生半可な未来では太刀打ちできないぞ。
27日、IT企業のDMMがロボットを売る新規事業「DMM.make ROBOTS」発表会に堀江貴文氏が登場。DMMが提唱する、ネットにつながるロボット「スマートロボット」の構想を聞き、「ぶっちゃけ何に使うの?」とばっさり切った。
「スマートフォンが普及したおかげで、安くて高性能なものがコンパクトに作れるようになったが、ぶっちゃけ一般消費者が買って何に使うのかというと、まだ全然見えていない。ここにはロボットが手放せない人がいる、というのがまだない」(堀江氏)
テレイグジンスタンスには可能性を感じる
とはいえ人型ロボットに未来がないと思っているわけではない。たとえばロボットで自分の分身を作るようなテレイグジスタンス(遠隔臨場感)には可能性があるんじゃないかなあ、と堀江氏。
「ダブルというiPadをちっちゃいセグウェイにつけたようなロボットがある。そんなんただの機械でしょと思うけど、そこにあると『あっ人がいる!』と思う。(ソフトバンクのロボット)Pepperの顔だけタブレットにしたら意外といけんじゃないか」
タレント・マツコデラックスをモデルに電通が開発したヒューマノイド「マツコロイド」よろしく、Pepperに「ホリエロイド」の顔をかぶせられるなら「俺も作りたい」と堀江氏。要は「動く社長ロボット」だ。うちの会長がロボットになったら……いやいや。
ちなみにロボットに詳しい首都大学東京 久保田直行教授は、天気予報や今日の予定を教えてくれる秘書のようなパートナーロボット、また自分の代わりに誰かのケアをしてくれるロボットが開発されるのではないかと予測していた。
おしゃべりするのはバーチャルでいいのでは?
その後、話はロボットとモノのインターネット(IoT)に展開。家の中にセンサーがあふれればロボットがセンサーを搭載する必要がなくなり、デザインが洗練されていくのではないかという話になった。しかし、やっぱり堀江氏は眉をひそめる。
「ロボットというのはセンサーを使ったインプットとアウトプットの話なので、たとえば自動運転車も一種のロボット。IoTで実現するという話でいうと、インターフェースは(既存イメージの)ロボットじゃない気がする」(堀江氏)
人型ロボットのパルミーを開発している富士ソフト 渋谷正樹常務が「人は人以外としゃべったことがない」と言い、コミュニケーションの基点としては人型が必要だというと、堀江氏は「人の形が要ることは否定しない」とあっさり認めた。
ただし「オキュラスをつければ初音ミクがいるという状態は実現できてる。初音ミクと握手ができるツールを作ってる人もいる。ロボットの拡張としてはああいう方が筋はいい気がする」と堀江氏。
ロボットにコミュニケーションが必要というのは認めるが、既成概念にとらわれる必要はないのでは、というのが堀江氏の立場だ。
ドローン開発には興味があるよ
たとえばアメリカの対テロ戦争において、CIAが統括していたドローン(無人航空機)もロボットの1つ。堀江氏はロケット開発会社を設立しているが、ドローン開発にも同社の技術を応用できるため非常に興味があるという。
「ロケットとドローンは全然違うように見えて同じもの。センサーでモニタリングして、自分の姿勢を自律的に変えながら宇宙に飛んでいく。日本にはドローンのベンチャーが少ないからけっこう当たるんじゃないか」(堀江氏)
堀江氏が言いたい放題言ったところでトークセッションはおひらきとなった。(DMMの松栄立也社長は「堀江さんを呼んだおかげで面白い議論になった」と笑ってたけどね)
堀江氏の意見にうなずきつつ、逆にとんでもないロボットが登場するだろう未来に期待したくもなった。あと100年経てば猫型ロボットが登場するんだしね!
首都大学東京 久保田直行教授(左)と堀江貴文氏(右) |
写真:編集部
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DMM.make ROBOTS
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