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年1%増える! 1万円入れたら100円儲かるってこと!? プリペイド電子マネー『SPIKEコイン』

2015年06月18日 06時30分更新

SPIKE

 決済プラットフォーム『SPIKE』(スパイク)にて6月2日に始まった『SPIKEコイン』が話題だ。

 同サービスは、ユーザーや事業者がチャージすることで使えるプリペイド型の電子マネー。決済時の使用額に応じて最大5%の電子コインが付与されるだけでなく、電子マネーの保有額に対して年間1%の割合で増えるため、他の電子マネーよりもお得に貯めることができる。

 メタップスが運営するSPIKEはもともと、クレジットカード決済手数料が0%ということで衝撃を与えた事業者向けの決済サービスだった。現在は「テクノロジーでお金の在り方を変える」というミッションのもと、SPIKEマーケットやSPIKEコインといったサービスも含め、決済や電子マネーに限らない、お金に関わる幅広いサービス展開を行っている。

 SPIKEコインが使えるのは、事業者・ビジネスパーソン向けのお得な優待サービスをそなえた『SPIKEマーケット』のみ。だが、今後は加盟する多くの事業者の店舗でも使えるなど、SPIKEのオンライン決済が導入されている全てのサービスで共通して利用できるようになる予定だという。

SPIKE

↑SPIKEコインは、ウェブサイトから会員登録をした上で、管理画面から購入できる。一般利用者は銀行振り込みから購入するのみ。その他のビットコインなどと同様に指定口座への入金が必要。

SPIKE

↑amazonギフト券や一休.comのレストラン予約クーポンなどビジネス向けのアイテムが並んでいる。

SPIKE

↑ビジネスユースのVAIOも超特価の9万9000円! 

 上記のような商品のほか、SPIKEプラットフォーム内のマーケットプレイスではさまざまな商品の購入が可能だ。

 なお、SPIKEコインには、購入することで保有できる”SPIKEふえるコイン”と、SPIKEマーケットでの買い物などに応じて無料で付与される”SPIKEボーナスコイン”の2種類がある。

 保有額に対して年間1%の割合での還元が適用されるのがSPIKEふえるコイン。SPIKEマーケットでの買い物などに応じて最大5%が付与されるボーナスコインは、保有額に対して還元されないので注意。なお、SPIKEコイン自体の有効期限は無期限だが、3年間利用していない場合には消滅する可能性があるという。

 SPIKEコインはあくまでマーケット上の電子マネー。ビットコインなどのような仮想通貨ではなく、1円=1コインという形で、SuicaやWebmoneyと同じ”前払式支払手段”と呼ばれるものだ。メタップスによれば登録事業者数がこの6月で10万件を超えており、今後汎用的に使える場面が増える可能性も高い。

 実質年1%のふえるコイン増額分をどのようにカバー・保証していくのかをメタップスのSPIKE事業責任者である荻原充彦氏に問い合わせたところ、「ビジネスモデル上の根幹に関わる部分で具体的にはお答えできないが、決済から電子マネー、マーケット、金融事業と展開していくなかで、充分ビジネスモデルとして成り立つと踏んでいる」という答えだった。

人は次に何を買うのか? SPIKEの狙いとは

 SPIKEを運営するメタップスは、人工知能を活用したスマホアプリ分析などを手がける、データを元に価値をつくりだす企業。メタップスの佐藤航陽代表取締役にSPIKEの取り組みについて話を聞いてみたので、サービスの背景が気になる人はぜひ読んでもらいたい。

 佐藤代表はSPIKEについて、「決済で勝負するつもりはない。今回の電子マネーをはじめ新たな金融システムをつくっていきたい」と語る。 

 現在の決済業界各社に、大きな差別化要素は存在しない。各プレイヤーは代理店と同様で、マージンや、手数料と早期支払いでの違いがあるのみで、決済や電子マネーでの新たな付加価値は生まれてはいない状況だ。

 メタップスが決済分野に参入したのも、事業を行っているプレイヤーの種類が少なく、一部の伝統的なプレイヤーが全体の大部分を占めているから。新興の1社が一気に伸びれば、マーケット自体が変わる可能性がある。それこそ、決済や電子マネーに限らないECや金融も含めた事業の広がりを狙っている。

 同社は目下AI(人工知能)の学習精度を上げ、ハードウェアの研究対応を進めているという。コンピュータの学習基盤は「人は次に何を買うか」だ。決済もアプリと同様にデータを分析することで、事業者にとってマネタイズしやすい仕組みが作れたらどうなるか。

「今は待っている段階。面白くなってくるのは3年くらい先で、全ての商取引がECにつながると見込んでいる。アプリだけではなく、相関関係による購買予測でストアやソーシャルのデータ分析までできるようになってくる。AIによる全知全能はさすがに無理でも、全知くらいは3年くらいで見すえている」

 メタップスとしては、まだまだ練習期間だと佐藤代表。「会社として利益を高めるために、金融に関わる幅広いサービス展開を目論んでいる。世界的に見れば、広告分野ではGoogle、Facebookがいるのでなかなか近づけない。そこで、広告と金融の中間でビジネスをまとめるべきだと判断している」と野望を語った。

画像:SPIKE

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