auのiPhone 6がLTE、WiMAX2+、そしてキャリアアグリゲーション対応(以下、CA)の“ネットワーク全部入り”をアピールしています。アップルのイベントに出席したKDDI社長が「他社に申し訳ない」というほど他キャリアに対しアドバンテージを強調する理由をズバリ本人に伺ってみました。
──強気の発言が続いております。
田中 はしゃぐのが好きでして(笑)。我々キャリアは今、“LTE”という土俵の上で熾烈な闘いを繰り広げています。とはいえ、端末と平仄を合わせて(※)進化していかないとなりません。
※平仄(ひょうそく)を合わせて=順序立てて
↑KDDI田中社長(プロ)。デジラを前に語ってくださいました。手に持っているCAのカードは……社員につくらせたまま未使用なのだそう。 |
──実際に早さはiPhone 6を買ってスグに体感できますか?
田中 はい、そして、ただ早いというだけではなく室内や地下、ビルの影など、これまでつながりにくかった場所でも“LTEでつながりっぱなし”になります。これを“LTEの維持率”と呼んでおり、他を圧倒する数のLTE基地局でこそ実現できるものです。
──iPhone 6は御社がサポートする1.5GHzをサポートしていませんが。
田中 エリア面での影響はほとんどありません。1.5GHz帯はAndroid端末がつながりますから、接続面ではむしろ負荷が分散され、良い影響が出ます。
──CAは2つの電波をハード的にまとめるということですが、バッテリーのもちなどに影響は出ますか?
田中 ただ早くつながるだけで、バッテリーのもちにほとんど影響は出ません。(回線スピードが)遅いほうが、待ち時間のぶんバッテリー消費につながるでしょうね。周波数はフラグメンテーションの現状にありますが、技術も進み、ひとつのチップで制御できるようになったからです。
──iPhone 6はCAと一緒にVoLTEにも対応しましたが、3キャリアとも課題となっています。
田中 準備は整っていますが、先ほども申し上げたように物事には順序があります。今はLTE維持率を上げるフェーズ。また、他キャリア間でのVoLTE通話にも調整が必要です。800MHz対応でエリアは完璧になりましたからね。とにかく、まずは維持率です。
──CA+VoLTEが業界標準となりますか?
田中 来年以降、間違いなくそうなっているでしょう。ただ、他社のCAは900MHz帯の整備など課題も多く、我々のリードは続くと確信しております。もちろん、手を緩めずに突き進みますよ。
──どうも、ありがとうございました。
いじょ。CAをわかりやすく説明するため、KDDIはこんなムービーを公開しています(※イヤーワーム現象にご注意ください)。3キャリアの価格はそろいましたが、CA、VoLTE対応の動きに引き続き注目ですね。
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