ネットで話題のサービスや事件、ツイートしている中の人を直撃する週アスの好評連載『中の人特捜部』──今回は、高性能になるとペナルティーが科せられるなど、ゆる過ぎるルールで開催されるロボットバトル“ヘボコン”の仕掛け人を直撃!
ダメなものや失敗作を集めるイベントを企画
ロボットバトルの参加者というと、工学的な知識に加え、プログラミング技術も併せもつ、優れた技術者といったイメージが強い。そんなイメージを一蹴したのが、昨年の夏に開催された『技術力の低い人限定ロボコン』(通称:ヘボコン)である。出場するロボットの規定には“技術的に稚拙であること”と明記され、“ヘボいこと”が必須である。にもかかわらず、文化庁メディア芸術祭の審査委員会推薦作品に入選するなど、にわかに注目を集めてもいるのだ。
さっそく仕掛け人である石川大樹さんに、ヘボコン開催のきっかけについて聞くと、「以前からダメなものが好きなんです(笑)。ダメなものとか、失敗作とかを集めてイベントができないかなと思って企画したんです」とのこと。しかし、もともとロボットバトルを想定していたわけではない。
「一昨年に展示会をやろうとして、失敗作を持ってきてと告知して参加者を募ったんですけど、あまり人が集まらなかったんです。それで1年ほどアイデアを温めて(苦笑)、ロボットバトルなら参加しやすいんじゃないかな」と、ヘボコンにたどりついたのだという。
今週の捜査対象
ヘボコンマスター 石川大樹
〝しょうゆを自動でかけすぎる機械〟など、ユニークな電子工作を制作するDIY ギャグ作家。ニフティの情報サイト『デイリーポータルZ 』で編集・執筆に加え、イベントの企画などもこなす。
これまでのヘボコン大会を振り返る
第一回『技術力の低い人限定ロボコン』(ヘボコン)
↑記念すべき第1回大会。募集枠32人に対し、予想を上回る約60人の応募者が殺到したという。さりげなく石川さんも参加している。
↑1回戦、第10試合で登場した『コピーロボット』は、カセットレコーダーに車輪を付けただけ。動力源は"位置エネルギーエンジン"と称する斜めにした板で、対戦相手の『ストライカー木魚』を弾き飛ばして勝利した。
↑2回戦はバトルロイヤルで、4体のロボットが入り乱れる……ことなく展開(笑)。規定により、移動距離が長かった『暗黒合体ロボ・突撃パンダさん』の勝利。
『技術力の低い人限定ロボコンMini』(ミニヘボコン)
↑ミニヘボコンで使われた"土俵"という名の板。テクノロジーのかけらもなく、施設面でもヘボさを忘れない。
↑『ポールダンスロボ2』(左)と『メトロノーム』(右)が激突。高速で回転するダンサーの足とメトロノームの振り子が激しい攻防を繰り広げた。
石川さんが選ぶ記憶に残るヘボコンたち
ロボット名:日本うんこ学会非公認
腸内細菌プロメテウス・ミラビリス号
(制作者:モッサリオ・モッサモッサ)
↑まず見た目がボロボロで最高。そのくせ風船を膨らませての威かくや、吹き戻しを使った"べんもう攻撃"など、多彩な技をもつ。
ロボット名:ヘボ子
(制作者:呑めず)
↑ヘボコン初のアイドルロボ。声援にあわせてクネクネするが、クネクネしすぎて転倒し、首がもげるという衝撃の最期を遂げた伝説のヘボロボ。
週刊アスキーで全部読めます!
2015年4月21日発売の週刊アスキー4/28号(No.1026))では、ヘボいロボットの神髄を物語るエピソード、世界からの反響などについてもうかがっています。
●関連サイト
Hebocon ヘボコン Official
|
|
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります