週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

マウスのスティック型PCを魔改造! ノーマルより冷え冷えになった全工程

2015年04月18日 07時30分更新

 マウスコンピューターのスティック型PC『MS-NH1』はBIOS更新でさらに遊べるアイテムになってきました。前回の記事で、BIOS更新をしたらターボブーストがONになり、条件さえあえば1.8GHz級で動作し、平均動作クロックも高くなりました。となると、冷却なわけで分解ついでにこんなことしてみました。

m-Stickヒートシンク改造

 自宅に余っていたヒートシンクを試し載せしたところ、みるみる冷却されていく!!! こ、これはもうやるしかない。長時間高負荷運用のために保冷剤を巻きつけていた「あの日」からオサラバしたいと思います!

 当然、熱を逃がすヒートシンクをつければ冷えるのは間違いないですが、スティックPCが巨大化しては意味がない。ファンを付けるのも「逃げ」な気がするジサトラ魂なので、なるべくスタイリッシュに、ファンレスで、特殊すぎないパーツを用いるのをテーマにしてみました。

m-Stickヒートシンク改造
↑よくみるとスポンジ的な部分に空きがあります。分解してわかったのですが、ケースとスポンジの圧でヒートスプレッダーをきつく押さえ熱伝導を良くし、この隙間から熱気を通気口へ逃しているのでは! マウスさんの設計には頭が上がりません。ヨドバシにも売っている安定のPCパーツ、定評のアイネックスさんのヒートシンクを用意します。
m-Stickヒートシンク改造
↑このスポンジを生かして残そうという計画なのでそこに合うヒートシンクを買ってきたわけです。どーですこのフィット感。入手性の高いものでピッタリなとこがうれしすぎますな。
m-Stickヒートシンク改造
↑というわけで3個並べられるようくり抜いてみました。と簡単に言ってますが、ここが最高に手間でした。キリで穴をあけテーパーリーマーでぐりぐり穴を広げ、ハンドニブラーを挿入してバチバチ切り、棒状のヤスリで丁寧に仕上げます。こういう工作、下手なほうですがなんとかなります。
m-Stickヒートシンク改造
↑この工程はハッキリ言っていらないです。ジサトラ流の趣味なので飛ばしていいですが、ヒートスプレッダーの刻印の凹みが相当気になったのでグリスで埋める作業をしました。空気を少しでも減らしたい、CPUクーラー魂です(笑)
m-Stickヒートシンク改造
↑ヒートスプレッダーの刻印のミゾ以外にグリスが残らないようキレイに拭き取りケースをはめます。マウスさん本当にごめんなさい! ロゴをうまい具合にくりぬく形になってしまいましたよ。自腹ですから、借用機ではありませんから!
m-Stickヒートシンク改造
↑そこから慎重に熱伝導接着テープをヒートシンクに貼り、思い切り端から詰め込みます!緊張の一瞬。
m-Stickヒートシンク改造
m-Stickヒートシンク改造

 できました! いやーもう3連のヒートシンクをガッチリ密着させないと入らなくなってしまうんでヒヤヒヤでした。けっこうカッコよくないですか??(自画自賛)

 

m-Stickヒートシンク改造

 そして予備に買っておいたヒートシンクをさらに追加! これは樹脂の外装の上に貼り付けただけです。HDMI側は直下にヒートスプレッダーがあるので熱くなり、役に立っている気配です。これももともとの熱伝導に優れたケース設計の賜物ですね。

 さてどれくらい冷えるようになったんでしょうか。ヒートシンクが小さいうえにファンはないので劇的にはいかないと思いますが比べてみましょう。


■ベータBIOS適用改造なし ニコニコ30分再生時

m-Stickヒートシンク改造
↑上の囲みは平均動作クロック、下の囲みは左が最高記録温度、右が平均温度です。BIOS更新記事と同じく高画質ニコニコ動画をChromeで再生。この表は左から、現在の値、最低記録、最高記録、平均の値になっています。

■魔改造後 ニコニコ30分再生時

m-Stickヒートシンク改造
↑どうですか奥さーん! 上の囲みの平均動作クロックも800MHz台をキープ、最大温度でも7度ほど下がってますね。平均も60度を割って非常にうれしいです。

■魔改造後 ニコニコ1時間半再生時

m-Stickヒートシンク改造
↑とはいえ、油断はできませんよ。コンテンツを変えたりしながら繰り返し再生をし計測すると……おやおや、改造なしに似てきましたよ? ちょっと再生がギコチなくなってきました(笑)。最高温度はもはや同じになりましたが、平均温度や動作クロックでは余裕が感じられますね! よね!?

 ヒートシンクを増やしても体積が小さいのもあり、長時間の高負荷ではやはり熱が溜まります。とはいえ、ストリーミング動画やブラウザーゲームなどでの高クロック維持は短時間なら可能です。使用感的には大成功といえる結果です。

m-Stick改造ラスト
↑使用イメージはこんな感じ。改造してしまったのとついでに11acのAtermルーターを使用しているので、BTキーボードマウスをセットアップしAterm『WL900U』子機をUSBに。300Mbpsでリンク。メディアプレーヤーとして満足な形になりました。

 おもしろかったのは部屋の空気清浄機が稼働しはじめたらリアルタイムに3度突然下がったことです。これは風を吹き付けるだけで夏場もかなり冷えるのではと期待させてくれました。腕に自信のある方はあえてのファンなしモデルを購入し遊んでみてはいかがでしょうか。工作が苦手な方はすぐ剥がせるのでケース外にデコレーション気分でトライしてみてもいいかもしれません。

※魔改造は自己責任において行なってください。あらゆるサポート、保証等の対象外の行為です。

■関連サイト
m-Stick販売ページ

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう