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なぜ日本でiPhoneが勝利し、Galaxyが敗北したか

iPhone vs. Galaxy
iPhone 6、Galaxy Note 4
写真:Kārlis Dambrāns

 先日掲載いただいたコラム「なぜiPhoneのシェアが日本だけ高いのか」について、たくさんのツイートをいただき、ありがとうございます。思ったよりも多くの反響をいただいたため、調子に乗り、またアスキーさんのご厚意にも甘えて第2弾を書かせていただくことになりました。

 前回記事にコメントいただいたツイートのご意見すべてに回答したいのですが、今回はその中から「日本だけGalaxyのシェアが低い理由が説明されていない」ということについて書いてみたいと思います。

世界でトップ、日本で下位

 サムスンのスマートフォンのブランドであるGalaxyは、世界でトップシェアを誇っています。※1

 なぜトップシェアになったかについては諸説ありますが、自社でCPUやメモリー、液晶というスマホの中心部品を製造することにより、他社と同等の性能のスマホをより低価格で販売できること。そして、ハイエンドモデルでブランド力を高め、幅広いラインナップでいろいろな層の顧客を取り込むというビジネスモデルを確立したことなどが挙げられると思います。

 私もGalaxy NoteとGalaxy Nexusを所有しておりますが、同時期の他のAndroidスマホと比べ、高級感こそないものの、動作はとても早くて安定していました。

 海外では「iPhone vs. Galaxy」の構図が成立しているというのもよくわかります。しかし一方、日本でGalaxyはほとんどシェアがとれておりません。※2

 原因として「同等の性能のスマホを低コストで製造」や「幅広いラインナップ」と言う強みが、ハイエンドモデルしか存在しない日本の市場では活かしきれなかったと言う面もあります。

 しかし、それ以上に、日本では携帯会社主導で「iPhone vs ガラスマ」の構図が成立したためだと考えます。

Galaxyは「ガラパゴス」に負けた

 ここで言うガラスマとは、ガラケー機能を有したスマートフォンのことです。

 iPhone発売当初、iPhoneを取り扱わない携帯会社は「日本ではワンセグやおサイフケータイがついていないケータイは売れない」と静観していました。それもあってか、iPhoneに対抗してAndroidスマホを大々的に売り出す際、ガラケー機能を全面に出して宣伝しました。

 それにより、「ガラケー機能はないけどiPhone」「ガラケー機能を優先してAndroidスマホ」というロジックでスマホを選ぶ人が多数を占めるようになり、ガラケー機能を重視しなかったGalaxyが、日本の市場で埋もれてしまったものと考えられます。

 その結果、「iPhone vs. ガラスマ」の構図に勝ち残ったiPhoneが海外以上にシェアを伸ばしたのに対し、対決の構図を作れなかったGalaxyのシェアが伸び悩んだと言えると思います。

 後にGalaxyも防水などガラケー機能を搭載した機種を売り出しましたが、その頃には他のガラスマも動作が安定し、遅きに失した感がありました。

今回のまとめ

 今回のコラムを3行でまとめますと、

・海外では「iPhone vs. Galaxy」の構図が成立している
・しかし、日本では携帯会社主導で「iPhone vs. ガラスマ」の構図が成立した
・その結果、Galaxyは日本の市場で埋もれてしまった

 以上、Galaxyは2台しか持っていないけどXperiaは10台以上所有している佐藤のコラムでした。(ちなみに、前回のコラム作成後、ついにiPhoneを購入しました)

 本コラムは執筆者個人の見解です。

※1 2015年第1四半期スマートフォンシェア:1位Samsung24.5%、2位Apple18.2%、3位Lenovo5.6%(IDC調べ)
※2 2014年国内年間メーカー別シェア:サムスンは4.7%、1位はアップルで42.6%(IDC調べ)

●関連サイト
テレコムスクエア

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