週アス編集部イチのRC大好き男・アカザーさんから「RCカーレースを初体験させてやる」という電話を受けた記者。
京商から発売中の全長約17センチの本格ホビーRCカー『MINI-Z Racer』(ミニッツレーサー)によるプレス対抗レースに、監督=アカザーさん、ドライバー=記者という週アスRCチームで挑むことに。
■準備は万端? いざレース会場へ!
前編では、アカザー監督指導のもと、レースに向けたマシンのセッティングと練習の模様をお伝えしましたが、後編は、レース当日のレポートです。
まず今回のプレス対抗レースについて、ご説明します。このレースに参加するプレス関係者は、『KYOSHO MINI-Z CUP 2014 THE FINAL ~全国各地のミニッツマイスターによる総決戦!~』と同時開催の『NISSAN JSCC JKBクラス』に出場します。他の選手達と一緒にレースをして、クラス内順位とは別にプレス関係者だけの順位が決まります。
しかし、このクラスで最も注目を集めたのはプレス対抗レースではありません。クラス名として冠されているように、モデルやタレントを中心とした女性だけのレーシングチーム『女子カート部(JKB) 女子RCクラブ』の参戦です!
右から佐々木澪さん、部長の塚本奈々美さん、武村奈々花さん、今橋彩佳さん。 |
因みに、同クラスの参加資格は、女性または京商主催レースに参加したことが無い人。そのためプレス対抗レースも、RC専門誌以外のプレス関係者でなおかつRCカーレース初心者であることが条件でした。
レース会場は神奈川県横浜市にある日産グローバル本社ギャラリーです。当日の早朝、ピットの場所を確保するために控室に入ると、既に大勢の参加者でにぎわっていました。
■レース前に新型GT-Rボディを受領!
ピットを設営し、エントリーの受け付けをしに行こうとしたところ・・・。「ちょっと待て。今日アンタが走らせるマシンのボディはコレだ」とアカザー監督。
練習で使っていたガンメタリックのGT-R R32ではなく、ミニッツレーサー用ボディ『オートスケールコレクション』の『日産 GT-R ホワイトパール』(4104円)を渡されました。
監督によると「ミニッツカップに使われる黒いウレタン製のコースでは、ホワイトパールのボディの方が、見やすくて良いんだよ。さらに練習で使用してきたR32よりも動きが安定方向で、マシン同士のクラッシュにも強いんだよ!」とのこと。
なんとなくは感じていましたが、やはりボディによってマシンの特性が変わるんですね!
というワケで、真新しいR35ボディを載せたマシンを登録して、本日の戦場となるコースの下見へ。
このコースは、本来なら全国各地の地区大会などを勝ち抜いてきた、強豪RCレーサーだけが走ることを許される栄光の舞台。その場所できれいなおねーさん達と一緒に初レースができるなんて、こんなに嬉しいことはない……はずなんですが、コースを目前にしてそんな心の余裕はありません。
■緊張はピークに! 初レースまであと1時間!!
前述の通り、この日はNISSAN JSCC JKBクラスだけでなく、2014年度のミニッツレーサー日本一決定戦となるミニッツカップファイナル2014の『JSCC』『COMPACT』『GT』『OPEN』『BUGGY』という全6クラスのレースも同時開催です。
9時に全参加選手が集まり、記念撮影が行われました。NISSAN JSCC JKBクラスにエントリーしたのは45名。その中でプレス関係者は12媒体から16名です。
開会式では、京商の鈴木明久代表取締役社長とJKB部長の塚本さんが開会のごあいさつ。
開会式終了後にはドライバーズミーティングが行なわれ、他の選手達の表情にも緊張感が漂い始めます。ドライバーズミーティングが終わると、いよいよ各クラスのレースが順次開始です。当日の進行スケジュールはこんな感じです。
記者が出場するNISSAN JSCC JKBクラスの練習走行は2分間。予選は、3分間の周回レースを2ラウンド行ないます。周回数が多かった方のラウンドの記録をもとに、予選順位を決定。同一周回数の場合は、ゴールタイムが早い方が上位になります。
決勝レースは、予選上位から順にA~Hメインに分けられ、1レース8台で行ないます。Aメインは8分間、Bメイン以下は4分間の周回レースで、上位2台が上位メインに勝ち上がることか出来ます。レース参加者は、この他には会場内で一切マシンを走らせることはできません。
ミニッツカップファイナル2014の各クラスは、前日に練習走行と予選3ラウンドを終えており、この日はNISSAN JSCC JKBクラスの練習走行から開始。週アスRCチームは予選第1ヒートにエントリーされたため、練習走行のオープニングを飾ることになりました。カーナンバーは「1」。何となく幸先が良い感じです。
レースの出番が回ってきた選手は、コントロール台に上がります。1~8番までのどのコントロール台に上がるかで、視界が大きく変わります。初心者にとって視界の変化は大きく影響しますが、場所はくじで決定。記者が引いたのは3番でした。コントロール台からの眺めはこんな感じです。
コントロール台に上がると更に緊張が高まるかと思っていたんですが、意外と落ち着いていました。しかし、初めて走るコースにやはり戸惑い、思うようにマシンをコントロールできません。ここで無理をしてマシンを壊しては元も子も無いので、安全運転に徹することに。コースの感じをつかんだところで、タイムアップになりました。
自分の練習走行が終了すると、次のヒートのコースマーシャルを務めます。レース中に転倒したりして動けなくなったマシンを、救済する係です。コースの外側にある黄色いカラーコーンの横で待機します。
NISSAN JSCC JKBクラス各ヒートの練習走行が一巡した後、ミニッツカップファイナル2014の各クラス予選第4ラウンドが行なわれました。続いて、NISSAN JSCC JKBクラスの予選第1ラウンドの開始です。練習走行と同様、クラス内で最初に出番が回ってきます。コントロール台は4番。中央寄りの絶好の位置です。
記者がコントロール台に上がったところで、今回のプレス対抗レースに向けて監督が考案した秘策“一方通行インカム作戦”が発動! スタート前に記者が監督に電話をかけ、走行中もイヤホン越しに監督から指示を受けるという戦術です。監督からどんな指示が出ていたのかは、予選1ラウンドの動画をご覧ください。
「レースはスタートが肝心」と意気込んでいたら、フライング気味に飛び出してしまい、スロットルトリガーを緩めた瞬間にグリーンシグナル。見事に出遅れました。しかし、1コーナー手前で発生したクラッシュをスルスルと抜けて、あれよあれよという間に3番手に浮上! ところが3番手走行中ということに気付いた途端、今度は急に指がカタカタと震え出す始末でした。
指の震えに自分自身で驚きながらも、なんとかマシンをコントロールしてヒート内4位でフィニッシュ。11周して、ゴールタイムは同一周回の3位と約3秒差の3分14秒460でした。レース前は、練習の成果をどれくらい発揮できるのか不安もありましたが、この結果に一安心です。アカザー監督も「予想以上だ」とまずまずの様子。
予選第2ラウンドでは、更に良い結果を残そうと意気上がります。そして臨んだ予選第2ラウンドは第1ラウンドと比べて、遠目で見ても分かるほどのヨレヨレ運転。実はスタート直後から、指がカタカタでした。人間欲をかくと結果はついてこないということを、改めて実感させられるレースになりました。結果は9周でヒート内5位。アカザー監督は「まぁ、ビギナーズラックだけでうまくいくほどレースは甘くねぇんだよ」となぜか嬉しそうでした。
NISSAN JSCC JKBクラスの全ヒートの予選が終わって、記者の予選総合順位は45人中21位。プレスだけでの順位は2位です! 初レースなのに出来すぎの予選結果に自分でも驚きです。
■レース以外のイベントも盛りだくさん!
さて、ここで決勝レポートの前に、当日の会場の模様も少しお伝えします。この日の真のメインイベントは、何といってもミニッツカップファイナル2014です。昨年6月の横浜を皮切りに、12月の中京大会まで全国6ブロックの大会で上位入賞した強豪RCレーサー達に加えて、中国大会からも参加。ハイスピードでテール・トゥ・ノーズ、サイド・バイ・サイドのバトルが繰り広げられ、その展開は実車レースさながら。RCレースといえど、これは一見の価値アリです。
また、会場内ではレース以外にも、ミニッツレーサーやスロットカー『カレラ』の無料体験コーナーなどが実施されていました。
さらに、レースの合間には、一般来場者を対象にした『ミス・フェアレディ』とのじゃんけん大会も開催され、勝ち抜いた人には景品がプレゼントされていました。
RCに興味がある人はもちろん、車やホビーに少しでも興味がある人なら、楽しめるイベントなので、気になった方は京商のホームページをチェックして次回のレースに参加してみることをオススメします。
■指がガクブルのまま決勝レースがスタート!
では、話を戻してNISSAN JSCC JKBクラスの決勝レースです。記者の出番である決勝レースDメインには、なんとJKBの塚本さん、今橋さん、武村さんの3人が出走! ある意味、このクラスのメインイベントみたいなものです。
そして、ここで記者の秘策“宮本武蔵作戦”が発動! Dメインに出走する他の選手が集まっているにもかかわらず、一人だけ姿を見せません。他の選手を待たせて、集中力をかき乱そうという戦術です。
会場内に記者の名を呼ぶアナウンスが連呼される中、悠然と記者の登場です! えーと、ウソです。ホントはレース直前に我慢できなくなり、トイレに行って遅れただけです。会場内にいたすべての皆様、お待たせしてスミマセンでしたッ!
そして宮本武蔵作戦が一番効いたのは、当の本人。レース前から既に慌てまくりで、プロポも握ってないのに指はカタカタ。マシンに電池をうまく入れられず、京商のスタッフさんに手伝ってもらう羽目に。
我に返って一方通行インカム作戦のために携帯電話を取り出すと、画面にはアカザー監督からの着信履歴の嵐。イヤホンを耳に入れると「テメェ……どこに行ってやがった……」。ふつふつとわき上がる監督の怒りが、イヤホン越しに伝わってきます。そんなドタバタな状況で迎えた決勝レースがいよいよ始まります!
そして、初レースの結果は・・・・・・5位!
マシンがグリッドに並んだ時に気持ちを落ち着けようと考え、あえてワンテンポ遅れてスタートさせました。あわよくば予選第1ラウンドのように、前方のクラッシュを横目にスルリと抜けていこうという魂胆です。ところがグリーンシグナル直後にいきなり他車と接触。マシンが完全に横を向いてサイドウォールに刺さり、大きく出遅れです。これで「もう順位は気にせず、楽しく走れればいいや」と開き直りました。
この開き直りが功を奏したのか、緊張は次第に解けてそれなりにマシンをコントロールできるようになり、気が付けば3番手を走行! あと1台抜けばCメインというところでしたが、そこは決勝レース。他車との抜きつ抜かれつのデッドヒートに熱くなり、ミスを連発してしまいました。レース後に気付きましたが、激しいバトルをしていたのはJKBのメンバー達。とても楽しいレースでした。ありがとうございました! そして宮本武蔵作戦、ごめんなさい。
初レース後、感無量で呆けているとあっというまにこの日の全レースが終了。
ミニッツカップファイナル2014各クラスの表彰式に続いて、プレス対抗レースの表彰式も行なわれました。結果はなんとプレス3位! 初レースで表彰台に上れちゃいました! ちなみにクラス内の総合順位は、予選より少し下がって23位でした。
この結果には、アカザー監督も大喜び。
しかし、監督が笑顔を見せたのは、わずかな時間のみ。再び眉間にシワを寄せると、静かに言いました。
「ビギナーズラックとはいえ、今日の結果は俺的にも満足だ。だが、まだアンタはRCカーの本当の面白さの、ほんの触りの部分を体験しただけだ。表彰台の中央までの道のりは、果てしなく長い。この結果に満足せず、RCカー道に邁進しろよ。その先には、もっと楽しい世界が待ってるぞ」
アカザー監督、厳しくも温かいお言葉、改めてありがとうございました! ということで、次の週末は、厚木にある京商のRCサーキット『RC GRAGE ROUTE246』に練習しに行きましょう。
●京商(外部リンク)
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