週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

春モデルより2倍速くなっていた!

Razer Blade Stealth 13 (2019後期) 実機レビュー = IceLakeにGTX1650搭載の世界最速ウルトラブックだっ!!

2019年12月12日 10時00分更新



 Razerは同社のゲーミングノートPC「Blade」シリーズの最軽量モデル「Razer Blade Stealth 13」の秋モデルを12月12日に日本で発売した.

 最大の強化ポイントは、最強モバイルCPUのIceLakeを採用しつつ、ウルトラブックの薄型軽量ボディに「GeForce GTX」を搭載してしまった(!)ことだ.

4K液晶の最上位モデルは23万5800円(税込25万9380円)

誕生から3年で内蔵グラフィックスから
GeFoece MXそしてGTXへ

 Razer Blade Stealthは、Bladeの弟分として2016年に発売となった.より薄く、より軽いモバイルノートとして、コアi7-6500Uと内蔵グラフィックスを搭載したウルトラブックである.

 毎年、CPUのみアップデートしてきたStealthは、2019年3月に、兄のBlade 15と同様にデザインをシャープなモノリススタイルに変更し、なおかつ、GeForce MX150を搭載し、ゲーミングノートメーカーらしい速度も身につけた.

 そして、今回は、インテルの最先端CPU「IceLake」と、NVIDIAのGPU「GeForce GTX1650」を搭載したモデルが登場した.

左が新しい「マーキュリー・ホワイト」で、右が「GTXモデル」

第10世代コアのシールがまぶしいです

IceLakeのG7搭載の3モデル
もちろんWi-Fi6内蔵に

 前モデルの構成は、内蔵グラフィックスのみの「ベースモデル」と、GeForce MX150を搭載した「グラフィックスモデル」そして、4K液晶を搭載した「グラフィックスモデル4K」だった.

 今回も3モデルで、CPUはi7-1065G7と、G7つまりアイリス・プラス・グラフィックスで演算ユニットは64基の最速モデルである.

 シルバーボディーの「マーキュリーホワイト」は外部GPUなしで、「GTX FHDモデル」と「GTX 4K Model」にはGTX1640とVRAM4GBを搭載する.

マーキュリーホワイトは製品の入っている箱もグレーの模様が入っている

キーボードの印象も、ホワイトとブラックではこれだけ違うのだ!!

左がGTXのフルHDでノングレア、右はGTXの4Kタッチありでグレア.液晶まわりがフラットになる.

 ともにメモリは固定で16GBのLPDDR4(3733MHz)を搭載し、SSDはマーキュリーホワイトが256GB、GTXの2モデルは512GBを搭載している.

 バッテリーは前モデルと同様に、全モデル53.1Whを搭載し、キーボードもChromaながら、ワンキー単位での色変更ではなく、キーボード全体で指定することができる.

 無線LANは新たにWi-Fi6を内蔵し、I/OはThunderbold3と電源ポートを内蔵したタイプC×1と、USB3.1のタイプC×1、そしてUSB3.1のタイプA×2と合計4ポートを左右に搭載する.

ブラックの天板にはダークなRazerマークがプリントされている.Blade15とは異なり、光らないです.

底面の左右には大きな吸気口があり、背面(写真上部)に排気口.間には一直線のゴム足が設置されており、気流のショートサーキットを防いでいる.

 液晶上部のカメラはHD720PのWindows Hello顔認証対応.ステレオの4スピーカーを内蔵し、Dolby Atmosに準拠する.

狭額縁ながら、Helloによる顔認証対応

ボディの前面(写真上)の中央にはマウスパッドと同じ幅の切り込みがあり、液晶をあけやすくなっている.

左右にタイプAとタイプCが2つずつ並び、とても使い勝手はいい.

 サイズは304.6×210×15.3ミリと面積は前モデルと変わらないが、厚みは0.5ミリ厚くなっている.重量は1.36/1.42/1.48キロと、こちらもそれぞれ、80/110/100グラム重くなっている.価格は税込みで19万3380円/23万780円/25万9380円と、税抜きで6000円ほどお高くなっている.

 ちなみに付属するACアダプターは、前モデルは3モデルともに65W出力だったが、今回はマーキュリーホワイトのみ65Wで、上位2モデルは100Wとなっている.GTX対応のため高出力になったのだ.

日本語配列のキーボードは前モデルと変わらず、日本語キーがちょっと狭いデザインである.

Blade15とは異なり、1キー単位での色指定はできないが、キーボード全体の変化は設定できる.

この薄型ボディにGTX1650をこっそり搭載している感じがいいのだ.

IceLake+GTX1620を
ベンチマークテストしてみた

 というわけで、みなさんの気になるベンチマークテストです.「Razer Synapse」という設定ソフトを使って、ゲーミングのファン全開モードで計測しています.

ブロンズ色のヒートパイプが2重に並び、中央のCPU/GPUと左右の大型ファンをつないでいる.

SSDはM.2に装着されていて、ユーザーが交換可能な状態になっている.(保証がうけられなくなる場合があります)

キーボードの左右のスピーカーユニットはきちんと90ミリの長さがあり、臨場感を高めてくれる.

外部グラフィックスがMXからGTXへとグレードアップしたため、ファンも65ミリと大きい

 まず、CINEBENCH R15でCPUの速度をみてみましょう.CPUの値は599が出ました.これはちょっと期待より低い値です.同じi7-1065G7を搭載したデルのXPS13 2in1では868を記録しましたので、今回のStealth13は、CPUに関してはちょっと抑えぎみのようです.

 3DMarkでは、FireStrikeで6862、TimeSpyで3029を出しました.もちろんG7のIrisPlusGraphicsでは2940と987ですから、GTX1650のほうが2.3~3.0倍速いわけで、まあ当然の結果でしょう.

 では前モデルのStealth13のグラフィックモデルと比べるといかがでしょうか.i7-8565U+GeForce MX150ではFireStrikeが3406で、TimeSpyは1264でしたから、2.0~2.4倍速くなっているわけです.前モデルといっても日本では2019年2月ですから、10カ月で2倍速くなってしまったわけですね.

 ストレージのほうは前モデルと同じPCIe3.0x4のLITEON製を採用しており、速度はCrystalDiskmarkのマルチシーケンシャルの読み込みで3472MB/S、書き込みで2012MB/Sとモバイルノートでは最高クラスである.

 バッテリーはBBenchを使い、RazerSynapseでは「バランス」に、Windowsのバッテリー設定では「最も高いパフォーマンス」、液晶の輝度を最高にして、停止するまでの時間を計測した結果、3時間36分稼働した.前モデルでは3時間48分だったので、ほぼ同じ消費量である.搭載しているバッテリーも前モデルと同じ53Whなので、通常利用では省エネ効果が効いていることになる.ちなみに4K液晶モデルでは、3時間7分だったので、バッテリーの持ちは85%に減ることになるがOLEDほどではないのでよしとしよう.  充電は、上記と同じ条件で50%まで33分、70%まで49分、90%まで68分と、ACアダプターが100W出力になったので、高速になっていて、利用上不便はない.

RBS13は
IceLake時代を見通した
最新モバイルノートである

 モバイルノートは、小型軽量をつきつめた製品と、そこそこの重量ながら、GeForce MXを搭載して3D系ソフトやゲームも楽しめる製品という2つの方向に進んでいた.

 ところが、IceLakeの登場によって、小型軽量ながらGeForce MX並のグラフィック性能を持てるマシンが作れることとなる.なので、プラスアルファを求めるメーカーは、GeForceのGTXを搭載していくことになるのだ.

 今回発売となったRazer Blade Stealth 13は、まさにそれを先取りしたマシンである.CPUにはIceLakeのG7搭載プロセッサーを採用し、外部GPUにはGTX1650を用意して、搭載の有無を選ぶことができる.さすが、軽量ゲーミングノートの先駆者だけあって、先を見たマシンなのだ.もちろんおじさんは、ついに登場した「GTX搭載のウルトラブック」を買うのである.

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう