PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』のゲームレビュー連載、第20回目は恐ろしい実験が行なわれている精神病院に潜入したばっかりに怖い目に遭う3Dホラーゲーム『Outlast』を紹介する。PS4で発売予定の作品だが、PCならひと足先にプレイできるぞ。
『Outlast』
●Red Barrels
●Steam販売ページ(関連サイト)
Outlastは、フリージャーナリストの主人公、マイルス・アップシャーが、グローバル企業『マーコッフコーポレーション』が謎の実験を行なっているという『マウントマッシブ精神病院』に、その秘密を暴きに潜入するというストーリーの3Dホラーゲームだ。
ゲームは日本語に対応しており、難易度は“ノーマル”、“ハード”、“悪夢”、“クレイジー?!”の4種類から選べるようになっている。
なお、あらかじめお伝えしておくと“暴力、殺人、性的な描写や乱暴な言葉などが含まれている”ので、そういうのが苦手な方はブラウザーの戻るボタンを押して平和な週アスPLUSに戻ってしまおう。
この記事ではそういう暴力的シーンをメインに紹介するつもりはないが、記事を読んでゲームに興味をもってくれたとしても、苦手な人には苦痛なプレイになってしまうことだろう。
エログロホラー大好きな人だけ続きをスクロールだ!
■ よせばいいのに精神病院に潜入
Outlastは、マイルスが車を運転してマウントマッシブ精神病院に到着したところから始まる。
持って行けるアイテムは書類を挟むファイル用具とビデオカメラ、それにバッテリーとなる単三電池数本だ。
「そんな装備で大丈夫か?」と聞きたくなるし、もちろん大丈夫じゃない。
とりあえず匿名の人物から届いたメールをもとに、この精神病院で行なわれているという“恐ろしいこと”を探りに行こう。
なお、ゲームはビデオカメラを通じたPOV(Point of View Shot)視点がメインとなる。ちょっと前にホラー映画で流行したビデオカメラからの視点ってヤツである。
もちろんホラーと言えば暗闇のため、赤外線を利用した暗視機能も用意されている。
もう悪い予感しかしないな!
視点はビデオカメラを通さない通常のFPS視点もあるが、カメラ越しだとマイルスがまれにゲームのヒントになりそうなメモを取り出すため、基本的には付けっぱなしでプレイしよう。
というか、POVとFPSで見え方にほぼ変わりはないので常にビデオカメラ視点で問題ない。
ゲーム序盤は操作のチュートリアルも兼ねているので、プレイしながらゆっくりと操作方法を覚えていこう。
さあこの開いている窓から恐怖の病院潜入ミッションの始まりである。
こうして、マイルスは長い長い恐怖の夜を過ごすことになるのであった……。
■ 暗闇と血みどろの世界にいらっしゃい
病院に潜入すると、お約束のように部屋の電球が切れてしまう。真っ暗で何も見えなくなるので焦るが、落ち着いてビデオカメラの暗視機能をオンにしよう。
部屋を抜けるとそこは明るい世界だ。
あの、なんか床に赤いシミがあるんですけど……。
ちょっとビビりながらも空き部屋を探索していると、医師が書いたとみられる書類を発見した。
この病院では“ウォルライダー計画”なる謎の実験を行なっていたようだ。一体どんな実験なのだろうか。
■ 死体が出てきてからが本番です
床や壁にいくつもの血のシミが広がっており、ちょっと怖いなと思いながらも先へ進んでいくと、再び真っ暗な世界が襲ってくる。
怖々と暗視機能をつけると……、あの、なんか見えるんですけど?
どうみても死体です。本当にありがとうございました。
長い間閉鎖され、数年前に密かに再開されただけなのに新鮮な死体がこんにちはである。マイルスおうちかえる。
死体はひとつだけではなく、いくつもの宙吊り死体や惨殺死体がお出迎えしてくれる。
なお、このあととある強制イベントによりマイルスは精神病院の内部に落ちてしまう。
あーあ、これでもう帰れない。
■ 実験された患者がお出迎え
「殺人鬼がうろついている病院で取材なんかできるか!俺は自分の家に帰るぞ!」とわめきたくなるが、ホラーゲームなのでもちろん帰りたくなってからが本番だ。
そう、帰してくれるわけがない。いつの間にか潜入ホラーが脱出ホラーになっていた。
病院の内部には生きている患者も多数おり、役に立つのか立たないのか分からない謎の助言を主人公に吹き込んでくる。
なかには完全に壊れてしまっている人たちもいて、砂嵐が表示されているテレビ画面をじっと見続けていたりする。
こんな場所なので意識があちらの世界に行ったままのほうが良いのかもしれないけど、とりあえず、その、テレビ画面にも血がついてますよ?
■ ガンジーもビックリの100%無抵抗主義主人公
そんなわけで脱出のためマイルスは病院の内部を探索することになるのだが、今度はナチュラルに患者が襲ってくる。
主人公が恐ろしい何かに見えるのか、それとも内部に潜入してきた異物を排除したいのか、理由は分からないが多くの患者が襲いかかってくる。
それに対して主人公が取れる手段は、ガンジーもビックリのノーガード戦法だ。似たような逃げる系の脱出ホラー『クロックタワー※』と違って緊急回避的な攻撃もできず、ひたすら隠れられる場所に逃げ込んでやり過ごすだけである。
ロッカーのなかに入って隠れていると、隣のロッカーを開けられたりして超ドキドキだ。
まあ入ってるロッカーを開けられることもあるんだけどね!
ちなみにこのあと鉄パイプでボコボコにされてあの世に行きました。
※1995年9月に発売されたホラーアドベンチャーゲーム。大きなハサミを持った殺人鬼シザーマンから逃げながら、恐怖の館からの脱出を目指す。「シャキーン、シャキーン」とハサミを切る音や、どこからでも飛び出してくるシザーマンはいまでもトラウマモノである。
■ “暗視機能×逃げる”でホラー映画の雰囲気バツグン!
先へ進むとビデオカメラの暗視機能に視界を頼るシーンがいくつも登場し、暗闇でプレイヤーの恐怖をあおってくる。
とにかく主人公がガンジー並みに手を出さないので、やれることは逃げの一手である。ベッドの下に隠れ、凶器を持った患者が気付かず立ち去ってくれることを祈ろう。
「遊ぼう」とか言ってるけど、確実のその棒で頭殴って殺しにかかってくるからなこいつ!
まあ隠れていればけっこう平気なのだけど、もうひとつ問題がある。ビデオカメラのバッテリーだ。
暗視機能はとてもバッテリーを喰うため、ずっと隠れているわけにもいかない。減り続けるバッテリーの残量を気にしながらマップを移動し、ところどころに落ちている単三電池(バッテリー)を補給しよう。
患者に捕まるか、バッテリーがなくなって闇に閉じこめられるか。殺される恐怖と暗闇の恐怖、ふたつの恐怖がプレイヤーを襲ってくるぞ。
■ 精神病院の雰囲気が怖い
あと、当たり前だが舞台となる精神病院の雰囲気が怖い。恐ろしい実験でそうなってしまったのだろうか、マップの各所で自傷行為を繰り返す患者がいる。
襲ってこないのでプレイヤーの身は安全なのだが、大ケガをしていようが目の前に死体があろうが、気にすることなく自分のやりたいことをやってるので逆にそれが怖いのだ。
かと思えばこちらには手を出してこないがほかの患者を殺す危ない患者もいて、真後ろから襲いかかってくるんじゃないかとビクビクさせられる。
ゲームクリアまでの時間は5~7時間と短いが、正直言って1時間もプレイすると精神が疲れてしまうので刻みプレイで1週間は遊べそうな作品だ。
『Outlast』
●Red Barrels
●19.99ドル(2013年9月4日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル アクション、アドベンチャー、独立系開発会社
●著者
篠原 修司
Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
個人ブログ:デジタルマガジン
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