こんばんは、MacPeopleの吉田でございます。1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。今回からはこれまで取り上げてこなかったノート型マシンを紹介します。
ノート型マシンとして17回目に紹介するのは、MacBookシリーズです。搭載するCPUがPowerPCシリーズからCoreシリーズに変わったタイミングで、iBook/PowerBookという名前は姿を消し、MacBook/MacBook Proシリーズが登場しました。最初にCoreシリーズのCPUを搭載したのは、PowerBook G4の後継であるMacBook Proシリーズでした。
MacBookシリーズは、MacBook Proシリーズに遅れること4カ月後の2006年5月に登場しました。衝撃だったのは、漆黒のツヤ消しブラックのモデルがラインアップされたこと。ツヤ消しなので人によっては手の脂がついて汚れが目立つこともありましたが、エントリー/ローエンドモデルといってもお値段は20万近くしましたが、異色を放つ高級感でしたね。
後期にはポリカーボネートユニボディーのMacBookも登場しましたね。いまでもディスコンになったのが惜しまれるデザインでした。現在、ProやAirがつかないMacBookというモデルは存在しませんが、個人的にはこのユニボディーでツヤ消しブラックのモデルが登場してほしいところです。
MacBookシリーズ
(Original/Late 2006/Mid 2007/Late 2007/Early 2008/Late 2008/Aluminum/Late 2008/Early 2009/Mid 2009/Late 2009/Mid 2010)
Macが米インテル社製CPUに全面的にスイッチしたことにより、iBookはMacBookとして生まれ変わった。プロ向けのPowerBookに対してiBookがカバーしていたコンシューマー向けの領域を引き継いだが、最終的にはMacBook Proに吸収された。
初期MacBookのブラックモデル。アルミ製のMacBookの登場と入れ替えにラインアップから姿を消したが、ポリカーボネート製ながらツヤ消しブラックの本体色には高級感が漂っていた |
ポリカーボネート製iBookを継承
MacBookは、ポリカーボネート製の白いボディーで2006年5月に登場した。中身はインテルCPUに合わせて設計し直された。iBookには12/14インチの2タイプあったが、MacBookは13.3インチの1種類のみとなった。
解像度は1280×800ドットで、縦横比は先行していたMacBook Proとともに16対10に統一された。モニターサイズの変更に伴い、ボディーサイズの縦横比も変わった。12インチモデルのiBookの横幅は284mmだったが、41mm大きくなり325mmになった。奥行きは231mmから227mmへ、逆に4mm小さい。この結果、iBookよりもかなり横長という印象が強いマシンになった。厚みはiBookの34mmから27.5mmへと6.5mmも薄くなり、カバンの中でもかさばりにくくなった半面、重量はiBookの2.2kgから2.4kgと重くなった。
iBookからの機能面での増強として、MacBook全モデルにiSightカメラが内蔵されたことも挙げられる。モニターの上部のベゼルの中央に埋め込まれていて、解像度は640×480ドットだった。このカメラは、iMovie/iChat/Photo BoothといったOS Xの付属アプリケーションで利用可能となっていた。いまとなってはその存在を忘れがちだが、このポリカーボネート製のMacBookには、白だけでなく黒いバージョンも用意されていた。白いモデル同様にポリカーボネート自体が着色されており、ツヤは控えめでシックな印象のモデルだった。この黒いMacBookは、2008年にアルミニウム製ユニボディーのMacBookの登場を機に姿を消した。
初期MacBookのホワイトモデル。iBookのカラーリングとボディーデザインを引き継ぐかたちで登場した |
アルミニウム製ユニボディーでも登場
2008年10月にMacBook Proのデザインが一新され、1ブロックのアルミニウムの塊から削り出して製造する「ユニボディー」となった。このタイミングに合わせて、コンシューマー向けのMacBookにもアルミ製ユニボディーを採用した13.3インチモデルが登場した。CPUに、2.0/2.4GHzのCore 2 Duoを採用した2種類のモデルがあった。外観からはProと区別しにくくなったこのモデルでも、独立したGPUは採用していなかった。
チップセット内蔵のGPUとして、ポリカーボネート製のMacBookよりも1世代早く「GeForce9400M」を採用している。このモデルが「Pro」と名乗らない、あるいは名乗れない理由は、そこにあったと考えられた。このモデルの評判がいまひとつ優れなかった要因としては、ポリカーボネート製MacBookに備わっていたFireWire 400ポートを省いたことが挙げられる。ProのようなFireWire 800ポートもなく、MacBookの用途を狭めることになってしまった。
MacBookとしては、このモデルからマルチタッチのトラックパッドを装備した。パッド手前からは独立したボタンがなくなり、広くなったトラックパッドの面全体がボタンとしても機能する現在のスタイルと同じになった。このアルミ製ユニボディーのMacBookが厳密には一代限りで終了し、2009年6月以降はFireWire 800ポートを搭載し、MacBook Proに昇格した。ただし、GPUはチップセット内蔵のままだった。
一代限りとなったアルミ製のMacBook。このあとはMacBook Proシリーズに移行した |
ポリカーボネート製もユニボディーヘ進化
2009年10月には、ポリカーボネート製ユニボディーを採用したMacBookも登場した。モデルは1種類に統合され、CPUは2.26GHzのCore 2 Duoを採用していた。チップセット内蔵のGPUは、アルミ製ユニボディーのMacBookと同じ「GeForce 9400M」だった。液晶のサイズは13.3インチ、解像度は1280×800ドットと、スペックはMacBookの登場以来変わっていない。ただし、ユニボディーのMacBookは、アルミ製と同様、液晶のバックライトが従来のELからLEDに変更されていた。
サイズは、従来のポリカーボネート製モデルに比べて幅は330mm、奥行きは232mmと、ひとまわり大きくなった。なお、厚みは27.5mmと0.1mm厚くなっただけだった。2010年5月に発売されたモデルを最後に、名前の後ろに何も付かない「MacBook」というモデルは姿を消すことになる。最終モデルのCPUスペックは、Core 2 Duoの2.4GHzで、現在ラインアップに唯一残っている光学式ドライブを内蔵した13.3インチで非RetinaのMacBook Pro(Core 2 Duo 2.5GHz)と、性能は大きく変わらない。
ユニボディーとなったポリカーボネート製のMacBook。10万円を切る価格ながら高い性能を誇った |
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さて、好評発売中のMacPeople 4月号では、Macintosh30周年特集第2弾として、Macintosh PortableやPowerBookなど歴代ノート型Macをたっぷり紹介しています。そのほか、2014年知っておきたい最新テクノロジー解説、Googleサービス使いこなし術、MacやiPhone/iOSのトラブル解決技など、じっくり楽しんでいただけること間違いなしです。
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また、MacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!
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