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LTE版のみとなったSurface 3は高い? 国内発表を分析

2015年05月20日 07時30分更新

 5月19日、日本マイクロソフトは都内で“New Surface Press Conference”を開催し、日本国内向けに『Surface 3』を発表しました。

 最大のサプライズは、世界初となったワイモバイルからのLTE版『Surface 3』の発売です。米国におけるLTE版の発売は6月26日になるとMSストアに表示されたこともあったものの、現在では“Coming soon”となっており、6月19日発売の日本が世界初となりそうです。

LTE版のみとなったSurface 3は高い?
午前中にはソフトバンクモバイルの発表会に登壇した、日本マイクロソフトの樋口泰行社長。ソフトバンクモバイルの宮内謙氏とともに、サプライズとしてSurface 3を発表。世界で初めて日本にLTE版を投入することを明かした。
LTE版のみとなったSurface 3は高い?
その午後に行われた日本マイクロソフト主催の発表会には、米マイクロソフトのブライアン・ホール氏、樋口社長、ソフトバンクモバイル専務のエリック・ガン氏が登場。会場スタッフを含め、全員がお揃いの“Surface 3”Tシャツを着ていたのが印象的だ。

■SIMフリーだが、ソフトバンク向けの仕様

 Surface 3の国内発売を心待ちにしていた個人ユーザーにとって、最も気になるのは、個人向け販売がワイモバイルによるLTE版のみ、という点でしょう。

 一見すると、ワイモバイルとの回線契約が必須のように感じてしまうものの、実際にはLTE版Surfaceを単体で購入することが可能。さらにSIMフリー仕様となっており、ワイモバイル以外のSIMカードを使える可能性があることも分かりました。

 ただ、ソフトバンクモバイルが公開しているバンドの仕様を見ると、国内ではW-CDMA 900MHz/2.1GHz、FDD-LTE 900MHz/1.7GHz/2.1GHz対応となっており、ソフトバンクのネットワークを前提にした仕様であることが分かります(ワイモバイルのネットワーク仕様はソフトバンクと同じ)。

 樋口社長はプレゼンテーション中に、「LTEは、ソフトバンクのネットワークのみでしか検証していない」と言及。質疑応答でエリック・ガン氏は「SIMフリー」と明言したものの、他のネットワークが利用できるかどうかは言葉を濁しています。

LTE版のみとなったSurface 3は高い?
ワイモバイルが販売するLTE版Surface 3がSIMフリーであることは明言したものの、ネットワークとの接続性はソフトバンクでのみ検証している、とのスタンスだ。

 ガン氏によれば、マイクロソフトとワイモバイルはSurface 3の日本発売に向けて、2014年9月から協議を重ねてきたとのこと。

 個人向けにWi-Fi版を提供しないことや、LTE版を世界に先駆けて日本市場に投入することなど、日本だけの特別待遇が実現した背景には、両社の“二人三脚”の関係が見え隠れしている印象があります。

LTE版のみとなったSurface 3は高い?
ブライアン・ホール氏も、ワイモバイルを意識したのか、ブライトレッドのタイプカバーと、新色のレッドのSurfaceペンでデモを行なった。

 なお、海外ではW-CDMA 850MHz/900MHz/1.9GHz/2.1GHz、FDD-LTE 800MHz/900MHz/1.7GHz/2.1GHz/2.6GHzに対応することから、ローミング時や海外のSIMカードを使用した場合には、これらのネットワークで使える可能性がありそうです。


■LTE版が8万1800円から、という価格は高い?

 個人向け販売がLTE版のみとなったことから、メモリー2GB/ストレージ64GBの下位モデルが8万1800円(税抜)という価格も、気になるところです。

 海外版の下位モデルは499ドル(約5万9900円)とはいえ、Office Premium搭載を考えれば、7万円前後はやむを得ないところ。さらにLTE版で1万円が上乗せされることで、8万円台は海外版と比べても妥当な価格といえます。

LTE版のみとなったSurface 3は高い?
個人向けはLTE版のみで高く感じるが、Office Premiumを搭載していることもあり、基本的には海外と大きく変わらない価格設定だ

 ただ、Surface以外のタブレットと比較した場合、アクセサリーを同時購入する際のトータルコストを考えれば、割高感は否めません。Surface 3用の新しいタイプカバー『Surface 3 Type Cover』は1万5680円、Surface Pro 3と仕様が同じながら新色が加わった『Surfaceペン』は5980円で、合計すると下位モデルでも10万円を超えてしまいます。

 これに対してワイモバイルは、予約特典としてSurfaceペンを同梱するとしています。また、日本マイクロソフトは積極的に言及しなかったものの、タイプカバーは従来品とコネクターに互換性があるとされています。わずかにサイズが合わない点を許容できるなら、既存のタイプカバーを流用することで節約することができます。

LTE版のみとなったSurface 3は高い?
5980円のペンがもらえるという、嬉しい予約特典。ただしペンのカラーは選べない。
LTE版のみとなったSurface 3は高い?
なお、発表会で何度も披露されたワイモバイルのロゴ入りタイプカバーは発表会用の特注品で、市販品にロゴはないとのこと。とはいえ、かつて存在した模様入りの限定版タッチカバーのような試みが復活しても面白いのではないだろうか。

 さらに個人向けSurface 3は、1万円を上乗せすることでメモリー4GB/ストレージ128GBの上位モデルが手に入ります。この価格帯では、6月1日に値上がりするSurface Pro 3との違いが悩ましいところ。5月中にはSurface 3の展示機が店頭に並ぶ予定とのことから、今月中に両機種を比較するチャンスは訪れそうです。

■関連サイト
マイクロソフト
ワイモバイル

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