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Ingress:京都“Shonin”のゲームルールは?ストーリーはどうなるの?

2015年03月16日 18時00分更新

■ライトノベル作家がどっぷりはまったIngress

 週刊アスキーをご覧の皆様はじめまして、ライトノベル作家の土屋つかさともうします。イングレスではエンライテンド陣営に所属し、現在レベル12です。

 土屋は元エンジニア、元コンシューマーゲームプランナーで現在ライトノベル作家とデジタル/アナログゲームデザイナーを自称しています。最新著作は『メカクシ団:ウォッチャーズ 少女のキモチとぼくらのチカラ(KCG文庫)』、最新ゲームデザインは『今井麻美のSSG! 5周年記念カードゲーム +A POWER』です。後者は印刷すれば遊べるので是非どうぞ。

 幼少期からTRPGやアナログゲームが大好きで、ここ数年はリアル謎解きゲームやARG(代替現実ゲーム)に、物語とゲームが融合する新たな可能性を感じており、その方面を追いかけている中、以前から気になっていたイングレスのiOS版がリリースされまして、始めたが最後どっぷりはまりまして、今にいたります。今回は『証人XMアノマリー』のご紹介をさせて頂きたいと思います。それでは参りましょう。

→Ingressの基本的なバックストーリーはこちら

証人ルール編にジャンプ
証人ストーリー編にジャンプ

■そもそも『証人XMアノマリー』ってなに? 京都でなにがあるの?

Ingress:京都“Shonin”

 イングレスでは、定期的に『XMアノマリー』と呼ばれる公式世界戦イベントが開催されています。当日は世界各地からエージェントが開催地に集結し、大規模なものでは3000人以上集まることもあります。

INGRESS EVENT

Ingress:京都“Shonin”

 シーズンごとに名前が付けられていて、現在2015年2月から3月にかけて世界5ヵ所で行なわれている最中のXMアノマリーの名前が『証人(Shonin)』なのです。2月21日にイタリアのフィレンツェ(証人01)と米国テキサス州オースティン(証人02)が開催され、そして3月28日に残りの3大会(証人03/04/05)が開催されます。開催地はカリフォルニア州パサデナ、ドイツのハノーファー、そして日本の京都です。

 “証人”という名前からも分かる通り、今回のアノマリーでは日本が強くフィーチャーされているようです。“ようです”というのは、正確にはこの「証人」がなにを意味するのか良く分かっていないからなのですが……。まあとにかく、3月28日、古都京都にて、人知れず(?)人類の未来を賭けた戦いが繰り広げられるのです!

XM Anomaly Primary: Kyoto, JP

Ingress:京都“Shonin”

 XMアノマリーは、イングレスプレイヤーであればどなたでも無料で参加できます。当日ふらりと遊びに来てももちろん構いません。開会セレモニーからアフターパーティーまで通して参加する予定の方は、下記URLから参加表明をするとよいと思います(これも人数把握のためで、必須ではありません)。もちろんオススメは通しでの参加です!

参加表明はこちらから(XM Anomaly Primary: Kyoto, JP

■参加するメリットは? とにかく楽しいです!

 日本はもちろん、世界中からエージェントが集まって、一日中京都の市内を練り歩きます。どこを向いても観光客に混じってエージェントが活動している(そして自分もその一員である)という状況は、中々得難い経験です。レベルの大小はあまり関係ないので、お祭り気分を楽しみに参加するのも全然オーケーです。

Ingress:京都“Shonin”
↑2月21日に行なわれたイタリア・フィレンツェでの証人XMアノマリーの様子。

 10時から行なわれる予定の開会セレモニーに参加すると、イングレスのグッズやシリアルナンバーが書かれたアイテムカードを貰えます。アイテムカードには、証人XMアノマリーに参加したことをゲーム内で示すメダルが手に入るものも含まれています。メダル実績には換算されませんが、間違い無くこのタイミングを逃すと手に入れられない貴重なものです!

Ingress:京都“Shonin”
↑ダルサナXMアノマリーのアフターパーティー会場でも、オリジナルグッズが販売されていました。

 また、開会セレモニーに参加しておくと17時から行なわれる(予定の)アフターパーティーへの参加権を得られます。勝敗結果を聞いたり、丸一日戦い抜いた味方、そして相手陣営とお互いの健闘をたたえ合う場です。また、前回のダルサナXMアノマリー(Darsana XM Anomaly)東京大会に続いて、今回も有志のグッズ頒布会が開かれます。イングレスグッズを手に入れるまたとないチャンスですよ。

証人ルール編

■ 証人アノマリーはどう戦えばいいの? 
 ではここからルールの説明をしていきましょう。証人アノマリーのルールは、イングレス世界内に存在するXMコーポレーションのひとつ、“ヒューロン・トランステクノロジー社”からの漏洩文書の形で公表されています(Google+関連記事)。順に確認していきます。

 ここで紹介しているルールは2月21日に行なわれた証人01/02用として公開されたものです。大幅に変わることはないと思いますが、地域によってルールが微妙に変わるので、参加予定の方は必ず最新のルールを参考にして下さい。

●クラスター:4つのエリア、4つの時間帯に戦う

 XMアノマリーが開催される地区では、開催日の数日前からスキャナー上で数10個のポータルに特殊な色が設定されます。この色のついたポータルを『クラスター』と呼び、両陣営はこのクラスターを如何に自陣営でキャプチャし続けるかを競います。クラスターはオレンジ/紫/青/赤の4色からなり、それぞれ計測する時間が異なります。

メジャーメント(測定時間):ある時間にそのポータルを保持しているか

 クラスターの計測は大会中4回行われます。それぞれの計測タイミングを第1メジャーメント~第4メジャーメントと呼びます。14時(オレンジ)/15時(紫)/16時(青)/17時(赤)のそれぞれ0分~10分の間の1回だけ計測が行われます。

 この“0分~10分の間の1回”が正確にいつなのかについては、事前に公開暗号錠で暗号化された状態で公開され、計測終了後に解錠キーが提示されます。つまり、計測タイミングはあらかじめ決まっているのですが、それを知ることは誰にもできないということです。なので、両陣営はこの10分間、お互いの全力をぶつけ合うことになります。

Ingress:京都“Shonin”

得点:ポータルの所持やリンク、コントロールフィールドの有無

 計測時の獲得点は以下の通りです。

クラスターポータルをキャプチャしている:1個につき2点
ボラタイルポータルをキャプチャしている:1個につき6点
クラスターポータルを含むリンクを張っている:リンク1個に付き10点
クラスターポータルを含むCFを作成している:CF1個につき20点
戦略的フィールドが完成している:200点

 ボラタイルポータルと戦略的フィールドについては後ほど説明します。ひとつのリンクやCFに2個以上のクラスターポータルが含まれている場合も、それぞれのリンクやCFは1個として加算されます。

Ingress:京都“Shonin”

 ちなみにですが、前回のダルサナXMアノマリーでは上記のような個々のCF作成による加点は実は存在しませんでした。また得点の設定も随分異なります。気になる方は土屋がブログで書いたこちらの記事をご覧下さいませ。

ボラタイルポータル:隠しポータルで得点アップ

 ボラタイル(=揮発性)ポータルと呼ばれる特殊なポータルは、1個につき6点という、通常のクラスターポータルの3倍の価値をもっています。ボラタイルポータルに対するリンクやCFは加算の対象にはなりません

 しかし、どれがボラタイルポータルなのかはスキャナー上では区別がつきません。クラスターポータル2~3個につきボラタイルポータルが1個あることは分かっていますが、正確な数も不明です。また、対応するクラスターポータルですら無く、クラスターから最大2キロメートル離れている場合もあるようです(ダルサナではクラスターごとに5個固定でした)。

 ボラタイルポータルを特定するには、公式アカウントから事前あるいは大会中にアナウンスされる情報を用います。情報は暗号化されている可能性もあります。ちなみに過去には“デッドドロップ”と言って、開催地の各所にボラタイルポータルの情報を記したメモが隠されました。今回も同じ方法が使われるかは現時点では不明です。

戦略的フィールド:新たな得点方法

 各クラスターごとに、そのクラスターの外周部に、通常のクラスターポータルを示すマーカーに、さらに特殊なマークのついた3つのポータルが出現します。このポータルを全て覆うCFをつくった場合、その陣営に200点が加算されます。複数のCFが重なった場合、最も外周のCFをつくった陣営に加算されます。
 戦略的フィールドは証人アノマリーからの新ルールです。ダルサナでは全てのクラスターポータルを覆った場合に総得点が40%加算されるというルールで、エンライテンドが日本全土を覆うメガCFを作成して、東京での勝利の原動力になりました。

Ingress:京都“Shonin”
↑2014年12月13日に行なわれたダルサナ(Darsana)XMアノマリーでは、日本全土を覆う作戦が展開されるなど、スケールが大きいゲーム内容でした。

●京都以外での得点も影響

 
アノマリーでは現地での戦い以外にも勝敗を決する加点要素があります。現時点で発表されているのは“サテライトサイト”と“連結セル”のふたつです。

・サテライトサイト
 証人アノマリーは全部で5大会からなり、各大会ごとに主戦場となる“プライマリサイト”と、そのプライマリサイトへ間接的に影響を与える“セカンダリサイト”が設定されます。サテライトサイトは、基本的にプライマリサイトと同形式の大会が行なわれますが、全ての加点設定が半分になります。

プライマリサイト:京都(日本)
サテライトサイト:アデレード(オーストラリア)、クライストチャーチ(ニュージーランド)、広州(中国)

・連結セル
 大会ごとに予め指定された複数のセル(ゲーム内で決められたエリア)について、個々に第1メージャメント開始1時間前から第4メジャーメント終了までの、両陣営のマインドユニット(MUs)増減量を計測し、どちらが時間内により多く獲得したかを競います。勝利した陣営にはセルごとに100点が加算されます。

 証人01/02ではそれぞれ10ヵ所が連結セルとして指定されました。京都大会における連結セルがどこになるかについてはまだ分かっていません。

 これらを全て加算した結果、京都大会の勝利陣営が決まります。また、5大会すべての得点を累積した結果として、証人アノマリーシーズン全体の勝利陣営が決まります!

■チームへの参加のすすめ

 既にお分かりかとも思いますが、アノマリー戦は普段のエージェント活動とはかなり異なる戦略が必要となります。個人的にオススメなのは、両陣営が組織しているであろう京都大会用のチームに所属することです。当日に効率的に動くことが出来ますし、大規模戦ならではの雰囲気を楽しめると思いますよ。まずはGoogle+から各陣営のコミュニティに参加するのが主な方法でしょう。当日までにチームに参加できない場合は、現場で積極的に話しかければ、適時攻撃係やレゾ挿し係など、役割を与えてくれるはずですよ。

証人ストーリー編

『証人の石』とはなにか

 ルールについては大体おわかりかと思います。この節では、そもそもなぜアノマリーなるイベントが存在するのかについてお話ししたいと思います。

 イングレスはシェイパーを迎え入れ人類を覚醒させようとしているエンライテンド陣営(緑)と、シェイパーを危険な存在であると捉えそれを阻止しようとしているレジスタンス陣営(青)が、世界を舞台に戦っているというバックストーリーがあります。

 この物語はイングレスのサービスが開始して以来、リアルタイムで常に進行しています。そして定期的に行なわれるアノマリーはその物語の大きな分岐点となり、勝敗の結果が、バックストーリーに強く影響するのです。

 昨年末に行われたダルサナXMアノマリーでは、シェイパーに対抗しうる存在であるN'Zeer(ナジア)を真宇宙から地球に呼び戻すべく活動するレジスタンスと、それを阻止しようとするエンライテンドの戦いでした。東京大会はエンライテンドが勝利しましたが、シリーズトータルではレジスタンスの勝利に終わりました。

Ingress:京都“Shonin”

 この結果、ナジアの復活はほぼ不可避であろうと考えられており、現在のイングレス世界は『N'Zeerの時代(The Age of N'Zeer)』と呼ばれています。そして、アンチマグナスと呼ばれる集団(青陣営)が“証人の石”と呼ばれるアーティファクト(遺物)を用いて、ナジアの召喚をするための儀式をアフガニスタンの奥地で開始しました。

Ingress:京都“Shonin”

 証人XMアノマリーでの戦いの結果によって、アンチマグナスによるナジア召喚が成功するかどうかが決まると考えられています。アンチマグナスの代表である美しい女性ヤーハン(青陣営)は、証人XMアノマリーで大量に発生するXM(XMバーストと呼ばれます)をエネルギーに儀式を実行しようとします。レジスタンスはそれを守り、エンライテンドはそれを阻止しなければなりません。

Ingress:京都“Shonin”

 果たしてナジアの召喚は成功するのか? 全ては3月28日に決まります。それでは、京都でお会いしましょう!

【ご注意】
※翻訳や解釈のミスが有り得るので、正式なルールについては必ず原文を参照して下さい。
※2月21日に開催された証人01/02のルールであり、京都大会では修正があるかもしれないので注意。
※イングレスは位置情報を用いたオンラインゲームです。個人情報の管理には充分に注意してください。

■ 関連サイト
Niantic Project
XM Anomaly Primary: Kyoto, JP
土屋つかさの今か無しか(ブログ)
土屋つかさの Unofficial #Ingress Docs Japan

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