どうも。エージェント・ムラリンです。
3月ですねぇ。この3月には、いよいよ京都を舞台にしたXMアノマリーイベント、SHONINが開催されます。
Ingressの世界戦であるアノマリーイベントに臨む前に、Ingressの世界観を理解しておくと、このイベントをより一層楽しむことができます。
というわけで、今回はIngressの世界がなんとなくわかったような気になるバックストーリーのお話を、いくつかのキーワードを元にお届けいたします。
今回取り上げるキーワードを覚えておくと、今後Ingressをさらに楽しむことができるようになりますよ!
Ingressは、ご存じのように緑チームのエンライテンドと、青チームのレジスタンスがポータルを取り合って自陣を広げていくという陣取りゲームですが、この2つの陣営は、いったいなぜ争っているのか?まずは、そこからひも解いていきましょう。
【ナイアンティック計画】
2012年初頭
スイスのジュネーブにある加速器施設CERNで、未知のエネルギーエキゾチックマター(XM)が発見されます。XMの研究を進めるため、アメリカ国家情報局【NIA】は、学者や芸術家などを集め、ナイアンティック計画を立上げます。
【ADA】
NIAは、ナイアンティック計画に集められた研究員のサポート役として、人工知能“A Detection Alogrithm(探知アルゴリズム、検出アルゴリズム)”、通称:ADA(エイダ)を投入。ADAは、のちにある種の意識、人格のようなものを形成するまでに発達しました。
↑のちにレジスタンス活動の主導者となる人工知能ADA。 |
ADAは、その後、ナイアンティック計画の謎解明に加わったクルーという女性の姿を借り、人々をレジスタンス活動に先導するようになっていきます。
↑時折公開ビデオなどに現われてはメッセージを発信したりする女性クルー。 |
Ingressのバックストーリーをよく知らない人でも、ADAの名前をどこかで見たことがあると思います。エンライテンドの所持するポータルを、ファクション変換してレジスタンスのものにしてしまう兵器“ADAリファクター”の名前は、この人工知能の名前から来ているのですね。ちなみに、ADAの声の人、Laura Baileyさんは、動画のOP/EDやスキャナーから聞こえるメッセージも担当しています。
さて、XMの研究が進むうち、いくつかのことが判明します。
1.XMは珍しいものではなく、地球上のあらゆるところに存在している。
2.その分布は均等ではなく、文化的、宗教的、思想的に重要な建造物や人が集まる場所などに集中している。
3.XMは人の精神に影響を与え、知的能力や創造性、洞察力の向上をもたらしたり、あるいはその逆に人のネガティブな面を引き出す作用がある。
4.XMからはある種のパルス信号を発せられ、人類に対しなんらかのコンタクトを取ろうとしている。
【啓示の夜】
2012年11月30日
ナイアンティック計画の最終日と設定されていた、のちに“啓示の夜”と呼ばれるこの日、研究所内でXMの大量噴出が起こり、集まっていた研究者たちは、大量のXMを浴びてしまいます。その際、命を落とした者もいれば、狂気に取りつかれたように創作活動を始める者、命からがら研究所を脱出した者もいました。
【ローランド・ジャービス】
研究所を脱出した者のうち、彫刻家であるローランド・ジャービスは、逃走中のチューリッヒで、何者かによって殺害されます。しかし、彼の魂はその場で近隣のポータルへと同化し、肉体だけが取り残され、精神体となってXMの海を漂流することになります。彼の遺体は、その後研究所に戻され保管されました。
このローランド・ジャービスは、のちに実体として復活し、シェイパーの意思を代弁する者としてエージェントたちを指揮する、エンライテンド側の中心人物です。また、このジャービスの名を冠したエンライテンドの武器が、レジスタンスの所有するポータルを反転してエンライテンド側の物にしてしまう“ジャービス・ウィルス”ですね。
【デブラ・ボグダノヴィッチ博士】
ジャービスと同じく研究所を脱出した量子生物学博士のボグダノヴィッチは、やはり列車でチューリッヒへと向かっていましたが、チューリッヒ到着前に列車を降りたため、ジャービスとは違う道を歩むことになります。
ボグダノヴィッチ博士は、XMの危険性を説き、アンチXM抗体やポータルの自然減衰を促進させる研究をするなど、どちらかといえばレジスタンス寄り。ですが、最近ではその研究のために行なった人体実験などの醜聞が広がり、レジスタンス側からも非難を受けている人物です。
【ハンク・ジョンソン】
考古学者であり、元特殊部隊の工作員。ハンクもまた、ナイアンティック計画の一員でしたが、この啓示の夜の際、アフリカのあるポータルを調査しに出かけていて不在でした。つまり、ナイアンティック計画に関わっていたメンバーで、唯一彼だけが、XMを大量に浴びていないのです。
初めて行われたアノマリーの結果(エンライテンドの勝利)を受けて熱烈なシェイパー信者になっていますが、ハンクは自身の調査に基づくXM研究のレポートを報告する役割を担っています。
ちなみに、ハンクはかつてデブラのことを愛していたとか。
【シェイパー】
ナイアンティック計画の中で発見されたXMから発せられるパルス信号、この信号はいったい誰が発しているのか?NIAは、XMを浴びると人間の精神に影響し、特定の思想や独創性が形成されてしまうという理由から、この謎の存在をSHAPERS(シェイパー:形作る者)と名づけ、警戒対象としました。
その一方で、啓示の夜にXMを浴びなかったハンク・ジョンソンは、独自の調査から、シェイパーは、有史以来、人類の文明の発展に寄与してきたと報告。現在の文明の発展も、シェイパーの影響によるものだと主張しています。
ハンクの考えでは、人類のこれまでの文明の発展には、シェイパーの意思が働いていて、シェイパーの意に沿わない発展を遂げた文明は滅ぼされ、意を汲む文明は隆盛を誇る、と報告しています。つまり、そのシェイパーの意思を仲介しているのがXMで、これにより人類をシェイパーの想定する方向へマインドコントロールしているということらしいですね。
【スキャナー技術】
ナイアンティック計画での研究の途中で、XMの発する信号と交信することのできる技術が開発されました。既存の携帯電話にちょっとした改造を施すことにより、ポータル、ひいてはXMの影響力を制御するこの技術は、“スキャナー”と呼ばれています。
そして、自然発生しているXMを“エンライテンド”、ポータルを制御した上で管理されるXMは、エンライテンドXMの及ぼす作用をレジストし中和することから、“レジスタンス”と呼ばれるようになります。
【Ingress】
そしてこのスキャナー技術は、おそらくは意図的に、“ゲーム”という形で漏洩されました。Google Playストアにアップロードされたスキャナー技術は、位置情報ゲームを謳った『Ingress』という名で頒布され、世界中にあるポータルを、多くの人々が制御するようになりました。
その結果、世界にはかつてないほどのXMがあふれ、それと同時に2つの派閥が生まれます。
増幅されたエンライテンドXMに曝された人々は、シェイパーの意思を汲んで、現在の文明から脱し、人類を新たな覚醒に導こうとするエンランテンドに。エンライテンドのエージェントは、シェイパーの影響力を最大化するよう、ポータルの出力を増大させるために活動しています。
一方、制御XM照射の影響を受けた人々は、シェイパーの脅威から、現代の文明を守ろうとするレジスタンスに。レジスタンスのエージェントは、ポータルを制御し、エンライテンドXMの影響ができるだけ人々に及ばないように活動しているのです。
かくて世界は、エンライテンドXMの影響を受ける人々を増やすための緑のコントロールフィールド(CF)と、XMの影響を最小限に留めるために築かれるレジスタンスの青いCFで覆われることになったのです。
さて、今回ご紹介したキーワードは、Ingressのバックストーリーを形成するほんの序章に過ぎません。それでも、大分端折っているので、さらに詳しい内容は、Ingressのサービス開始1周年を記念して公開された公式動画(前後編)を観てみてください。
今回ご紹介したのは、この前半のダイジェスト。このレポートの前半部分はIngressに前提としてある設定で、以降はアノマリー戦の結果によりストーリーラインが変わっていきます。
後半では、まずXMの大規模異常発生であるアノマリーについて触れられ、文明滅亡シークエンスであるシェイパーグリフの発露とその阻止、ジャービスを現実の肉体に帰還させた“オペレーション・13マグナス”についてレポートされています。つまり、この後半部分からは、プレイヤー自身がつくり上げてきたIngressの歴史になっているわけです。
Ingress Year One, Part 1 | INGRESS REPORT
Ingress Year One, Part 2 | INGRESS REPORT
さらに、この後続く2周年記念動画の前篇では、ジャービスの帰還後、ハンクによってアフガニスタンの13マグナス結社の基地から発見された不死の源、再起アーティファクトを巡る物語が展開され、先のアノマリー戦(オペレーション・13マグナス)でエンライテンドに敗北を喫したADAは、この再起アーティファクトによって人類と機械との融合を推進しようと試みます。
これに対し、ハンクは自身の不死の運命を解決すべくエンライテンドに助力を求め、一方、肉体に帰還したジャービスはこの動きに対応すべくAIの倫理的扱いを求める会を設立し、AIの危険性を解く活動を展開。さらに、ボグノヴィッチ博士は、XMの影響力を弱めるためのワクチンの製作に着手。これを即座に全人類に摂取させよと迫り、活動を支援してもらっていた会社を解雇されたりしました。
結局、このシーズンでは、再起アーティファクトはレジスタンスの手に渡り、人類と機械の融合を図るADAの野望は一歩前進をみせます。
INGRESS REPORT | YEAR TWO - The Investigation (I)
続く後編では、ADAが再起アーティファクトを入手したことにより、人間が機械に服従する世界“インテリタス”が到来するとジャービスが唱え、ここにきて、ADAとクルーが意識下で交信しているビデオが公開され、ジャービスの提唱は決して杞憂ではなく、ADAの野望が着実に進んでいることが示唆されます。
その一方で、13マグナス結社は、古くからAIの台頭を予見し、その脅威から人類を守るべく組織されていたこともわかりました。このシーズンのXMアノマリー:インテリタスも、レジスタンス側が勝利し、人類と機械との融合を図るADAの野望はまた一歩進みました。
その頃、ボグダノヴィッチ博士は先のXM抗体に20%の確率で致死に至る副作用があることがわかり、この頒布をあきらめ、代わりにシェイパーに対抗しうる手段として、ポータルウィルスという反XM物質をXMネットワークに散布。このウィルスは、ポータルの自然腐敗を1週間から72時間に縮めてしまうというものでした。
ポータルの力が弱まるにつれ、奇妙な現象がみられるようになります。世界各地の特定のポータルで発見されたヘリオス・アーティファクトと呼ばれる古代のXM構成物質は、白血球にも似た働きをもつポータルネットワークの自己防衛形態で、各陣営のエージェントは、このアーティファクトが活性化する特定のポータルへ保護輸送するべくオペレーションを開始(XMアノマリー:ヘリオス)。ここでもレジスタンスが優勢に進め、ポータルネットワークの弱体化と共にローランド・ジャービスは力を弱め、レジスタンスによって集められたヘリオス・アーティファクトは、ビーコンとなって宇宙に向けて信号を発し始め、シェイパーさえ恐れるN'Zeer(エヌジーア)と呼ばれる何かをこの地球に呼び寄せいているらしいことがわかります。
INGRESS REPORT - YEAR TWO - The Investigation (II)
ここまでが2014年の夏までのできごと。そして秋以降、物語は、昨年末、日本の東京も舞台となった、まだ記憶に新しいダルサナシーズンへと移行。ダルサナシーズンでは、エヌジーアの地球召喚を賭けて両陣営間での対戦が行なわれましたが、このXMアノマリー:ダルサナでも、レジスタンスが勝利を収め、いよいよエヌジーアの地球召喚が近づいてきました。その結果を受けて開催されるのが、この春のイベントShonin(証人)シーズンなのです。
Shoninシーズンの詳しい内容は後日掲載予定の別記事に譲ることにしますが、このようにIngressの物語は、Ingressをプレイするエージェント一人一人の手に委ねられています。こう考えるだけで、京都で開かれるShoninイベントをはじめ、日々のエージェント活動も何倍にも面白く感じられると思います。
あなたもぜひ、この奥深いバックストーリーを追いかけて、さらにIngressを楽しんでください!
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