いよいよ公式イベント“証人XMアノマリー”の京都大会が近づいてきました。
前回の記事ではアノマリー戦のルールとその背景についてざっくりご説明しました。今回は、このShoninアノマリーで争われる人類の未来について、エンライテンド側、レジスタンス側が、それぞれ何を賭けて戦うのかにスポットを当てて、前回のアノマリー戦ダルサナ以降のストーリーラインに注目してみましょう。
これより以前の物語についてはこちらの記事を参照下さい。
■ XMアノマリーっていったい何?
そもそもイングレスの公式イベント“XMアノマリー”とはいったい何なのか、そのバックストーリー上の位置づけからご説明していきましょう。
過去に行なわれたイベントはGoogleマップ上で確認できます(関連サイト) 。
【XMアノマリー(XM Anomaly)】
スキャナー技術がスマホゲームとして拡散されたことで、数万~数百万人の人たちがポータルのXMの制御に関わることになり、その結果、ある一定の期間、世界のあちこちで局地的に太陽フレアのようにXMが大量に噴き出す現象が確認されるようになりました。NIAでは、このXMフレアのことを“アノマリー(=異例)”と呼ぶようになります。このXMフレアは過去の人類史におけるいくつかのターニングポイントにおいても、同様に発生していたようです。
今回の証人XMアノマリーも、この“人類史におけるターニングポイント”のひとつと考えられています。
【Helios Artifact(ヘリオス・アーティファクト)】
'13年夏のアノマリー:ヘリオスでは、ボグダノヴィッチ博士のポータルウイルスにより弱体化したポータルネットワークを復旧するべく、ヘリオス・アーティファクトを活性化のキーとなるポータルへと運び入れた各陣営のエージェント達でしたが、このことにより、予期せぬ事態をも招いてしまいます。活性化したヘリオス・アーティファクトは、ポータルネットワークの復旧と同時に、ビーコンとなって、5000年間眠っていた未知なる力「N'zeer(ナジア)」を呼び寄せているというのです。
【N'Zeer(ナジア/エヌジーア/ンジール)】
ナジアはシェイパーすらも恐れていると言われている謎の存在です。また、神話や歴史の中で人類を一掃してきたとも伝えられています。
ナジアは、5000年以上前に地球上から姿を消していましたが、ヘリオスアーティファクトを通じた呼びかけに答え、地球に帰還しつつあります。単体の生物なのか、それとも群体なのか、そもそも生物なのかすら定かではありません。正しい発音もないようで、日本語では他に“ンジール”“エヌジーア”と書かれることもあります。
そのような強大な存在が、なぜ今まで人類史上に名を残してこなかったのか?その裏にはある集団の活動があったのです。
【13マグナス結社(13 MAGNUS)】
アフガニスタンに本拠地がある、シェイパーを信奉しているカルト集団です(公式訳では結社とも)。シェイパーにとっての脅威となるナジアの存在を隠蔽する為に、何千年も昔から世界中の文献からその情報を消去する活動を続けていました。
ちなみに2013年末に13に分割されたジャービスの魂を巡って行われたイベントにもこの名前が冠されています。
【Darsana(ダルサナ)ポイント】
'14年秋~冬にかけて行なわれたXMアノマリー:Darsana(ダルサナ)は、このナジアの地球召喚を賭けて争われました。レジスタンス陣営は、ナジアを地球に召喚してシェイパーに対抗できる力を得ようとし、エンライテンド陣営はこの動きを阻止しようと努めました。
レジスタンスが勝利した場合、ビーコンの信号は発信し続けられナジアは地球の位置を特定する、エンライテンドが勝利した場合、ビーコンの出力は弱まり、ナジア召喚は阻止される、そういった戦いでした。
結果、レジスタンスの勝利により、2015年、地球は“The Age of the N'Zeer(N'Zeerの時代)”に突入することになりました。これが、人類史において「ダルサナ・ポイント」と呼ばれる契機になります。
さて、ここからがようやく現在進行している証人シーズンのストーリーになります。
【証人の石(Shōnin stone)】
ナジアを召喚する力をもつと考えられているアーティファクト(遺物)、それが「証人の石」です。例によって、遺跡に眠っていたものを考古学者のハンク・ジョンソンによって発掘されました。
彼は2013年末に行われたアノマリーにおいて、13マグナス教団の本拠地に向かったまま姿を消しており、2014年夏のヘリオスXMアノマリーのラストに再登場してナジアの存在を初めて示しました。
再登場した時は魂と肉体が分離した状態で、肉体は13マグナスネストと呼ばれるポータルの中に保管されていました。その後'15年2月に親友のアズマチと共にアンチマグナスに囚われ、最近になって元の肉体を伴って帰還を果たしました。
(余談の上に憶測なんですけど、“ハンク・ジョンソン”って、Niantic Labs.の創業者“ジョン・ハンケ(John Hanke)”から名前を取ってるんじゃないかなー)
さて、ハンク・ジョンソンといえば、熱烈なシェイパー信者でどちらかといえばエンライテンド寄りの人物。その彼が、なぜナジア召喚のカギを握る証人の石を発掘するに至ったのか?これには、このシーズンに入ってその存在が明らかになった新たな集団の存在があります。
【アンチ・マグナス(Anti-Magnus)】
13マグナス結社に対抗して、ナジアの存在を後世に秘密裏に継承し続けてきた集団です。証人XMアノマリーで発生する大量のXMと“証人の石”の力を利用して、ナジア召喚の儀式を成功させようとしています。
【ヤーハン(Jahan)】
↑なぜかレジスタンス側の人物は若くきれいな女性が多い印象。ヤーハンも美人さんですね。 |
アンチ・マグナスのリーダーの女性。実はこの女性に利用され、ハンク・ジョンソンは証人の石を発見させられたのです。
さて、一方エンライテンド側にも動きがありました。なんと、エンライテンドの主導者的存在であったローランド・ジャービスが死んだというのです。その報をもたらしたのがこちらの彼女。
【アコライト(Acolyte)】
↑こちらはエンライテンド側の人物。おっさんではなくなりましたが、ヤーハンやクルーと比べるとややお年を召しているような……(失礼)。 |
彼女は13マグナス教団のリーダーである女性。存在がシェイパーに近づいているローランド・ジャービスの意志に従っていたようですが(アコライトは“信奉者”の意味)、証人XMアノマリー開始時に“ジャービスは死んだ”と告げ、彼の意志を自分が受け継ぐと主張しています。
【アズマチ(Azmati)】
13マグナス教団のメンバーで、ハンク・ジョンソンと行動を共にしていた親友です。ハンクによれば、証人の石を砕き、ハンクを助ける為に死亡したとのこと。さらばアズマチ、君のことは忘れない。でもIngressでは死んだと思ってもまた復活するのはよくあることなので覚えておいてもいいかも。
そんなわけで、ポータルに囚われたハンクの肉体を助けるため、はたまたアンチ・マグナスの計画を妨害するために砕かれた証人の石は、31個の破片(シャード)に分割され、ポータルネットワーク内を移動しています。それを再度集めようというのが、前回お伝えした、現在行なわれている大玉転がしイベント。
また、その欠片の中にはデボラ・ボクダノヴィッチ博士Google+の魂が取り込まれていると考えられています。えっ?なんで?
↑デボラ博士が取り込まれたとされる「証人の石」。31の破片をつなぎ合わせてみると、彼女の顔が!? |
証人XMアノマリーの開始時に彼女が“箱(box)”に閉じ込められたことがアナウンスされていたのですが、後にそれがどういうことなのかが明らかにされます。ヒューバート・ファーロウと共にアフガニスタンを訪れた彼女は、ヤーハンが進めていた召喚儀式に巻き込まれ、証人の石の中に閉じ込められてしまったのです。この時、他にも多くの人たちが姿を消したことが分かっています。
余談ですが、彼女はハンク・ジョンソンと以前恋愛関係にあったのではないかと推測され、彼女がアフガニスタンに向かったのはハンクを救出するためだったのではないかとも読みとれます。
【エゼキエル・カルビン博士(Dr. Ezekiel Calvin)】
デボラ博士と共に行方不明になったひとりがエゼキエル・カルビン博士です。ナイアンティック計画を指導していた元NIA職員の一人で現在はIQテック社に所属しています。ヤーハンの召喚儀式を飛行機で監視していたですが、巻き込まれて現在行方不明中です。
【ヒューバート・ファーロウ(Hubert Farlowe) - Google+】
NIAに雇われていたボディーガードです。デボラ博士がNIAから逃走する際に強い絆が生まれ、現在はヴィシュラ社に雇われて彼女と行動を共にしています。アフガニスタン行きにも同行しましたが、彼女が消失した後の所在は不明です。
とりあえず、以上が現在進行している証人アノマリーに関するバックストーリー。ですが、このほかにも、さらに別のストーリーが進行しているようです。
■ついにADAの真実がわかる? 証人と並行してもうひとつのストーリーが始まっている!
現在リアルタイムで進行中のバックストーリーでは“証人の石”にまつわる物語とは別に“ADAがつくられた本当の理由”にまつわる物語が進行中です。これらが証人XMアノマリーに直接関わってくるのかについては定かではありませんが、それらを含めたキーワードもピックアップして御紹介しておきます。
【トゥルースシーカー(Truthseeker)】
ADAを構成しているプログラムまたは機能の一部は“真実の探求者(Truthseeker)”と呼ばれています。ADAが“人間性(Humanity)”を持っている要因がこのプログラムにあるようです。
トゥルースシーカーがどんな意味をもつのか、何故そんな機能が搭載されたのかについてはADA自身は知らず、またADA自身はそれを知るために現在行動を起こしています。まだ情報が出始めたばかりで、証人XMアノマリーと直接関係するかについては分かっていません。
(編集注:ADAが登場したのでエンライテンドとレジスタンスの思想をフラットな目線かつざっくりと考えてみました。緑のエンライテンドはXMってなんかよくわからないエネルギーだけどすごい能力が身につくらしいぞ!、青のレジスタンスはXMは害だし人間と機械を融合しようぜ!と人工知能に誘導されている、ということなので、どちらに進んでもちょっと怖いですよね。)
【H.リチャード・ローブ(H.Richard Loeb) - Google+】
元NIA職員の彼は、以前は(ADAと関わる前の)クルーに内部情報を提供するなどしていましたが、最近になって彼がトゥルースシーカーを開発したということが判明します。
【ヘンリー・ボウルズ(Henry Bowles)】
ADAの開発主要メンバーのひとり。現在はNIAに雇われている殺し屋である“855”と共にADAの抹殺(?)の為に動いている模様です。
【センシティブ(Sensitive)】
XMを浴びることで潜在能力を引き出された人、もしくはその素質を持つ人。全ての人が該当するわけではなく、XMを浴びることで逆にネガティブな感情が拡大される場合もあります。センシティブの代表例が、エンライテンドの中心的人物であるローランド・ジャービスです。
↑XMにより、その潜在能力を引き出され、エンライテンドのリーダーとなったローランド・ジャービス。 |
【ケイオティック・マター(Chaotic Matter)】
XMとは違う存在のようですが、詳細は不明です。ダークXMとも呼ばれています。
果たしてナジアの召喚は成功するのか? デボラ・ボクダノヴィッチ博士は救出できるのか? そしてADAの中に眠る“トゥルースシーカー”はなんの為につくられたのか? 全ては3月28日、証人XMアノマリー最終日に判明する……のかも?
【ご注意】
※翻訳や解釈のミスが有り得るので、正式なルールについては必ず原文を参照して下さい。
※イングレスは位置情報を用いたオンラインゲームです。個人情報の管理には充分に注意してください。
■ 関連サイト
Niantic Project
XM Anomaly Primary: Kyoto, JP
土屋つかさの今か無しか(ブログ)
土屋つかさの Unofficial #Ingress Docs Japan
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