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デュアルSIMのLTEスマホや今後の新機種が気になる ファーウェイにSIMフリー戦略を聞いた:CEATEC2014

2014年10月10日 15時00分更新

 6インチのフラグシップスマートフォンを発表したばかりのファーウェイ。CEATEC2014でも同社ブースは多くの来客でにぎわっていました。今やファーウェイのSIMフリースマホも多数のラインアップをそろえており、SIMフリースマホの数では日本でトップとなっています。では、これからどんな製品が日本に出てくるのでしょうか? ファーウェイ・ジャパンの副社長、呉波氏に話をお聞きしました。

ファーウェイ
↑Ascend Mate7を手にするファーウェイ・ジャパン副社長、呉波氏。

──9月のIFA2014で発表されたばかりのAscend Mate7を日本にもすぐに投入するとは驚きました。やはり日本市場だからこそハイエンド製品を投入すると決めたのでしょうか?

呉波氏 Ascned Mate7は弊社のフラグシップともいえるハイスペックな製品です。機能が高いだけではなく、アクセスできるデータに制限を加えることのできるゲストモードを備えるなど、ビジネスでの利用もしっかりと考慮した端末に仕上がっています。

 もちろんハイエンド製品を日本市場に投入できることはうれしいことなのですが、スペックが高い製品に絞って日本に出す、というような明確な方針はありません。日本の市場はまだ600万から800万台ものフィーチャーフォンが使われています。その買い替え需要だけを考えても台数は多く、そしてミドルレンジ、プレミアモデル、エントリーモデルなど、さまざまなニーズがあると考えています。

──日本向けの製品はどのようにして決めているのですか?

呉波氏 日本で発表された製品は、その半年前に日本で発売することを決めています。実は以前はそれよりも長い時間がかかっており、12ヵ月から15ヵ月前に日本市場への発売を決めていました。ですがスマートフォンのスペックが年々上がっている今の時代、それでは時間がかかりすぎです。いち早く日本のニーズをつかむため弊社は横浜に日本研究所を設立しています。その研究所ではパートナーさんや部品メーカーさんと協業して最新技術の開発を行なうだけではなく、エンドユーザーのニーズ調査も行なっているんです。

──立て続けにSIMフリーモデルを投入していますね。

呉波氏 お話ししましたように、日本市場でもさまざまなスマートフォンの需要があると思います。また消費税が上がることもありますし、日本の消費者の方々もより価格に敏感になり、いいものを買いたいと考えていることでしょう。弊社のSIMフリーモデルはそれぞれの製品が“その価格で最高のもの”という点をアピール出来たらと考えています。また弊社のブランドを認知していただくためにも、今は製品を出しつづけていくことが必要だと考えているのです。

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↑多数のSIMフリーモデルが並ぶ、CEATEC2014のファーウェイブース。

──これまでに発売したSIMフリーモデルの売れ行きはいかがですか?

呉波氏 2014年6月27日に発売した『Ascend G6』以降、売れ行きは弊社の予想を超えており、たいへん良い感触をつかんでいます。また日本全国の量販店などに製品を置かせていただくことで、弊社のブランド認知度も確実に上がっていると感じています。

──認知度を広げるために何か特別なことを行なっているのでしょうか?

呉波氏 弊社はこれまでStreamなどさまざまな名称で製品を出してきましたが、昨年にすべてをAscendブランドに一本化しました。これによりAscend=ファーウェイ、と消費者の方々には弊社の企業名を認知しやすくなったと思います。

 また弊社の企業名を浸透させていく際に、『HUAWEI』というアルファベットが読みにくい、発音しにくいことに気がつきました。そのため今回のCEATEC2014では、海外企業である弊社名の発音を覚えてもらいたいと思い、カタカナを使った社名『ファーウェイ』を大きくアピールしています。

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↑カタカナでファーウェイ、はTwitter上でも大きな話題に。

──CEATC2014ではグローバルモデルの『Honor6』が展示されています。この製品も日本で販売されるのでしょうか?

呉波氏 Honor6は先日韓国でも発売しました。LTEカテゴリ6に対応する高速通信可能なスマートフォンです。弊社は日本では紹介していないモデルをグローバル市場で多数出しています。その中からどのモデルを日本市場に出すかは弊社だけの考えではなく、日本市場に詳しいパートナーさんからの意見を取り入れるようにしています。

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↑下り300Mbpsに対応するグローバルモデルのHonor6。

──日本ならではの製品、たとえばLTEのデュアルSIMスマートフォンなどの開発はされないのでしょうか?

呉波氏 中国ではデュアルSIMスマートフォンはメジャーですが、片側は2G(GSM方式)ですね。両方を3GあるいはLTEに対応させることは技術的には難しいことではありません。新興国では“2G+3G”のデュアルSIMスマートフォンの需要があります。今後“LTE+3G”や“LTE+LTE”のデュアルSIMスマートフォンの需要が高まれば、弊社としてはすぐにでも製品化できる開発体制は整っています。

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↑新興国向けには“2G+LTE”スマホはある。“3G+LTE”や“LTE+LTE”も実現は可能。

──ニーズがあればデュアルLTEスマートフォンも実現できるのですね。スマートウォッチはいかがでしょうか?

呉波氏 弊社の製品としてリストバンド型ウェアラブル端末『TalkBand B1』を販売していますし、日本向けにはドコモさんへ『ドコッチ 01』を発表しました。ウェアラブル端末やスマートウォッチはこれから広がりを見せていくでしょうが、今はまずウェアラブルという製品の認知度を広げていくことが必要だと考えています。

──製品の拡販のため、SIMフリー端末の直販などは行なわないのでしょうか?

呉波氏 中国ではオンラインショッピング市場が急激に拡大しています。人口も非常に多いため自社でオンラインストアを開いてもビジネスになります。いっぽう日本では、すでにアマゾンさんや楽天さんが多くの消費者の方々に利用されていますから、それらのチャンネルを使ったほうがビジネス展開も行ないやすいでしょう。

──日本市場への意気込みをお願いします。

呉波氏 日本ではSIMフリー端末市場が立ち上がったばかりですし、MVNOもユーザーが増えるのはこれからだと思っています。そのため現時点ではSIMフリー端末が爆発的に売れる、という状況にはなっていないと思います。

 Ascend Mate7は日本の方々にも満足いただけるスペックを搭載していますので、ぜひ使っていただきたいと考えております。Ascend Mate7はグローバルでも評判がよく、中国でも大きな注目を集めています。ある新聞の調査として聞いた話なのですが、10月頭の中国の大型連休中に最も人が集まったのは行楽地で、2番目はファーウェイの全国の販売店だったそうです。これもAsend Mate7の人気が多くの人を集めたのだと思います。

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↑グローバルでも話題のAscend Mate7。

 弊社はまだまだ日本での認知度が低いですし、正直なところ、日本市場で生き残ることを第一の目標としています。中国のことわざに「たくさんの人たちで巻木を拾ったほうが炎は大きくなる」というものがあります。今後もパートナーさんと協業しながら、日本向けの製品を増やしていきたいと考えています。

●関連サイト
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