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農機具のクボタが、業務用の空気清浄機で5倍の成長、意外な組み合わせの背景は?

2020年05月15日 09時00分更新

除菌に使える微酸性電解水を取り出し、拭き掃除などに活用

 もうひとつの特徴が、除菌や清掃に使える「微酸性電解水」を、本体から直接取り出すことができるという点だ。

 酸性電解水は、水と塩酸を電気分解することで生成される機能水であり、高い安全性と強い除菌力を両立している。除菌成分である次亜塩素酸を豊富に含むため、様々な菌やウイルスの抑制に効果を発揮。微酸性電解水では、一般的な細菌や、食中毒の原因となる大腸菌のO-157、インフルエンザウイルスやノロウイルスにも抑制効果が実証されている。また、安全面においては、2002年に厚生労働省が食品添加物に指定。飲用前提の使用は不可だが、直接肌に触れたり、口に入ったりしても安全だ。

 ピュアウォッシャーで生成される「微酸性電解水」は、一度に0.5~20リットルまで、必要な量だけを本体から取り出すことができ、そのまま除菌や消臭に使用できる。

 同社では「微酸性電解水を本体から簡単に取り出すことができ、拭き掃除や噴霧に活用することができる。空気をきれいにするだけでなく、部屋の除菌をサポートすることができる」とする。

 ピュアウォッシャーを導入しているある保育園では、子供たちが遊ぶおもちゃの除菌に使用。「従来使っていた塩素系除菌剤は、希釈の手間や、使用方法の制限があり、手荒れなどにも悩まされていた。だが、ピュアウォッシャーの微酸性電解水であれば、手間とコストを削減し、子供たちが口に入れてしまうかもしれないおもちゃにも、安全性の高い微酸性電解水だから安心して使える」という。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの人が訪れる公共施設では、手すりやドアのレバーなど、人が触れる部分の消毒が欠かせなくなっている。そうした際にも、ピュアウォッシャーで生成される「微酸性電解水」が利用でき、品薄となっている消毒液の代用品となる。

 こうしたピュアウォッシャーの特徴に着目した企業や公共施設などが、同製品の導入の検討を開始しており、それが、従来品5倍という増産体制につながっているというわけだ。

 「昨今のコロナ禍は、室内環境に対して、快適性だけでなく、安心感を求めるものになっている。同時に、公共空間における室内環境のあり方を問うことにもなっている。1台で広い空間をカバーでき、高度な除菌性能をもっている製品に対するニーズが加速している」とする。

 2020年4月時点で、ピュアウォッシャーを導入している法人数は約260にのぼり、設置 台数は約700台となっている。

 1台あたりの導入価格は工事代を除いて、150万円前後。

 公共空間などにおける快適性と安全性を両立するための製品には、これからも注目が集まりそうだ。

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