イタリアのMVNOサービスであるZeromobile(ゼロモバイル)は、中国で17日まで開催していた“Mobile World Congress 上海 2015”に出展。同社が提供する、世界中で各種メッセージサービスが年間10ユーロ(約1350円)で使用できるSIMカード『Chatsim』について、サービスについての説明会を実施しました。
↑1枚のSIMで世界各国に対応する『Chatsim』。標準(ミニ)、マイクロ、ナノと1枚で3サイズに切り取れるタイプです。 |
さらに、メディアに向けにこのChatsimを配布していたので、さっそくテストしてみました。アクティベート作業は同社のウェブサイトにログインして、SIMの情報を入力すればオーケー。SIMフリー端末にChatsimを挿してしばらく待っていると、開通のお知らせが届きました。
↑公式サイトにアカウントを作成してSIMを登録。APNなどの情報も公式サイトに記載されています。 |
↑必要な情報を登録すると、開通のお知らせがSMSで届く。 |
SIM購入時に10ユーロを支払っているので、この状態でテキストメッセージだけ利用可能。日本でもなじみのある対象サービスはLINEやFacebookメッセンジャー、Skypeなど。ほかにもWeChat、Viber、カカオトーク、WhatsApp、iMessageも対象で、それぞれの公式アプリで使えばオーケー。
↑LINEなど公式アプリをそのまま使用します。 |
テキストメッセージだけなので、写真など添付された場合は表示できませんが、さらにマルチメディア用の料金をチャージすることで、画像や動画、音声といったデータの送受信も可能となります。
↑マルチメディア用のチャージをすると、写真の添付にも対応。 |
↑ビデオ通話も試したところ問題なく利用できました。 |
今回テストしたSIMの場合、さらに10ユーロを追加することで、“2000クレジット”がチャージされます。使用する国によって消費するクレジットが異なっており、中国では1MBあたり100クレジット、日本では1MBあたり150クレジットとなっています。
↑対象国が6つのゾーンに分かれており、それぞれ消費するクレジットが異なります。 |
↑公式サイトからチャージ残高がチェックできます。 |
ただし、クレジットを消費するデータ通信も利用できるサービス(アプリ)は限定されていて、ウェブブラウザーや地図アプリといったほかのアプリでは利用できません。それだけでなく、対象サービス以外でデータ通信を行なうと、通信がロックされて公式サイトから解除作業が必要となるケースもあります。
そのため、使用時にはOSの設定で通信できるアプリを限定させておくと安定して利用できます。
↑テストで使用したファーウェイの『Huawei P8』は、アプリごとにデータ通信の利用が制限できました。 |
意外と制約が多くて、使いにくそうなイメージですが、1枚のSIMで挿し変えることなく各国で利用できるのは便利です。実際、中国から香港に移動して使ってみましたが、設定などを変更することなくそのまま利用できました。
現地でSIMを購入したり、WiFiスポットを探さなくても飛行機をおりてすぐにメッセージのやり取りができるので、Chatsim用にSIMフリー端末を用意しておけば、世界をあちこち回る旅人にはかなり魅力的なサービスだと思います。
また、これまでChatsimは3G専用でローミング可能な国や地域の違う『Chatsim』と『Chatsim plus』と2種類のSIMを提供していましたが、MWCSにあわせて、新たに4G対応で140の国や地域がエリアとなる『Chatsim world』のリリースもアナウンスしています。
↑Chatsim worldのカバーエリア。非対応エリアのほうが少ないくらいです。 |
Chatsimは日本でも利用可能。さらに公式サイトから購入可能で、日本への発送にも対応していますので、興味のあるユーザーはチェックしてみましょう!
●関連サイト
・MWC Shanghai
・Chatsim
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