右下のカーソルキーが凸配置ではなくなり、「↑」と「↓」が小型キーとなり、2つで1キーのサイズになってしまった。それに伴って、右SHIFTキーが大きくなっている。
最下段も右端にあった「fn」がなくなり、カーソルキー全体が右端に移動。そのかわり、「←」の左側に「alt」が増えている。凸型カーソルキー好きのおじさんとしては、ちょっと不安だったが、1日使うと慣れてしまいましたよ。
インターフェイスでは、ミニディスプレーポートがなくなり、タイプCが1つ増えた。結果、HDMIに、USB3.2Gen2のタイプA×3、Thunderbolt3のタイプC×1にUSB3.2Gen2のタイプC×1で、PD3.0で最高20Vでの充電が可能となっている。
さらに、なんと、SDカードリーダー(UHS-III)が新たに搭載された。取材記者のみなさんや、カメラ好きのおじさんとしては、これはとてもめでたいです。昨年復活したBlade Pro 17が内蔵していたので、迷ってたんですよね。ありがとうRazerさんです。
バッテリー容量は80Whと変わらず、ボディサイズも横幅355ミリ、奥行き235ミリ、厚み17.8ミリは前のアドバンストモデルと同じである。重量は前モデルが2070~2300グラムだったが、今回の公表値は2100~2210グラムと、増えてはいない。
i7-10875H = 8コアの威力と
ベイパーチャンバーで
3DMarkはi9を超える
ベンチマークテストは、Razer Synapseのパフォーマンス設定をカスタムのCPU/GPUともにMAXに設定して実施した。レビュー機はi7-10875HにGeForce RTX2080 SUPERをMax-Qで搭載、メインメモリ16GB、4KOLEDである。
結果はCinebench R15が1461、3DMarkのTimeSpyが7883、FireStrikeが18517、PortRoyalが4924と出た。
Blade 15の昨年モデル、i7-9750HにRTX2080(MAX-Q)では、Cinebenchが1205、3DMarkが7311、17286、4488だったので、CPUパフォーマンスは21%速くなっており、3DMarkは7~10%高くなっている。もちろん、今回の数値はi7史上(自分的に)最高スコアである。
さらに他社ではあるが、i9-10980HKにRTX2080 SUPER(MAX-Q)のスリムノートPCでは、CPUはさすがに1782と高かったが、3DMarkでは7874、18332、4721と、Blade 15のほうが1~4%速いという結果が出た。つまり、新Blade 15は、現在のところ、おじさんのベンチマークデータ上、15型では3DMark最速ノートPCなのである。ベイパーチャンバーの威力でRTXを全開しているのだ。
CrystalDiskMar5でSSDの速度はマルチシーケンシャルリードが3172、ライトが2122で、昨年モデルとほぼ同等で、PCIe3.0×4としてきちんと速度が出ている。
バッテリーの持ちは、「最も高いパフォーマンス」と最高輝度で2時間32分稼働した。2019年モデルの4KOLEDより5分長くなっているがほぼ変わらない。2019年の液晶では4時間31分稼働しているから、主に4KOLEDの電力消費によるものだ。
ACアダプターは19.5V11.8Aの230W出力の大型で、充電時間は同条件で50%までが35分、70%までが50分、90%までが68分と十分高速である。
さすが元祖の回転力!
最高速の15型ゲーミングPCである
このところ、各社から、Razer Blade 15に追いつき追い越さんという、スリムボディのゲーミングノートPCが発売されていますが、ソリッドデザインと、ベイパーチャンバーを使った冷却技術による高速駆動能力でBlade15の存在感は高いのである。
とはいえ、15型ノートを見回すと、クリエイター向けとして、さらに多くのメーカーが参入しており、さらなる狭額縁化による床面積の縮小、ディスプレイの縦長化(16対10)、そして、一時期発売していた光学キーボード、もちろん軽量化など、実現してほしいことはまだまだある。
ということで、直近のBlade 15のライバルは、もうすぐ日本でも発売となるはずのBlade Pro 17となりますね。楽しみです!!
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