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本当におトクな海外航空券をゲットするための3つの真実

2015年02月14日 11時00分更新

文● 中山智  編集●KONOSU

 年がら年中海外に出かけている、旅バカライター中山です。日頃からおトクな航空券はないかと調べてはいるのですが、そのとき結構頼りになるのが『スカイスキャナー』。各航空会社や旅行代理店の航空券を横断的に検索して、最安の航空券がサクッと探せるサービスなんです。

スカイスキャナー

 そのスカイスキャナーから、2月10日、日本からの人気渡航先9ヵ国(中国、香港、フィリピン、タイ、台湾、イギリス、アメリカ、フランス、シンガポール)への2014年の航空券価格についての調査結果が発表されました。それぞれの渡航先へいつ頃旅行して、どのタイミングで航空券を買えば安いか。

 漠然としたイメージではなく、正確にデータとしてチェックできるようなので、ひとつひとつ確認していきたいと思います。


■最安は20週前! なるべく8週前までに予約するとおトク

 まず9ヵ国全体を通年でみましょう。直前での購入がいちばん高くなるのは当然ですが、平均価格を下回るタイミングは8週間前。最安値は20週間前という結果が出たようです。

スカイスキャナー
↑予約時期での価格の推移。直前での購入は平均よりも20%近く高い価格になる。

 これは、最近の航空券の価格が、購入時の座席の埋まり具合で変動するためです。あまり予約が入っていない場合は価格が安く、席が埋まって行くにつれて高くなっていきます。また、バーゲンセールのような形で早い時期に売り出されるケースもあり、これは座席数と販売期間が限定されています。そのため、極力早い時期に予約したほうが、より安く航空券が購入できるわけですが、あまり早すぎてもダメ。

 今回発表されたのは20週前までの調査結果ですが、2013年に行なわれた同様の調査では、28週間前のほうが平均よりも高くなるという結果が出ています。航空会社は半年くらい前からおトクな割り引きチケットを売り出すことが多いので、それより以前に購入してしまうと、逆に割高になるという仕組みです。

 というわけで、“旅行の計画は半年くらい前にたてて、航空券は3ヵ月くらい前までに買う”というのが、オトクに購入できる第1のポイントです。

32週と52週をちょっとだけ外してみる

 年間を通して航空券が高くなる時期は、休み集中する7月と8月、そして年末の12月です。特に旅行シーズンとなる8月は1年で最も航空券が高くなる傾向にあります。

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↑航空券価格の月別の変化。8月の航空券の高さは圧倒的。

 逆に11月は平均よりも13%近く安くなります。じゃあ海外旅行するなら11月に!……と言い切ってしまうのは簡単ですが、みんなが働いている時期に堂々と誕生日休暇が取れるなら、誰も苦労はしませんよね。休みが集中する時期に、少しでも安く買うにはどうすればいいのか。

 週別の価格の推移を見てみると、最高時期の8月でもお盆休みがスタートする32週と、年末となる52週が極端に高くなります。また、それぞれピークに向かうまでの上昇率も高く、ピークを迎えたあとは急激に価格が下がるのがわかります。

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↑週別の航空券価格の変化。台湾だけは7月の上昇率が高い。

 そこで、旅行を開始するタイミングをほんの少しずらし、お盆明けや年明けに設定すると、航空券が高い時期でも出費を抑えることができます。出発日を1日変えるだけで数万円も価格が抑えられる場合が多いので、有給休暇を利用するなどして旅程を調整してみたほうが、オトクに購入できることは間違いありません。これが、第2のポイントです。

■欧米はお正月休み、アジアは秋を狙う

 さらに国別に航空券が安くなるタイミングをみましょう。欧米は1月~2月の冬。アジア圏は10月~11月の秋が安価になります。

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↑いずれも10週間前に予約するのが最安。

 欧米に関してはフライト時間が長いため、長期で休みが取れる夏期に人気が集まるのでしょう。またウィンタースポーツなど一部の目的をのぞけば、冬の欧州は大きなイベントが少ないというのも理由として大きいです。

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↑フランスの1月は、実は1週目が安い。休みが取れるなら冬に行くのが狙い目。

 注目はフランスが1月の1週目、つまりお正月の期間が最安になっていること。欧州はLCC(格安航空会社)や鉄道網が発達しているので、ほかの周辺の国へアクセスしやすいです。筆者もパリを経由してドイツやスペインへ移動することが良くあるため、そういった日程もオススメです。

 アジア圏は9月~11月が割安のようです。この時期、長期の休暇は取りにくいですが、アジアならフライト時間が短いので、終末を使った短期の旅行ができます。特に2010年に24時間利用可能な羽田空港国際線ターミナルがオープンしてからは、往復とも深夜に出発して翌朝に到着、というフライトスケジュールを採用している航空会社が増えました。

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↑香港エクスプレスは深夜発の羽田便で香港にアクセス。

 この深夜便を使えば、金曜日の深夜に羽田を出発して、土曜日、日曜日の2日間をたっぷり現地滞在時間にあて、月曜の早朝に羽田到着という週末海外旅行も楽しめます。機内泊が2回と、ちょっと体力的にはキビシくなるため、有給休暇を取って金曜日も旅程に組み込むと、もう少しゆったりとしたスケジュールが組めるでしょう。

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↑シンガポールも深夜便が多く、都市国家なので移動範囲が広くないため、週末海外でもじゅうぶん楽しめる。

 ちなみにアジアの2月は全体的に安めですが、タイと香港、中国、台湾だけは高め。タイについては11月~2月が乾期で、特に2月がハイシーズンになるからです。プーケットなどリゾート地が人気ですね。

 また、それ以外の東アジア圏がなぜ高いかというと、旧正月の旅行シーズンにあたるためです。旧正月は旧暦なので毎年時期前後しますが、東アジア圏の航空券は、この時期確実に高騰するので注意しましょう。

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↑旅仲間で香港在住の山根博士も、旧正月は航空券が買えずに困っている。

 もちろん、オフシーズンといっても、旅先でまったく楽しめないということはありません。逆に観光客が少なくてスムーズに旅ができることもあります。まったく初めての海外旅行や初めて訪れる国ならハイシーズンに近いほうがオススメですが、その国が気に入ったら、2回目、3回目はオフシーズンに狙って行くというのもありです。

 実は、“早めに購入する”、“ハイシーズンから少しずらす”、“オフシーズンを狙う”というのは、旅バカ仲間では体感的に定説として語られてきたことばかり。ですが、こうやって実際にデータとして裏付けされると、ボクらは間違っていなかった! というのがわかってちょっと安心しますね。

 というわけで、あらためてこの3つの定説をもとに格安航空券を探して、またどこかを旅してこようと思います!!

■関連サイト
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