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中国「小さい端末ならまかせろ!」子ども向けスマートウォッチ最新事情

2015年07月02日 07時00分更新

 子ども向のスマートウォッチの種類が海外でも増えています。日本でも子ども向けの腕時計型端末『ドコッチ 01』がドコモから販売されていますよね。中国でも、「この手の小型デバイスなら中国に任せろ!」とばかりに多数の製品が売られています。

中国 子ども向けスマートウォッチ
↑大人向けは相変わらず適当な製品が多い。

 腕時計型の携帯電話やスマートウォッチはすでに数十種類以上が販売されていますが、そのほとんどがまともな商品ではないのも事実。デザインにおいても、大手メーカー品がそのまんま、なんてものも数多くあります。海外の大手展示会には、多数の中国ODM/OEMメーカーがブースを構えてスマートウォッチを出展しているのですが、それらも同様。数としてはあるけど、使えるものがほとんどないのが実情です。

中国 子ども向けスマートウォッチ
↑キッズ向けウォッチはとてもまとも!これ欲しい。

 ところが、子ども向けのスマートウォッチは年々進化が進んでおり、最近ではすぐ壊れるような製品が激減しています。たとえば、Metu社の子ども向けウォッチは継ぎ目のないベルトで壊れにくく、時計背面にフタが無いため汗の侵入による故障の心配も不要。GSMを搭載し、単体での通話が可能です。時計を腕から落とすとモーションセンサーで感知し、そのことをリモート接続している親のスマホに通知。子どもが使う道具としてあるべき機能も備えています。価格は8000円前後。

中国 子ども向けスマートウォッチ
↑TBITのスマートウォッチは月100円で維持できる。

 子ども向けということもあり、どの製品もまだ3G搭載品はなく、2Gのみ。とはいえ、GPSで取得する位置データを親のスマホに送る程度なら、GSM回線でも十分でしょう。TBIT社の『PT02』は、同社が専用SIMをセットして販売しています。毎月5元(約100円)で30MBの無料データ通信が利用できるのですが、子どものトラッキング利用なら十分まかなえるデータ量でしょう。価格は1万円前後。

中国 子ども向けスマートウォッチ
↑ナノSIMに対応した最新ウォッチも登場。
中国 子ども向けスマートウォッチ
↑カラバリもどことなく落ち着いた色。

 AbardeenのスマートウォッチはナノSIMが使えます。iPhoneなど最新のスマホと共用できますね。iPhoneユーザーの子どもをターゲットにしているのか、本体の色合いも派手なカラーリングではなく、ちょっとシックで落ち着いた色合いになっています。なお、前の製品も含めiOSとAndroidアプリがあるので子どもの位置情報の確認も簡単に行なえます。価格は1万6000円前後。

中国 子ども向けスマートウォッチ
↑大人向けも欲しいクラシカルデザイン。

 Diweinuoの『D9』はアナログの文字盤の周りに10キーを並べたアナログ固定電話のようなデザイン。時計側でできることはGPSによる位置情報の発信と通話程度ですが、いつでも時間のわかる腕時計として使えるのは便利かもしれません。親側のスマホからはD9に電話をかけて、その場の周りの環境の音を聞くことも可能。D9を腕にはめている子どもが電話に出れない状況であっても、遊んでいたり何かのレッスンを受けている最中、ということを音で確認できるわけです。価格は1万円前後。

中国 子ども向けスマートウォッチ
↑スマートウォッチ大手の製品は安定した仕上げ。

 4つのカラバリと子どもが喜びそうなキャラクターが描かれたBebyweiの製品は、中国のスマートウォッチやスマホ大手メーカーUmeoxのODM品。ディスプレーの手前側に配置した大型のSOSボタン、600mAhバッテリーで最大待受け7日間など、こだわりが見え隠れするUmeox製。質感もよく、おそらく中国製のキッズスマートウォッチの中では最上位の品質と言えます。価格は1万円前後。

中国 子ども向けスマートウォッチ
↑サングラスが付いているMateの楽しい時計。
中国 子ども向けスマートウォッチ
↑色の組み合わせもいい感じ。

 Mateの腕時計はディスプレー部分になぜかスリットの入ったサングラス状のパーツの付いたデザイン。取り外しは可能なようですが、子どもが好きな位置に付けたり外したりと遊べるようにしているようです。デザインといい色の組み合わせといいどことなくいいセンスを感じられる一品ですね。もちろんこれもGSMを内蔵し通話可能。価格は1万円前後。

中国 子ども向けスマートウォッチ
↑ZGPAXの小学校高学年向け時計。

 さて、子ども用の時計と言っても、小学校高学年や中学生くらいになるともう少し腕時計らしいデザインのものが欲しくなります。多数のスマートウォッチを出しているZGPAXはそんな高学年向けの製品を発売中。価格は1万1000円前後。

中国 子ども向けスマートウォッチ
↑スマートウォッチの本来の姿はこちらだった。

 ところで、冷静に考えるとスマートウォッチというものは単体でもある程度の機能を持ったり、あるいはスマホと接続して通知を受けたりする製品のことを言いますよね。今回紹介した製品の大半は時計側ではそれほどのことはできません。でも、親側のスマホ向けにアプリが用意され、トラッキングなどができることから、これらも広義な意味でのスマートウォッチと呼んでもよいでしょう。なお、ZGPAXの丸型スマートウォッチはAndroid OS搭載かつ3Gにも対応します。

中国 子ども向けスマートウォッチ
↑ちょいヤバな製品もあるけどこれから楽しみ。

 中国のオンラインショッピングモールで“児童腕時計携帯”で検索すると、ざっと20種類以上のものが出てきます。中にはこちらのようにちょっと微妙なキャラクターを使った製品もまだ見つかります。しかし、ベルトの素材も安全なものを使ったり、電波の輻射を押さえた設計のものも多く、先進国で販売しても十分使えそうなものが増えています。

 もしかすると、安価なスマートウォッチは、今後子ども向け製品のほうが充実していくかもしれません。大人でも使えちゃうようなデザインの製品の登場にも期待したいです。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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