最新CPUを搭載し、家庭でもビジネスでも高性能
今回取り寄せたNB4シリーズのスペックは、CPUがCore i5-10210U、グラフィックス機能はCPU統合GPUのIntel UHD Graphicsを利用し、メモリーは8GB、ストレージはSSDで256GBといった標準構成に基づく。NB4シリーズとしては最低限ここで紹介する性能をもっており、カスタマイズすればさらに引き上げることも可能だ。
Core i5-10210Uは現行世代のモバイル向けCPUで、4コア8スレッド、ベース1.6GHz、ターボブースト時最大4.2GHzといったスペックだ。少し前までのモバイル向けPCなら2コア4スレッド止まりだったので、最新モバイルPCではその倍のCPUリソースが利用できることになる。
グラフィックス機能に統合GPUを利用するのはモバイルPCでは一般的。省電力でバッテリー駆動時間を求める製品に適している。パフォーマンスは必要最低限でゲーム向きではないが、メインがビジネス用途ならこれで大丈夫だろう。
メモリーが8GBなのはビジネス用途における最小限。そして動作モードがシングルチャネル。NB4シリーズのパフォーマンスを引き出すならば、注文時のカスタマイズで16GBメモリー(8GB追加)を選ぶとよい。現在のノートPCの標準容量に増量できることに加え、動作モードがデュアルチャネルになるのでパフォーマンスが向上する。
ストレージも標準構成では最小限。512GBモデルも用意されているが、ここもカスタマイズ可能なので、必要に応じて容量を選べばより快適だ。接続インターフェースも、容量コストが安いSerial ATA、転送速度が速いPCI Express(NVM Express)の選択肢が用意されている。価格メリットを打ち出した標準構成はSerial ATA接続のものを採用しているが、HDD搭載時代と比べれば格段にレスポンスが速く、エクスプローラーでのフォルダ表示やビジネスアプリケーションの起動も速く快適だ。
ここで少しベンチマークパフォーマンス(電源設定:パフォーマンス時)を紹介しておくと、CPU性能の指標となるCINEBENCH R20ではマルチスレッド性能が1197、シングルスレッド性能が376という数値だった。
アプリケーション性能の指標となるPCMark 10では総合点が3721。外部GPUを搭載していないため映像制作シナリオのDigital Content Creationが低いものの、ビジネス業務シナリオのProductivityは6000弱、家庭用途シナリオのEssentialsは8000超のスコアだ。映像制作には向かないところはあるが、実際のところ統合GPUにはハードウェアエンコーダーが搭載されているので、会社のPR映像など、数十分程度の映像かつ映像品質にそこまでこだわらない作品を制作する程度なら難なくこなせる。
本製品ではあまりニーズが高くはないと思われるが、3D性能の指標となる3DMarkも計測した。代表的なFire Strikeは896。1000ポイントに満たないことからも、ゲームを楽しむための製品とは異なることが分かる。ただ、かなり軽量な部類のゲーム、たとえばドラゴンクエストXなどはベンチマークで1920×1080ドット、最高品質で「普通」評価が得られるので、まったくゲームで遊べないわけではない。
このように、NB4シリーズは一昔前のモバイルPCと比べるとCPU性能とストレージ性能が大幅に向上しており、家庭用途、ビジネス用途として価格面を含めて満足度の高い製品に仕上がっている。
有線LANはないが無線LANは高速なWi-Fi 6対応。基本に忠実な仕様が移行をサポート
左右側面のインターフェースは、HDMI出力×1、USB 3.1 Type-A×2、USB 3.1 Type-C×1(映像出力対応)、microSDカードリーダー、ヘッドホン出力×1。ほか、右側面手前に電源ボタン、同奥にセキュリティーロックスロットを備えている。
このスリムさの製品なので有線LANは非搭載だ。ほかのスリムモバイルPC同様、有線LANを利用したい場合はUSB接続のアダプターやドックを利用する。当然、カスタマイズの際に同時注文も可能だ。
ただし、NB4シリーズは無線LAN機能がWi-Fi 6(IEEE802.11ax)対応なので、Wi-Fi 6対応ルーターを設置していれば有線LANのギガビットイーサ並の転送速度を実現できる。フリーアドレスのオフィスなどではUSB-LANアダプターよりもWi-Fi 6環境を整えたほうが業務効率が高まるだろう。無線LAN機能には当然Bluetoothも統合されており、Bluetoothマウスなどの周辺機器も利用可能だ。規格はBluetooth 5。
もう一つ重要なインターフェースがキーボード。まずNB4シリーズは基本に忠実な日本語配列キーボードを採用しており、ほかの機種から乗り換えてもキーの位置に関しては間違えることも少なく覚えやすい。キーの幅に関しては15mm程度、キーピッチは19.1mmでここもこのクラスのモバイルPCとしては標準的なサイズだ。唯一特殊な点と言えば、上下左右キー、Page Up/Downキーは縦の狭いものになっているくらいだ。また、タッチパッドも比較的大きくとられていて、このサイズのモバイルPCでも細かな操作をサポートしてくれる。
BYODで魅力的なコスパ
スリム軽量かつ長時間駆動の優れたパッケージ
このように、NB4シリーズはビジネスモバイルPCに求められるスリム軽量さ、バッテリー駆動時間、高いパフォーマンスを兼ね備えている。デザインに関してもスリムさを追求しつつ、本体カラーもブラックでまとめ、ロゴの配置などにもビジネス向けのこだわりが感じられる。
こうしたスペックを実現しつつ、税別10万円台からというコストパフォーマンスは、業務用のPCを個人で選べるBYOD向けに最適ではないだろうか。低価格かつ高性能、そして軽さ薄さ駆動時間も大手メーカーに迫るスペックなら、納得の行く選択になるだろう。
(提供:マウスコンピューター)
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