週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

Razerのゲーミングノートも11世代コア搭載でどこまで速くなったのか!?

新 Razer Blade Stealth 13 実機レビュー = Tiger LakeにGTX1650Tiで最強モバイルノートだった!!

2020年11月12日 11時00分更新

 Razerは11月12日に、モバイル・ゲーミングノート「Razer Blade」シリーズの軽量モデル「Stealth 13」の最新モデルを発売した。

 最大の強化ポイントは、CPUが最新の11世代コア=Tiger Lakeになったこと。搭載するGPUは春モデルと同じ「1650 Ti + Max-Q」で、どれくらい速くなったのか探ってみよう。

今回のStealth13はディスプレイの違いで2モデルから始まる。予想価格は税込24万1000円から。

Tiger LakeにGTXって、味濃過ぎないですか

 Stealth13は、15型Bladeの弟分として2016年に発売、軽量モバイルノートとして、コアi7-6500Uを搭載したウルトラブックだった。

 毎年、CPUのみアップデートしてきたStealthは、2019年3月に、兄のBlade 15と同様にデザインをシャープなモノリススタイルに変更し、なおかつ、GeForce MX150を搭載し、ゲーミングノートらしい速度も身につけた.

内部の基本的な構成も前モデルと変わらない

 同年12月には、インテルの最先端CPU「IceLake」と、NVIDIAのGPU「GeForce GTX1650」を搭載し、速度を大幅に向上、さらにGTX1650Ti+Max-Qも登場した。

 今モデルのTiger Lakeはi7-1165G7で、メモリは16GB、ストレージは512GBのSSD。ディスプレイは13インチのフルHD120Hz駆動、マットと、フルHDでOLED、60Hz、タッチの2種類がある。前モデルでは13インチで4Kタッチ液晶モデルもあったが、今年はこの2機種でスタートする。

 フルHDモデル (RZ09 -03272J12 -R3J)が、実売予想価格24万1000円、有機EL タッチモデル (RZ09 -03272J82 -R3J)が26万2800円(ともに税込)である。

M.2スロットは1つのみ搭載している。

ソリッドでモノリスなボディも健在である。

ファンの吸入口と背面の排気口の間は直線のゴム足で仕切られている。

こちらは120Hzの液晶で、表面は無反射だ。

IR付きのカメラで顔認証が可能。ここに4つのマイクも搭載する。

 GPUはNVIDIAのGeForce GTX 1650 Ti Max-Qで、GDDR6のVRAMを4GB搭載。キーボードは日本語配列で、フルカラーが指定できるバックライトを内蔵するが、Bladeとは違って、1キー単位ではなく、全体単色指定である。

 インターフェイスはThunderbolt4のタイプC×2とUSB3.1 Gen1のタイプA×2である。ボディサイズは幅304.6mm×奥行き210 mm×厚み15.3mm で、重量は1.41キロある。

 ワイヤレスはWi-Fi6とBluetooth5.1で、バッテリーは53.1Wh搭載、ACアダプターは100WのタイプC接続である。

タイプCとタイプAが左右に振り分けられ、使い勝手は非常にいい。

Pの右側が少し狭い配列だが、キーは押しやすく、タッチパッドの広さも気持ちがいい。

バックライトのLEDは非常に明るめである。

全体が同色ではあるが、フルカラーで指定でき、動的な変化も指定できる。

Blade 15(左)と、新Stealth13を並べてみた。ボリューム感はやはりかなり異なる。

クーリング能力の威力か?
Core i7-1165G7がXPS13よりも爆速だった

 速度計測については、RazerSynapseのパフォーマンスにて、「ゲーミング」の「ファン回転自動」で計測した。

パフォーマンスの指定もわかりやすい。ファンの回転数も指定できる。

 まずはCPUつまりi7-1165G7の速度だが、CinebenchのR15では895、R20では2367が出た。先に実施したデルのXPS13(9310)では884と2121だったから、最高で約12%速くまわっている。バリバリチューニングで有名なXPS13を超えているのは、さすがRazer様なのである。

新Stealth13によるCinebenchの結果

 では3DMarkではどうか、GPUを切り替えられるTimeSpyとWildLifeでIris Xeにて計測したところ、Stealth13では1777と13330だった。XPS13では1709と11138だったから、Stealth13のほうが4~20%速い。i7-1165G7のCPUもIris Xeも、XPS13よりさらに高速回転させているのだ。

新Stealth13でGeForceをOFFにした、Iris Xeによる3DMarkの結果。

 いずれも、冷却性能についてはXPS13よりStealth13のほうが高く(そのぶんファンの音も大きいが)、より長時間、最高性能で動作できるのも差が出る要因だ。

13型モバイルとしては大型の、直径約60ミリのファンを2個実装している。

 GTX1650Ti + Max-Qでの計測では、TimeSpy、FireStrike、NightRaidで3521、8018、26039で、XPS13の1709、4878、16382に比べて、約60~106%速い。Stealth13内比でも、GTXを搭載したことによって、Tiger Lakeのみの状態よりさらに1.6から2倍での動作が期待できる。

 FFXIV ShadowBringersは高画質デスクトップで、XPS13で3949、Stealth13で10815だったので、GTXのおかげで、約2.7倍速いことになる。

 ちなみに、2019年秋モデルのStealth13(i7-1065G7 + GTX1650 + FHD)では,それぞれ3029、6862、18696だったので、新Stealth13は1年間で、16~40%の速度UPを行ったわけだ。

 さらに、i7-10875HにRTX2080を搭載した、Razer Blade 15では、TimeSpy、FireStrikeが、7883、18517だったので、Tiger Lake + GTX1650Tiはその44%の速度を出せるところまで来たのである。

新Stealth13 による3DMarkの結果(すべてGeForceによるもの)。

 SSDの速度は、DiskMarkでマルチシーケンシャルのリードが3528、ライトが2986と、さすがトップクラスである。

 バッテリーは53Wh内蔵している。いつもどおり、最も高いパフォーマンスで、輝度最高で4時間5分動作した。1年前のStealth13(i7-1065G7 + GTX1650 + FHD)では3時間36分だったから、30分も伸びている。

 バッテリーの充電時間は、同条件で稼働しながらで、50%まで35分、70%まで51分、90%まで59分と高速だった。100WのACアダプターの威力である。

スピーカーは4つ搭載で、THXオーディオを実現している。

底板のSSDの部分には粘着性の放熱素材があり、きちんと熱を分散している。

TigerLakeにはGTXで最強 GTXなしの「RazerBook」も登場
今後はディスプレイが16対10になる!?

 新Stealth13は、やはりTiger Lakeをバリバリに回したうえに、GTX1650Tiでダメ押し(?)という、超強力なモバイルノートだ。その分と言っては何だが、重量は1.4キロ台と、ずっしりしているが、XPS13でも1.2キロ台なので、そこをどう見るかである。

 と思っていたら、米国で「Razer Book 13」という新機種が発表となった。RazerにおけるシルバーモデルはBlade15もStealth13も存在していて、Mercury版とかStudio版という名称で、クリエイター向けの、派生モデルだった。

 がしかし、今回のBook13は、新モデルで、Razerとしては初の13.4インチの16対10ディスプレイを搭載した、モバイルノートである。Tiger Lakeを搭載してベイパ―チャンバーで冷却しているというから、期待大なのである。

米国で11月5日に発表となったRazer Book 13

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう