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もう知らないじゃ済まされない!? オトナのための『妖怪ウォッチ』基礎講座

2014年07月12日 07時00分更新

 今や全国の子供たちの心をわしづかみにしまくっている『妖怪ウォッチ』。最新作の3DS用ゲーム『妖怪ウォッチ2 元祖/本家』は発売初日から売り切れ店続出。とどまるところを知らない妖怪ブームに、もう大人も知らないでは済まされない! 6歳息子とドップリ妖怪ウォッチにハマった母が、5分でわかる妖怪ウォッチのポイントをお教えします。

■そもそも妖怪ウォッチって何?

 タブレットで検索する白いオバケに、アイドル好きなネコの地縛霊、ヒキコモリなコーモリ……。なんともシュールな妖怪たちが登場する『妖怪ウォッチ』は、アニメ放映から半年足らずで、日本の子供たちの間でもっとも人気のあるコンテンツになりました。

東京おもちゃショーでも大盛況
妖怪ウォッチ
↑6月に開催された東京おもちゃショーのブースは、初日から人だかりが! 多くのグッズが展示されていました。

 主人公の天野ケータはフツーの小学生。ある日、森で古いガチャガチャを見つけ、まわしてみると、そこから白いオバケ……もとい“妖怪執事”を名乗るウィスパーが現われ、妖怪が見えるようになる『妖怪ウォッチ』という腕時計型アイテムをもらいます。そしてケータとウィスパーは、友達になった妖怪たちの力を借りて、妖怪が引き起こす事件を、戦ったり説得したりして、わりと和やかに解決していきます。

 今でこそ、テレビなどでも取り上げられ話題になっていますが、2013年に夏に発売された当初は、小さい子供を持つ親やゲーム好きくらいにしか知られていない存在でした。ブレイクのきっかけは2014年1月から始まったテレビ放送です。

ゲームもアニメもマンガも!
妖怪ウォッチ
↑『妖怪ウォッチ』のクロスメディア展開。それぞれが影響しあい、いずれも大人気です。

 『イナズマイレブン』や『ダンボール戦機』で子供たちのハートをつかんでいたレベルファイブは、ゲームやアニメ、マンガなどのメディアミックスで、またたく間に認知度を上げたのです。

■グッズ品薄で加速するブーム

 さらに、人気に拍車をかけたのが、主人公のケータが身に着けているアイテムを模したなりきりおもちゃ『DX妖怪ウオッチ』と『妖怪メダル』の存在です。特に、妖怪メダルは1個100円と買いやすく、コレクション要素が高いため、大人気となりました。

ちびっこに大人気のグッズ
妖怪ウォッチ
↑なりきりができる『DX妖怪ウォッチ』。この妖怪ウォッチにメダルをセットすると、アニメと同じ音楽が流れ、妖怪の名前を叫びます。

 当時『妖怪メダル』を探し求めて都内のおもちゃ屋を徘徊した際、お店の人が話していた言葉がこの人気が急成長だったことを物語っています。

「こんなにはやると思わなかったから、妖怪ウォッチはあまり仕入れてなかったんですよね。後悔してますよ」

 おもちゃ専門店すら予想外だった妖怪ウォッチのブームは、グッズの品薄によってさらに盛り上がっていきます。

 『DX妖怪ウォッチ』や『妖怪メダル』はネットで高額な価格がつき、ますます手に入りにくいアイテムとして話題になっていきました。本来なら3000~4000円で買える『DX妖怪ウォッチ』は特に人気で、オークションでは1万円以上の価格で落札されることも。

 過熱していく人気に対して、妖怪ウォッチのおもちゃを販売しているバンダイも対応を始めます。5月に行なわれた『日本おもちゃ大賞2014』審査のデモンストレーションでは、2015年3月までに「1億枚のメダルを生産し、いきわたるようにしたい」と発表しました。それでも、出れば即売り切れのフィーバーぶりです。

1億枚の生産決定!
妖怪ウォッチ
↑1億枚とは、日本で1年間に製造される5円玉の数と同じとのこと。

■どうして妖怪ウォッチが子供たちにウケてるの?

 妖怪ウォッチがここまで人気になった理由としては、いくつもの要素があります。

1.キャラクターやストーリーが身近でおもしろい、妖怪も怖くない!

 物語の舞台は学校や公園など現代のリアルな場所。個性がありすぎる妖怪たちと、どこか醒めている現代っ子らしい主人公とのやりとり。そして、これでもかと飛び出すベタベタなギャグや、ボケとツッコミ。妖怪というと『ゲゲゲの鬼太郎』を思い出す人もいるかもしれませんが、大きく違うのは妖怪たちがまったく怖くないこと。みんなどこかユーモラスで、憎めない妖怪ばかりです。

女の子も夢中のかわいい妖怪たち!
妖怪ウォッチ
↑妖怪ウォッチは男の子だけでなく女の子にも人気。特に、イメージキャラクター的存在のネコ妖怪・ジバニャンや狛犬妖怪のコマさんは、グッズにもどんどん登場しています。

2.歌やダンスがノリノリで楽しい!

 アニメのエンディング『ようかい体操第一』は覚えやすい歌と、ラッキィ池田氏の振り付けによるノリノリダンスで、子どもは夢中! ゲームやアニメは知らなくても、このダンスだけ知っている子も多いのです。ハルヒダンスしかり、覚えやすい歌とダンスがうまくハマると最強です。

スマホでも楽しめる『ようかい体操第一』
妖怪ウォッチ
↑ジバニャンのパズルも楽しめる『ようかい体操第一 パズルだニャン』。iOS/Androidでも配信中。

3.何枚でも集めたくなる妖怪メダル!

 主人公ケータが、妖怪と友達になるともらえる『妖怪メダル』。コレがまた大人気。1枚1枚に妖怪たちの絵が描かれていて、アニメではこの妖怪メダルを使って、友達妖怪を呼び出せます。特に、キラキラ光るレアメダルは子供たちのあこがれの的! さらに、DX妖怪ウォッチと組み合わせるだけでなく、裏のQRコードを読み取り、3DSゲームとの連動や、お店にある無料のガチャガチャも遊べるなど、複数の使いかたが楽しめます。

1枚で3役の妖怪メダル
妖怪ウォッチ
↑我が家にある妖怪メダル(の一部)。3DSにガチャガチャにと大活躍です。

■妖怪ウォッチの本当のキモはエグさにあり!?

 でも、実は本当のキモはそこではない気がしています。妖怪ウォッチの本当のおもしろさは「そこまでヤっていいの!?」と、ツッコミ入れたくなるような、バラエティー系ネタにこそあります!

 第1話から主人公がオナラをふきかけられたり、トイレのネタでは最後におしっこを浴びせられたり。仲間だと言い放った直後に平気で見捨ててみたり。「ダサい」、「キモい」なんて言葉はあたりまえ。とにかくスゴく、エグい。他の子ども向けアニメでは絶対ありえないようなシチュエーションが多々登場します。

 はては、ゲームをするために学校を仮病で休みたいという主人公にズル休みの方法を妖怪が伝授したり、刀でカラダを貫かれた妖怪で気持ち良くなり「もっとグリグリ~」と叫んだり。正直、「夜の6時半にこの内容でいいの!? アリなの!?」と、叫びたくなるシーンも少なくありません。

 でも、そんな場面こそ、子供がいちばん笑うシーンだったりするんですよね。「グリグリ~」と大笑いする息子を見て、「ああ、これって大笑いするところなんだ……」と、色々と妄想してしまった自分を恥じたりする母なのです。

■大人もニヤリのエピソード多々

 そんなふうにハラハラしつつも、妖怪ウォッチを見ていると、ついニヤニヤしてしまう自分に気付きます。

なぜって、みんな通ってきた道なんですよね、コレ。夜中にこっそり起きて大人向けテレビをドキドキして観たり、お小遣い使いすぎて欲しいモノを買いそびれたり、学校でトイレに行くのが恥ずかしかったり……。そんな経験、皆さんにもありませんでしたか? いや、きっとあったはず! すっかり記憶の底に埋もれてしまった、そんな甘酸っぱくも懐かしいデジャヴを感じさせてくれる、そんな魅力が子供だけでなく、その親世代である大人をもジワジワと虜にしているのです。

 そんな大人のために、レベルファイブは大人ニヤニヤのツボも多数仕込んでいます。突如、主人公が『ガラスの仮面』ふうの絵柄になり、「○○、おそろしい子……」(有名な『ガラスの仮面』のセリフ)と言ったりと、“20禁”、“30禁”、“40禁”あたりのネタも惜しげなく投入しています。レベルファイブ、おそろしい子……。

物欲が止まらないのは妖怪のせい!?
妖怪ウォッチ
↑我が家のグッズ(の一部)。「買いすぎなのは、妖怪のせいじゃないかしら?」とか言っておきますよ。
キャラ弁をつくるママも多数!
妖怪ウォッチ
↑ヨシダ記者の娘さん(5歳)も大ファンだとか。遠足の日はキャラ弁を作ったそうです。

 というわけで、まずは一度見て、ニヤニヤを共有してみるのがオススメです。適当に有名なキャラクターの名前だけ憶えて、「ああ、ジバニャンでしょ、知ってるよ~」なんて、うっかり子供に言おうものなら、「ジバニャンしってるの? じゃロボニャンは? ブシニャンは? ダイヤニャンとかルビニャンとかいるのしってる? こんど、えいがやるけど、フユニャンっていうのがでてきてねー(以下略」と、興奮したエンドレスマシンガントークを浴びせられることでしょう。

 そんな妖怪ウォッチの魅力に、あなたもぜひ取り憑かれてみてください!

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