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LTEスマホだらけだったIFAとコラボしたアメリカの展示会

2014年09月24日 15時30分更新

 9月9日のiPhone6/6 Plusの発表に世界中が浮かれる中、筆者はラスベガスを訪問していました。行先はアメリカの通信関連イベント『CTIA Wireless2014』。このイベントは昨年までは5月に開催されていたのですが、今年からはドイツ・ベルリンでほぼ同時期開催のIFA2014とコラボレーション。ということでIFAに合わせて9月となったのです。

CTIA Wireless2014
↑とりあえずあちこちにスポーツカーが置いてあるアメリカの展示会。

 CTIA2014では台湾製の高級スマートフォンなんてものを見つけましたが(先週の記事参照)、それ以外にも結構な数の新製品を見かけました。とはいえCTIAは端末と言うより通信系の展示会なので、キャリアとかネットワーク系の展示も多数。そしてなぜか会場内にはでっかい車やらスポーツカーが目立ちます。アメリカ人ってやっぱり車が好きなんでしょうね。

CTIA Wireless2014
↑サムスン出ているけど狙いはマイナー系。

 この手の展示会には必ず出展しているサムスン電子。ここでもIFA2014で発表になったGALAXY Note4などを展示していました。でもすでに見てしまった筆者には目新しさが感じられません。ということで会場内を歩き回ってマイナーメーカーのスマートフォンの掘り出し物でも探すことにしました。

CTIA Wireless2014
↑一部の地域ではメジャーになりつつあるBLU。

 まずはBLU。北米や南米を中心にオンラインで端末を販売しているメーカーです。スマートフォンもすでにラインアップの中心を占めていて、最近ではWindows Phoneも手掛けています。製品はノキアのLumiaっぽいカラフルなものが多いのも特徴。黒や白の製品が並ぶ他社とは明らかにブースの雰囲気も異なります。

CTIA Wireless2014
↑ブース内に目立つLTEの表記。

 BLUのスマートフォンは200ドル前後の普及価格帯のモデルが大半ですが、すでにLTE対応製品も複数リリースしています。またSoCは台湾メディアテックだけではなくクアルコム品も採用。結構侮れない製品を作っています。

CTIA Wireless2014
↑LTE最新作モデルのStudio 5.0LTE。

 LTEスマートフォンは6インチと5インチの2タイプ。5インチが売れ筋モデルの『Studio 5.0LTE』。価格はアマゾンUSAで189ドル。LTEの対応周波数がBand 4とBand 7ということでアメリカではT-Mobileで利用可能とのこと。他国向けには周波数変更したモデルの投入も予定しているとのことです。クアッドコア1.2GHzCPUに5インチHDディスプレイとスペックを押さえ低価格を実現。カメラもメイン800万画素ですが価格を考えれば納得でしょう。

CTIA Wireless2014
↑Windows Phoneは2機種を投入。

 またWindows Phoneは4インチWVGAディスプレイの『WinJR』と5インチHDディスプレイの『WinHD』と2モデルを投入。中南米ではWindows Phoneも結構人気だそうです。WinJRのほうはアマゾンで89ドル、1万円以下の低価格で販売中。WinHDは300ドル前後になる見込みとのこと。

CTIA Wireless2014
↑HTCっぽいけどWindows Phoneが増えるのはうれしい。

 WinHDは基本スペックはStudio 5.0LTEとほぼ同等で、同社は両OSのスマートフォンを同じプラットフォームで作り分けています。本体デザインがHTCにかなり似てはいるものの、カラフルな4色展開はこれもLumiaのようでWindows Phoneらしいかもしれません。Androidスマートフォンは競争が激しくて他国展開は大変でしょうが、Windows Phoneならこれで日本市場上陸もあってもいいかも?

CTIA Wireless2014
↑いかにもアメリカ的な代理店は台湾スマホを輸入。

 アメリカン・ネットワーク・ソリューションズは海外の製品をアメリカに輸入し国内で販売する代理店。スマートフォン関連は台湾のOEM/ODMメーカーである台湾クアンタ・コンピューターの製品を輸入、自社ブランドや他社ブランドでの販売を行っているそうです。なおクアンタはノートPCやタブレットなどのOEM/ODM製造も行っている老舗のメーカーですね。

CTIA Wireless2014
↑エッジの効いたデザインの防水スマホ。

 現在まだ商品化未定というこちらのスマートフォン、『ANS Highlander』は4.7インチqHDディスプレーの製品。Snapdragon800を搭載予定とのこと。かなりとんがったデザインをしていますが、IP67およびMil-STD準拠で防水防塵対策もばっちりな製品だそうです。これはぜひとも商品化してもらいたいもの。もちろんLTEにも対応します。

CTIA Wireless2014
↑LTEスマホとタブレットをずらりと並べる。

 他にも3.5インチから4.5インチまでの低価格スマートフォンや7インチタブレットを展示していましたが、これらも全てLTEに対応。もはや低スペックなエントリークラスの製品でもLTE対応じゃないと商品競争力がないとのこと。これらのモデルのいくつかはアメリカなど各国のキャリアブランドで販売される予定のものもあるそうです。

CTIA Wireless2014
↑中南米向けのMaxWest。

 MaxWestは中南米などに2Gや3Gのスマートフォンを販売。5.5インチや6インチのファブレットも揃えるなど製品種類は10機種以上もあります。こちらもアマゾンなどオンラインでも製品を販売中。

CTIA Wireless2014
↑4GスマホはLTEにあらず。

 5.5インチモデルなどiPhone6やGALAXY Note4と同じスペックを期待してしまいますが、ディスプレイ解像度はqHDと低くやはりこれは価格を日本円で1万円台に抑えるためだとのこと。新興国では解像度よりも、まずは広い画面が欲しい、って消費者が多いのでしょう。また4G対応スマートフォンがずらりと並びますが、説明を聞くといずれもHSPAのみ対応。アメリカではAT&TやT-Mobileが数年前にHSPAやHSDPAを4Gって言い始めちゃったものだからわかりにくくなっていますが、今はLTEならちゃんとLTEと言うようになっています。

CTIA Wireless2014
↑こちらも独自スマホを手掛けるUnnecto。

 Unnectoもアメリカ全土に自社スマートフォンを販売しているメーカー。ですが話を聞くと最近は端末販売も厳しいらしく、アメリカ全土におけるソニーモバイルやマイクロソフト(旧ノキア)のスマートフォンの代理店業務も請け負っているとのこと。そのためか今回のCTIA2014では同社ブースに並んでいる自社スマホの種類は少なめ。

CTIA Wireless2014
↑やはりLTEスマホは販売戦略上どうしても必要。

 そんな同社もこの秋に初のLTEスマートフォンを投入予定。『Surge』は5.5インチHDディスプレイで同社としてはフラッグシップの扱い。但し価格は200ドル台半ばで抑えたいとのことです。もはやこんなローカルメーカーでもLTEスマホがなければお客さんの目を引き付けることは難しくなってきているのでしょう。

CTIA Wireless2014
↑中国メーカーもLTEスマホだらけ。

 この他には中国の中小メーカーやOEM/ODMメーカーが小さいブースを出していましたが、どのブースでも見かけるのはやはり“LTE”の文字。ちなみにいくつかのブースで値段を聞いてみたのですが、最少ロットは500台、LTE対応のエントリーモデルで100ドル以下で生産してくれるとのこと。高級車を買うお金があったら自分でLTEスマートフォンを作ることができる時代になっているんですねえ。アスキーオリジナルスマートフォンとか作ってくれないかな?

CTIA Wireless2014
↑京セラのスマホはアメリカでも強かった!

 QWERTYキーボードスマートフォンやら腕時計携帯電話を探したのですが、意外なことにもどこへ行ってもLTEスマートフォンばかりだったのが今年のCTIA2014の印象でした。最後にこちらはキャリアのベライゾンブースにおいてあった京セラ『Brigadier』のデモ風景。木槌と虫ピンが置いてあり、巨大を揺らしながらアメリカ人の来客が叩いたりひっかいたりしていましたがキズはまったくつきません。日本製品の品質の高さに感心するお客さんが多数いたようでちょっと安心しました。何かしら新しい発見が見つかるCTIA、来年の訪問も楽しみです。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
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