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世界を旅する“巨大アヒル”をセルフィー棒とスマホで撮りまくる

2014年10月29日 12時00分更新

 お風呂に浮かべて子供が遊ぶゴム製のアヒルのおもちゃ、ラバーダック。それを超巨大化させ世界中の港や湖に浮かばせてしまおうというのがオランダ人のアーティスト、フロレンティン・ホフマン氏による“ラバーダック・プロジェクト”です。これまで大阪や香港や台湾に出現しましたが、2014年10月はソウルに登場しました。

ラバーダック・プロジェクト
↑高さ16メートル、とにかくでっかいアヒル。

 場所はソウル市のロッテワールドがある蚕室(チャムシル)の石村(ソクチョン)湖。ソウル市内にも湖があるんですね。湖は周りよりもちょっとくぼんだ位置にあるので遠くからはラバーダックは見えず、湖の湖畔まで近寄らないと見えてきません。でも記念撮影に来た人々がみんな手に同じものを持っているので、どの方向にラバーダックがいるのかはすぐにわかります。

ラバーダック・プロジェクト
↑ソウルのスマホ利用者が続々買っている。

 ラバーダックを撮りに来た人々が手にしているもの、それは自分撮りのためのセルカ棒(セルフィー棒)です。韓国でもそのままセルカボン(棒)と呼ばれていて、誰もが棒を持ってラバーダックの周りに集まっています。もしも持ってくるのを忘れたり、まだ購入していなくても大丈夫。観光地に行くとかならずセルカ棒の出店があってそこで売られています。お値段はBluetoothリモコン込みで1500円前後とリーズナブル。

ラバーダック・プロジェクト
↑右も左もセルカ棒だらけ。

 ラバーダックのすぐそばに行ってみると、まぁとにかく誰もがセルカ棒を持って自分たちの写真を撮りまくっています。デジイチを持って高画質な写真を撮っている人もいましたが、ここではカメラの画質よりも「自分たちが撮影できる」ことが重要。撮影後はすぐにFacebookなどにアップして仲間同士で盛り上がる、そんなことを誰もがやっているのです。筆者は何も持たずにやってきたのですが、スマートフォンにセルカ棒がついていないのがなんだか間違っているような気がしてしまうほどでした。

ラバーダック・プロジェクト
↑男女の区別なし、男同士でもセルフィーだ。

 セルフィーを楽しんでいるのは女の子同士とか楽しそうなカップルだけと思いきや、男性だけで来ているグループも「よっしゃ、撮るぜ!」「うぉー!」てな勢いでセルフィーしまくり。「そこまでお前ら自分たちを写したいのか?」と突っ込もうと思いましたが、回るを見ると老若男女関係なくセルフィーしまくり。記念撮影=セルフィー、という図式が完全に出来上がっています。セルフィーしないほうがここでは変、そんな感じもしてしまいます。

ラバーダック・プロジェクト
↑セルカ棒はどこでも売っている。

 ここまでセルフィーが流行っているということはセルカ棒も簡単に買えるのでしょう。確かにソウルや釜山の街中や地下街のスマートフォンケース屋には必ずセルカ棒が並んでいました。「Bluetoothリモコンセットで買ったほうがいいよ」と注意してくれる店の人も。たしかにリモコンが無いとセルフタイマーを使うなど撮影がちょっと面倒ですね。iPhoneを使っている人はセルカ棒につけたiPhoneにヘッドフォンを差し、リモコンでシャッターを切っている人もいましたが、やはりBluetoothリモコンは必須でしょう。

ラバーダック・プロジェクト
↑ロッテリアでは300円で売っている!

 セルフィー人気を感じたのはご飯でも食べようとロッテリアに行ったとき。レジでお金を払いながら、長い箱に入ったものを一緒に受け取っている人がいます。店員さんに聞いたら「ハンバーガーセットを注文したら、セルカ棒が3000ウォン(約300円)で買えるよ」とのこと。Bluetoothリモコンはないものの、たった300円なら誰もが買っちゃいますよね。ハンバーガー食べながらさっそくうれしそうにセルフィーしているおばちゃんたちがいるなど、セルフィー予備軍を着々と生んでいました。恐るべしロッテリア!

ラバーダック・プロジェクト
↑セルフィーにはファブレットが向いている。

 ところでセルフィーする人たちはどんなスマートフォンを使っているのでしょう?韓国はちょうどGALAXY Note4が出たばかりでさっそく使っている人も多く見かけましたが、セルカ棒につけている端末もたいていの人が5.5インチ以上のファブレットでした。ファブレットなら棒の先につけた画面でも自分たちの顔のプレビューがよくわかりますし、写した瞬間のプレビューもそのまま見やすいんですね。セルカ棒につけるのは小さい端末のほうが扱いやすいと思いきや、画面は大きいほうが実用性が高いことがわかります。

ラバーダック・プロジェクト
↑特設グッズ売り場にはモバイル関連のものはなし。

 ソウルのラバーダックプロジェクトは10月15日から11月14日まで。もしこの間にソウルに行く人がいたらぜひ見に行きましょう。なお湖畔にはコンテナを改造したグッズ売り場があったのですが、平日昼間なのに長蛇の列。売っているのはポストカードやメモ帳などでした。

ラバーダック・プロジェクト
↑駅地下ロッテデパートにもグッズやさんあり。

 湖はソウルメトロのチャムシル駅から徒歩10分。駅を降りてロッテデパートのほうへ行くと、デパートの入り口に少しだけグッズ売り場があります。なお湖は東と西に分かれていますが、ラバーダックがいるのは東のほう。ロッテデパートから湖に出ると西になるので、ここに立ち寄ったあとは地下街を東に進んでから地上に出るとよいでしょう。

ラバーダック・プロジェクト
↑モバイルグッズを買うならこちらで。

 ここではiPhone用のホームボタンシールやヘッドフォンにつけるアクセサリなどが売っていました。ラバーダックのモバイル関係のお土産ならここで買うのがよさそう。なお香港にラバーダックがやってきたときは、路上にお店がたくさんでるわ、スマートフォンカバーもいろいろな種類がでてくるなど商魂の逞しさが目立ったのですが、ソウルはそこまでではないようです。

ラバーダック・プロジェクト
↑ま、アヒルちゃんはかわいいってことで。

 なんだか旅行記のようになっちゃいましたが、スマートフォンばかり追いかけていないで、たまには自然の中にうかぶラバーダックを見るのも楽しいものです。しかしそのうち旅行に行くときはセルカ棒を持って、なんて時代になるんでしょうか。そうなったころはセルカ棒がワンタッチで取り付けられるスマートフォンカバーや、Bluetoothリモコン内蔵のセルカ棒、なんてものも出てくるのかも。セルカ棒の進化にも注目したいですね。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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