週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

1日3ユーロで500MB使える、欧州最強のローミングSIMを試す

2015年01月10日 10時00分更新

 数ある旅行先の中でも、特にヨーロッパを旅するときにいつも悩むのが、SIMカード選びです。多くの国が決済通貨としてユーロを導入しており、パスポートなしで行き来できる地域が多いものの、通信キャリアは国ごとにバラバラの状態となっています。

 そこで今回は、ヨーロッパ各国でデータローミングができるという、Vodafoneイタリアが販売しているSIMカードを買ってみました。

欧州最強のローミングSIM
↑イタリア・ミラノの主要なスポットでは、VodafoneイタリアのLTEが使える。さらに地下鉄の駅や走行中でもLTEがつながる場所がある。欧州では画期的な通信環境だ。

■欧州のローミングといえばVodafone

 これまで筆者がヨーロッパを訪れる際、データローミング用として愛用してきたのが、Vodafoneアイルランドが販売しているプリペイドSIMです。その“RED”プランでは、欧州や米国などで1日100MB(現在は200MB)のデータローミングを2.99ユーロ(約422円)で利用できます。

 このVodafoneアイルランドのSIMを上回るお得なSIMとして登場したのが、VodafoneイタリアのプリペイドSIMで利用できる“Smart Passport”オプション。なんと1日3ユーロ(約424円)で500MBものデータローミングが可能なプランとして、旅行者の間で評判が高まっています。

 筆者も、さっそくミラノ中央駅(イタリア)のVodafoneストアで、SIMを買ってみることにしました。

 お店の前は、国際列車が続々と発着するプラットフォーム。そのため、店員の対応言語も多彩です。イタリア語、英語はもちろんのこと、スペイン語やドイツ語に対応できる店員が接客にあたっていました。

欧州最強のローミングSIM
↑ミラノ中央駅の構内にあるVodafoneストア。国際列車が到着するプラットフォームの目の前にある。改札はないので、電車に乗らない人でも利用できる。
欧州最強のローミングSIM
↑店内では4G対応端末をプッシュしていた。

 店員にパスポートを提示し、イタリアでの数日間の利用に加えて、ヨーロッパ内でSmart Passportを使いたい旨を告げたところ、500分の音声通話付き基本プラン“Scegli Voce”とクリスマス時期限定のデータ通信プラン“Christmas Card 2GB”をおすすめされたので、セット20ユーロ(約2830円)で購入しました。

欧州最強のローミングSIM
↑無事、SIMカードをゲット! 今回はMicroを購入したが、ほかにNanoSIMタイプもある。

 SIMカードの利用開始にあたっては、スマートフォンのデータ通信機能をオフにした状態で開通を待ちます。これはデータ定額が有効になるまでの間、チャージが溶けるのを防ぐためだとか。開通まではさらに2時間程度かかるとのことで、いったんホテルに帰って待機します。

 数十分後にはSMSが届き、データ定額が有効になったことが確認できました。その後、APN(mobile.vodafone.it)を設定し、データ通信を“オン”にします。

欧州最強のローミングSIM
↑まだLTEで使う人が少ないこともあり、LTEにつながれば圧倒的に速い。


■チャージには難があるものの日本からも可能

 さて、イタリア国内で利用するプリペイドSIMは比較的簡単に購入できました。しかし、今後も継続的にローミングで使っていくにあたって重要なのは、オンラインでチャージできること。

 そのためには、Vodafoneイタリアのウェブサイトでのアカウント登録と、日本で発行されたクレジットカードによるチャージという、2段階の壁を超える必要があります。

 まずアカウント登録にあたってつまづきやすいのが、イタリアの個人納税者番号である“Codice Fiscale”。VodafoneでSIMカードを購入したときに渡された、契約書のプリントに印刷されているコードを入力すればオーケーです。

 ちなみにこの番号は名前、性別、居住地、誕生日から自動生成されるため、外国人がオンラインで取得することも容易です。計算フォームを提供している http://codicefiscale.it/http://www.comuni.it/ といったサイトで、下記のような情報を指定することで機械的に割り当てられます。

・Nome : ファーストネーム
・Cognome 
: ラストネーム
・Sesso 
: 性別。M(男性)かF(女性)
・Comune/Prov
: 住所(日本の場合はGIAPPONEと、海外を意味するEEまたはESTEROを選択)
・Data di nascita : 誕生日(欧州はdd/mm/yyyy形式が多い)

欧州最強のローミングSIM
↑個人納税者番号は機械的に割り当てられる。同姓同名で誕生日が一緒なら重複する恐れがあるものの、そこは末尾の記号で調整するとか。

 もうひとつの問題は、チャージです。イタリアのMy Vodafoneのサイトからでは、日本のクレジットカードもPayPalも使えなかったのです。

 ただしVodafoneイタリアのウェブbサイトから開くチャージ用のページ(https://ricarica.vodafone.it/vftopup)では、PayPalでチャージできました。

 同じPayPalでも、後者の場合はイタリア版のPayPalを経由しています。通常のPayPalのリンクでは、日本のPayPalアカウントを持っているとそちらに飛ばされるため、Vodafoneイタリアが受け付けられない処理になっていたものと考えられます。

 なお、音声通話プランをあまり使わない場合は、Vodafoneのウェブサイトから従量制の“Vodafone Al Secondo”プランに変更することも可能です。

■イタリアを訪れた際にはぜひ購入したいSIM

 帰国時に乗り継ぎで立ち寄ったコペンハーゲン(デンマーク)にて、VodafoneイタリアのSIMを入れた端末の機内モードを解除してみましたが、特に何も設定を変えることなくデータ通信できることを確認しました。

 おもしろいのは、データローミングの対象地域にアメリカが入っている点です。1月10日現在、筆者はアメリカに滞在していますが、アイルランド版、イタリア版ともに、AT&TのLTEを利用したデータローミングが利用できました。

 残念ながらテザリングは不可とされているため、PCやWiFiデバイスからの利用は難しいものの、空港に着いたらすぐつながるという快適さを、わずか1日3ユーロ程度で得られるとは。みなさんも、イタリアを訪れた際には、この貴重なSIMカードをぜひ入手してみてはいかがでしょうか。

欧州最強のローミングSIM
↑ミラノ市街地にはVodafoneストアが複数。日曜でも営業しているので安心だ。
この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります