正直、ファンやヒートシンクのない環境でのスティック型PCは熱が溜まりやすく、搭載されているAtom CPUの全力が出せるとは言いがたい状況でした。そこで、改良版BIOSの適用、ヒートシンクの増設と、2回の改造をしてきました。 もう手を施す必要はないかと思っていたら、なんとマウスコンピューターの平井氏から、強化版スティックのための「全開BIOS」の提供が! 先日の週アスニコ生に出演した際に冗談で魔改造スティック用のBIOSを頂きたいと言ったら実現してしまうなんて! ということで早速試してみました。
↑BIOS M_X18_T01は、MS-NH1のためのベータBIOSとしてサポートで公開中。こちらは内蔵GPUのクロックを300MHzに半減させることでCPUを1.5~1.8GHzに強化したものでユーザーは適用できます。 |
↑BIOSアップデート開始! 魔改造スティック専用に作っていただいたBIOSは「T_18_MCJ」という名称! |
↑どこか違うの?と思いきや右側のGPUクロックに注目です。620MHzになっており倍化!ですね。 |
つまりこの全開BIOSはCPU1.8GHz、GPU600MHzと両方遠慮なしにクロックが上がるものというわけです。いわばAtomの全開状態なんですが、ここのバランシングを取っていたのが今までのBIOS。つまり外部からの強制冷却なしには下げざるを得なかったわけですね。ファンレスのスティックやタブレットの性能は熱との闘いによって常に下げられていることになります。
↑調子に乗ってFFXIVベンチマークを走らせてみようとセットアップ。ですがこの遅いeMMC!関連が明確には言えませんが体感速度にかなりeMMCの遅さは影響してます。最大で毎秒20MBほどですから。 |
↑動作困難の661!とはいえですね、GPU300MHzの前BIOSでは500切っていたので大幅パワーアップ(?)とは言えます。 |
↑ちょっとアイドルしているときの状態。1.8GHzと620MHzがフルに維持できるのか!と思いきやそうはいかないのがこの夏場! |
さて数字的には上がっていますが体感的にさらにパワーは上がっているのか、Youtubeの4Kコンテンツを1080p設定で再生してみます。すでにスティックのUSB外付けファンは強回転モード。2500回転でややうるさい状態で見てみます。
↑やっぱり60度は超えちゃうかー。くやしいですねけっこうウルサイのに。1.58GHzで回ってもけっこう苦しいです。GPUは300MHzのときはD3D使用率が100%になっていましたが620MHzからは余裕アリ。 |
↑うーんやはりコマ落ちがないとは言い切れない状態。そこでやはり冷却が足りないか、ということで対人間用のサーキュレーターを追加します。(ズルイ) |
↑赤い囲みの下のほうの温度も60度いかなくなりましたね! ちなみに室温は30度の自宅です。テレビ横はなにげに熱い。 |
結果的には多少の音飛びが発生していた前BIOSと冷却環境でしたがかなり快適になりました。常時30fps出ているかと言われればアヤシイですが、720pクラスであればまったく問題ないですね。
↑ブラウザーゲームではなかなか重たい「しんけん!!」でかなりもっさり感が取れたのは収穫でした。さすがにコアiベースのPCには劣りますが。 |
今回の検証で勝手に感心したのが熱問題のためにGPUを300MHzに低下させた現在提供中のX18 BIOSの見切り加減です。620MHzのGPU性能がどう使われているか見ていましたが、Youtubeの再生、多くのブラウザーゲームはやはりCPUパワーベースで、GPU使用率は50%を切ることが多かったです。マウスさんのBIOSバランシングは実利用検証をかなり行ったうえでのことだったと考えられます。
え、じゃあそんなパワーいらないの?ということですが個人的にはこの全開BIOSは素晴らしく、特にニコニコ動画での快適度があがりました。GPUは60~75%を620MHz時でも消費していて、300MHzではやはり影響があったのかという体感です。
この全開BIOSは、ファンつきのスティックにはアリという感触を得ましたんで、ボクと同じように冷却を工夫しているユーザーは適用して「遊べる」BIOSだと思います。ぜひぜひ、一般の購入者が試せるよう、サポートページに置きませんかこのBIOS!ねぇマウスコンピューターさんお願いします(笑)
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