ウラジオストクと日本を結ぶフェリーは、韓国の東海港を経由して鳥取県の境港を結ぶルートがあります。ただし往復週1便しかないので、フェリーを使って旅行する場合はスケジュールに注意です。
チケットの購入は世界各地のフェリー予約を扱っているサイト『AFerry』を利用。 |
ウラジオストクの国際ターミナル。 |
ターミナル内にはレストランやスーパーもあります。 |
ウラジオストクの国際フェリーターミナルは、ウラジオストク駅のすぐ裏。歩いて5分の距離です。フェリーのチケットはあらかじめウェブサイトで購入しておいたので、フェリー会社のカウンターで乗船カードに交換してもらうだけ。あとは、フェリーターミナルで出国審査を受けてフェリーに乗船します。
日本へ就航しているイースタン・ドリーム号。韓国が運営するフェリーです。 |
部屋はエコノミークラスで、ひと部屋に8つのベッドがある8人部屋となっています。エコノミークラスはベッドタイプのほか、布団で雑魚寝をするタイプもあり、グループ旅行にはそちらの部屋が割り当てられるようです。料金はウラジオストクから境港まで3万7883円でした。
エコノミークラスの室内。男女別室に振り分けられるようで、同室の人はすべて男性。 |
室内には電源もあり、プラグ形式は日本と同じタイプ。 |
船内の施設は意外と充実していて、レストランやカフェ、売店のほか、カラオケルームや大浴場もありました。ただし船内で利用できる通過は、ドルと円、ウォンのみ。ロシア就航便なのに、ロシアのルーブルは使えません。実は船内での買い物に使おうとルーブルをいくらか残していて、失敗しちゃいました。
売店ではスナックやビールが買えます。 |
レストランはオープン時間が決まっていて、ビュッフェ形式。ディナーが1200円でした。 |
日本人にはうれしい大浴場。大海原を見ながらの湯船は実に気持ちがいい! |
14時にウラジオストクを出港。2週間近くいロシアともおさらばです。 |
ウラジオストク出航後、スマホは、岸が見えなくなってもしばらくは電波を拾っていましたが、そのうち圏外に。フェリーにはWiFiサービスもないので、翌日韓国沿岸に近づくまで通信はなしです。
ウラジオストクから東海港までは約700km。東海港から境港までは約450km。 |
翌日10時に東海港に着岸。次の出航まで約8時間はあるので、いったん下船して韓国に入国します。
中継地点の東海港。朝鮮半島の東海岸にあり、タンカーなども停泊していました。 |
入国審査後、フェリーターミナルの売店でSIMが売っているかどうか確認してみましたが、残念ながらないとのこと。またフェリーターミナル周辺にはコンビニが1軒ある程度。このコンビニでもSIMについて聞いてみましたが取り扱いはなし。
しかたがないので、スマホは日本キャリアの海外ローミングをオンに。さららにフェリーターミナルに戻って、フェリーターミナルの無料WiFiも使用。幸い出発ロビーにデスクも用意されていたので、ノートPCを広げて作業ができました。
東海港のフェリーターミナル。中は小さな売店だけでレストランなどはありません。 |
フェリーターミナルのデスク。この隣には無料で使えるPCもありました。 |
出航時間が近づいてきたので、再度イミグレーションを通って乗船。ウラジオストクから東海港よりも、東海港から境港のほうが乗客が多く、韓国では人気路線になっているようです。
客室とベッドはウラジオストクからと同じ場所で、一晩眠って目が覚めると、日本沿岸まで来ていました!
ついに日本が見えてきた! 桜もまだ咲いていてお花見に間に合いました!! |
9時に境港へ着岸。ほぼ予定どおりです。入国審査はフェリーターミナルで行ないます。 |
これで、飛行機を使わずにユーラシア大陸の最東端から日本まで帰ってきたわけです。
ここから地元横浜までも、せっかくなので飛行機ではなく鉄道を使うことに。さらに新幹線では味気ないので、寝台列車のサンライズ出雲を予約しておきました。
ちなみに、今回の海外での鉄道とバス、フェリーのチケットはすべてネットから予約購入できたのですが、サンライズ出雲だけはネットでの予約に対応していません。JR各社のみどりの窓口で直接買うか、JR西日本の電話予約サービスで予約するしかありません。
サンライズ出雲・瀬戸はオンラインでの予約ができないので、電話でクレジットカードの番号などを伝え予約する。 |
キップの発売は乗車の30日前からなので、海外からIP電話を使って予約しましたが、サンライズ出雲もオンラインで予約購入できるようにして欲しいです。
さて、サンライズ出雲の出発までは時間があるので、境港周辺をブラブラします。境港は漫画家の水木しげる先生ゆかりの地。そのため街をあげての水木推し、妖怪推しです。
街のいたるところに妖怪のオブジェが。 |
お土産も妖怪ゆかりのものが多い。 |
水木しげるロードに鬼太郎が歩いてました! |
砂かけばばあも……ひとりで立っているとコワイ……。 |
長い時間かけてようやく日本に辿り着いたと思ったら、妖怪の国に到着してしまった、という気分です。さらに境港と米子を結ぶ境線は、鬼太郎列車を運行。鬼太郎をはじめ猫娘やねずみ男など、いくつかのペイントパターンがあり、今回は鬼太郎バージョンに乗れました。
車体全体に鬼太郎をペイント。 |
車内のシートにも鬼太郎が。 |
もちろん天井にも鬼太郎。 |
鬼太郎列車で妖怪の国の境港から米子駅に到着したあと、駅の窓口で予約していたキップを受取り、サンライズ出雲に乗り込みます。乗車したのはシングルで料金は米子から横浜まで2万1060円です。個室ですが、ベッドがあるだけのシンプルなつくり。荷物スペースもなく、スーツケースの置き場に苦労しました。
シングルはかなり狭め。とはいえ寝間着やスリッパまで用意されているのは日本らしいサービス。 |
室内には電源があるので、充電は問題なし。 |
サンライズ出雲にはシャワー設備もあるので、汗もながせます。シャワーは連続で6分間利用可能。6分というと短く感じますが、カラダを洗っているときなどは、シャワーを止めてカウントをストップできるので、十分全身を流せます。
シャワーはカード式。320円でシャワー近くの自動販売機で購入。 |
シャワーでさっぱりしてから。米子駅で購入した駅弁をつまみに一杯飲んで就寝。翌朝6時44分には地元横浜駅に到着です。
途中の岡山駅で、四国方面から来たサンライズ瀬戸と連結しています。 |
ついに地元横浜まで帰ってきた!! |
というわけで、ついにユーラシア大陸の最西端ロカ岬から飛行機を使わずに自宅まで帰ってくることができました。かかった交通費は下記のとおりです。
【ユーラシア大陸最西端から日本までの移動費】
●モスクワ駅→イルクーツク駅:170ポンド(約3万700円)
●イルクーツク駅→ハバロフスク駅:330ポンド(約5万9500円)
●ハバロフスク駅→ワニノ駅:25.67ポンド(約4700円)
●ワニノ駅→ハバロフスク駅:25.67ポンド(約4700円)
●ハバロフスク駅→ウラジオストク駅:64.94ポンド(1万1800円
●ハバロフスク→境港:3万7883円
●境港駅→米子駅:320円
●米子駅→横浜駅:2万1060円
●前回の移動費:9万5円
合計……26万668円
欧州の往復航空運賃はエコノミークラスで10万円前後からあるので、飛行機のほうが断然おトク。というか、往路の航空券代と合わせると、飛行機ならビジネスクラスで欧州を往復できる金額です。
さらに移動にかかった日数は、MWCとローマの取材を除くと約28日間です。この日数は、途中下車して休憩したり寄り道せずに通して乗り続ければ、もう1週間くらい短縮できますが体力的にはかなり厳しくなりそうです。
ロカ岬から横浜までの大まかなルートです。地図的にも日程的にも2/3はロシア。ロシアの広さをこれでもかと見せつけられた旅でした。 |
これで、今回の旅は終了です。
実はこの翌週、ロンドンでのファーウェイの発表会取材(関連記事)のため、また飛行機で欧州を往復したんですよね。
飛行機だと約1ヵ月かけた距離もひとっ飛び。 |
1ヵ月以上かけて移動してきたルートを、わずか11時間程度で移動できちゃいました。改めて思うに、飛行機って便利ですね! とはいえ鉄道での移動も旅情があって良いものです。ユーラシア大陸横断とまではいかなくても、飛行機と組み合わせた欧州鉄道旅はオススメですよ!!
■関連サイト
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