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「スタートアップ×知財コミュニティイベント by IP BASE in 京都」レポート

時期、スピード感、ライセンス交渉 大学発ベンチャーの知財戦略

2020年02月06日 09時00分更新

 2019年12月13日、特許庁主催、ASCII STARTUP協力にて、大学発ベンチャーの知財戦略をテーマにした勉強会セミナーイベント『大学発ベンチャーの知財戦略の重要性を語る「スタートアップ×知財コミュニティイベント by IP BASE in 京都(特許庁スタートアップ支援チーム)」』が「京都リサーチパーク」で開催された。

 大学にルーツを持つベンチャーやスタートアップにとって、大学内で生み出された知財の活用戦略は必要不可欠なものといえる。しかしながら限りある時間、リソースの中で十分な対応ができていないのが現実である。さらにスタートアップのビジネスは大手企業とは異なる知財戦略が必要になるケースが多く、それを支援する弁理士や知財関係者の側がスタートアップのビジネスモデルをよく知る必要も出てくる。

 本イベントは、大学発ベンチャーおよびそれらベンチャーに投資するVC(ベンチャーキャピタル)から見た知財戦略の実際を紹介することにより、スタートアップ関係者の知財戦略、活用、取組のきっかけとしてもらうことを目的としている。起業家・スタートアップ関係者と、弁理士などの知財関係者を一堂に会したコミュニティイベントとして、特許庁が推進しているスタートアップ支援施策を周知するとともに、スタートアップの成長に関わる方々の相互理解とコミュニケーションを促進することも目指している。

 イベントは2部構成となっており、第1部では特許庁が進めているスタートアップ支援の取り組みの紹介と、「大学発ベンチャーと知財」というテーマで阪大発ベンチャーである株式会社ファンペップより、大学発ベンチャーならではの知財戦略について講演があった。第2部では、関西の大学発ベンチャーおよびそれらに投資を行っているベンチャーキャピタリストたちによるパネルディスカッションが行なわれた。

特許庁、スタートアップ支援はじめました
~スタートアップの知財戦略~

 第1部前半は、特許庁 企画調査課 スタートアップ支援チーム進士千尋氏から特許庁のスタートアップの知財戦略支援施策の紹介があった。

特許庁企業調査課 課長補佐 進士千尋氏

 企業が持つ経営資源は、ヒト・モノ・カネの3つに加えて、人脈やマーケットなどの情報と特許や商標などの知財が挙げられる。大企業にとってはこれらはいずれもあって当たり前のものではあるが、スタートアップにとってはキーとなる技術を持つエンジニア(ヒト)がわずかにいる程度で、モノもカネも情報も乏しい。とすれば必然的に知財の重要性は非常に高くなる。

 特に知財権は、自分の技術を独占するツールになる、あるいは大企業と連携するときに、自分たちの技術範囲を示すためのツールにもなる。顧客やVCに自分たちの技術力をアピールし、信用を得るためのツールにもなる。しかしながら特許庁の調査によれば、日本のスタートアップは知財や知財権にあまり注意を払っていない。事実、起業後10年以内の特許取得数をみると、米国のスタートアップに比べて日本のスタートアップは圧倒的に少ないとデータがある。

 ただし、だからといってやみくもに特許を出願するのもコストや時間の関係で難しい。そこで重要になるのが知財戦略である。そこで特許庁は2018年7月にスタートアップ支援チームを設置し、スタートアップの知財戦略立案の支援を開始した。その一つが知財アクセラレーションプログラム(IPAS)である。また、知財戦略についてもっと知りたいというスタートアップに対しては、先行事例の調査レポートを提供している。スタートアップ向けの知財情報サイト「IP BASE」で、IPASの成果事例集のほか、「一歩先行く国内外ベンチャー企業の知的財産戦略事例集」や「ベンチャー投資家のための知的財産に対する評価・支援の手引き」などが公開されている。

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