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あのプレデターになれる!時間を忘れるおもしろさの「Predator: Hunting Grounds」PC版をレビュー

2020年05月12日 20時00分更新

プレデター側は挑戦に満ちた高難度モード

 圧倒的な力を持つ異星人の狩人プレデターは、セッションごとに1人しか参戦できないモンスター役だ。ファイアチームがマップごとに細かい目的が決められているのに対して、プレデターがやることはいつも同じ。つまり、ファイアチームを狩り、死体からそのトロフィーを入手することだ。

 プレデター側の画面はTPS形式になっており、プレデター自身と周囲の状況が表示される。実のところプレデターは、地球人に比べてそれほど圧倒的に強いというわけではない。

 もちろん比較にならない身体能力や便利なスキルを持ってはいるものの、油断すると案外簡単に狩られる程度の強さでしかない。プレデター側の優位性は、高い攻撃力を除けば、基本的にはどこから襲ってくるのかわからない神出鬼没さなのだ。

 そのため、プレデターのゲームプレイはステルスアクションに近くなる。居場所を悟られないように接敵して奇襲しては、反撃される前に身を隠すヒットアンドアウェイ戦略が定石だ。

 そのため、プレデターのみに与えられた能力がいくつかある。まず、長大な距離と高さを跳躍する大ジャンプ。高いところに乗ったり、また特にファイアチームに発見された状況からの脱出で威力を発揮する。着地時には残りエネルギーを全部支払ってスラム攻撃を出すことも可能で、ダメージを与えつつファイアチームを転倒状態にできる。

大ジャンプは高所への移動や戦場からの離脱に便利

 基本能力のプレデターパルクールは、木の上を移動でき、登れる木とコースは決まっているものの、マップのほぼ全域を樹上のみで移動できる。

 ただ、ゲリラ兵からの発見を避けるには役に立つが、ファイアチームは初回プレイでもない限りプレデターがそこを通れることを知っているので、単に木の上にいるだけでは隠れていることにならない。三次元的な機動で逃げ道を見失わせたりするといった使い方以外は期待出来ないと考えていいだろう。

木の上を通れば、少なくともゲリラには発見されにくい。ただ、プレイヤーはむしろ警戒しているルートなので、使い時を考えよう

 プレデターのスーツには2つの基本機能が装備されている。ひとつはビジョンで、熱源を探知する赤外線画像モードに切り替え、敵を発見しやすくする。とはいえ、上でも書いたように、ファイアチームは泥を体に塗ることで赤外線探知に映らないようにできるので、実はプレイヤーの発見にはあまり役に立たない。

 ゲリラとファイアチームが混在している状況で、「ビジョンを通して消える方がファイアチーム」といった判別に使うなど、使い方をひと工夫すると役に立つかもしれない。

ビジョンで赤外線視野に切り替えると、足跡なども発見できる

 スーツのもうひとつの機能はステルス迷彩で、周囲の光を屈折させて透明化できる。といっても完全に透明になるわけではなく、歪んだ人影が残ってしまう。プレデター側の画面で見るのと同じような姿がファイアチームにも見えるので、完全に姿を隠せるわけではない。

 とはいえ、視認性はかなり下がるので、発見されにくくなる効果はある。奇襲の直前に使ったり、逃走時には必須の機能だ。

ステルス迷彩はほぼ透明になるが、若干不自然なので見分けが付く。あまり過信しない方がいい

 これらスーツの機能は使うとエネルギーを消費していく。攻撃に移ったときに武器のエネルギーがなく、格闘戦しかできないといったことがないように、残量の管理はしっかりしておこう。

こっそり近づき、いきなり襲いかかるのが基本

 これだけの能力を持っていながら、実はプレデターが勝利するのはなかなか難しい。もちろん弱いわけではないが、4人のファイアチームに正面から突っ込んで勝てるほどの圧倒的な強さは持っていない。

 むしろ、相手が4人揃っている状態で発見されたら、即座に逃げないと仕留められると思っていい。そのせいか世間では「プレデターが弱い」といった声もあるようだが、単に力押しが出来ないだけで決して弱いわけではない。要求されるプレイヤースキルが高いだけなのだ。プレデター陣営は、実際のところハードモードぐらいに考えておくといい。

 ただ、その高い要求は決して不愉快なわけではない。というより、むしろ要求が高度な分だけプレデターの方が遊んでいて圧倒的に楽しい。勝てることも少ないが、ファイアチームの第一目的がプレデターではない以上、倒されることもあまり多くはないので、フラストレーションはあまりない。

 何よりファイアチームを仕留めきらなくても、プレイの選択肢が多いため、次はどう攻めるか、ああしようこうしようという工夫が次から次へ浮かんできてやめられなくなる。

 実際、プレデター陣営の方がプレイヤーからの人気も高く、セッションの収容人数に差があるとはいえ、常にプレデターの方が5倍から10倍ぐらいマッチ成立に時間がかかる。それだけプレデター陣営にプレイヤーが集中している状態なのだ。

ファイアチームは待ち時間1分程度だが、プレデターは5分を切ることはまずないほどの人気

 そんな時は、ファイアチーム側に手を上げてみよう。そして、ファイアチームとしてプレイすると、改めて多くの気づきが得られ、次のプレデター側プレイ時のヒントを掴んだりできる。

 そうやって両陣営に途切れなく参加しているうちに、窓の外が明るくなり始める。本作は、そんな割とヤバ目の時間泥棒タイトルであり、そのことに気付いた時にはだいたい手遅れで、貴重な睡眠時間がいつの間にか融けているのだ。

【ゲーム情報】

タイトル:Predator: Hunting Grounds
ジャンル:アクションRPG
プラットフォーム:Windows(Epic Games)
         PlayStation 4、PlayStation 4 Pro
発売日:4月24日発売
プレイ人数:1~5人(オンラインプレイ時)
価格:通常版4180円、デジタルデラックスエディション6900円(Epic Games)
   通常版5390円、デジタルデラックスエディション7590円(PlayStation Store)
CERO:Z(18歳以上のみ対象)
発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント

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