みなさん、おはようございます。 アプリマーケティング研究所、週アスPLUS出張所です。この連載では、気になったアプリ関連のニュースや出来事を紹介していきたいと思います。今回は、ファッションコミュニティアプリ「XZ」(クローゼット)を運営している、株式会社STANDING OVATIONさんに話を聞きました。
STANDING OVATION CTO 井上大輔さん。もともと「ショッピーズ」(100万ユーザーのフリマサイト)のCEOを7年ぐらいやっていたが、もう一度起業して「XZ」をはじめたそう。 |
Q:「XZ」はどんなサービスですか?
井上:「XZ」は着回し発見ファッションコミュニティーです。「着回しアイデアを発見する」ことと、「クローゼット内をスマホで管理する」という価値を提供するサービスです。
実は、ここに隠れた大きい市場があるとも考えています。「女性のクローゼットにあるアイテム」って70%は眠っていると言われているんです。
そして「1人あたり80アイテム(35万円ぶん)が眠ってる」というデータもある。それを、16歳から35歳の人たちで資産換算すると、5兆円もの市場になるんですよ。
Q:「着回し」っていうのは、そもそもなんでしょうか?
井上:「着回し」というのは、1つの洋服を有効活用して何とおりも着ることです。女性誌とかでは「着回し美人」みたいな特集が組まれていたり、意外にビッグなキーワードですね。
例えば、芸能人のローラさんは「着回し」がうまくてオシャレと言われているんです。まったく同じコーディネートをする日は、人生で1日もないらしいですよ。
それで、「着回し」が上手になると、オシャレになれるはずなんですけど、着回しのイマジネーションをわかせるのは難しくて、ワンパターン化しちゃうわけです。
僕ら男からすると「洋服たくさん持ってるじゃん」と思っちゃいますが、ほとんどの女性は「今日も着ていく服がない」と悩んでいる。
そこを「ファッション版のクックパッド」のようなイメージでレシピをみんなで共有することで、「着回しアイデア」のレパートリーが広がるサービスにしたいと考えてます。
Q:いまユーザー数などはどのくらいですか?
井上:リリースから、ダウンロード数でいうと3万強です。ソーシャル・クローゼット上に登録アップされているファッションアイテム数は、すでに13万点を突破し、1人平均だと29アイテムにものぼります。
「着回しアイデア数」(クックパッドでいうレシピ数)は2万件以上、投稿されています。熱量としてはかなり高いと感じています。
Q:ここまで3万ダウンロードまではどのようにユーザーが集まったんですか?
井上:基本的にオーガニック、自然に集まった形ですね。
あと実は最初はインスタのフォロワーが多いインフルエンサーを200人ぐらい集めて、クローズのベータ版に参加してもらっていました。
サービスリリース時には、彼女たちのつくったクローゼットが新規ユーザーのお手本になっていたのは、すごくよかったと思っています。
Q:「XZ」は女性向けのサービスですよね。自分がターゲットユーザーと離れているサービスをつくれるのはスゴいと思います。
井上:自分自身がターゲットユーザーである必要はないかなと思ってます。前職の「ショッピーズ」も女子中高生がつかうサービスでしたが、男4〜5人でつくってました。
一見女性がいたほうが「女性の気持ちがわかりそう」と思えますが、主観的になってしまいがちですが、男性がいたほうが客観的に分析しつつサービスをつくれます。
Q:サービス改善などで予想が外れることもある?
井上:よくあります。「ショッピーズ」の時には「これは当たるだろう」と思って鼻を膨らませて、トップダウンでつけた機能は、ぜんぶ外れていました。笑
そういう時は「じゃあどういったものが良いのか?」をヒアリングするのですが、そうすると意外に「そんなことでいいの?」という要望が返ってくる。
そして「それを素直に改善すると継続率が上がる」ということを何度も経験しました。
Q:若い女性ユーザー向けのサービスをつくるときに気をつけた方がいいことは?
井上:「10代〜20代の女性ユーザーの特徴」は大きく2つあって、この2つのポイントを抑えることが大事です。
まずひとつは「熱量が高い」ということ。新しいものやトレンドがすごく大好き。だから、コアユーザーを囲い込むのは意外に難しくないんです。
例えば「XZ」はダウンロード数3万強なんですけど、アンケートをとると200人くらいちゃんと回答してくれる。「こうしてほしい!」っていう熱量がすごく高い。
そしてもうひとつは、めちゃめちゃ飽きやすいんですよ。コアユーザーが増えてきたとしても、飽きさせないようにしないと、全然うまくいかないですね。
Q:アプリやサービスをつくる時に大切にしていることを教えてください。
井上:とくに女性向けのサービスだと、ユーザーがコアにつかってくれるためには、プロダクトとしての3つのポイントをおさえる必要があります。
それは「機能面」「デザイン面」「パフォーマンス」の3つで、これは全てそろってないとダメなんです。
どんだけ機能がよくてもパフォーマンスが重かったり、動作がもっさりしてるとダメ。どんなにいいサービスでも、ちょっとかわいくないと「ダサい」ってなってやめちゃう。
Q:今後の展開についてひと言お願いします!
井上:「XZ」による全く新しいファッション体験を世界中のオシャレを楽しむ女性に提供していきたいです。
そしてそれが生活の中の当たり前に使われるようなサービスにすることで新しい文化を生み出したいと思っています。
関連サイト
XZ(クローゼット)
取材協力
(株)STANDING OVATION
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