iOS 7以降に搭載のiBeacon機能に対応する装置“Beacon”。
アプリックスが新規開発した極薄フィルム型Beaconを、東京ビックサイトで3月7日まで開催中の『リテールテックJAPAN』にて直撃しました。
■極薄フィルム型Beacon
厚さは基盤のある最厚部が0.8ミリ、多くの部分が0.2ミリという、まさしく紙の薄さです。
本体の右側の白いシートのような部分が電池です。電池も極薄フィルム型Beaconのためにつくられ、こちらも紙のように極薄。写真では電池が2個つなげられた状態になっており、1個でBeaconのもちは1週間~10日ほど。2個、3個とつなぐことで2週間~20日、3週間~30日と使用期間によって調整したり、継ぎ足すことが可能です。
ポスターの裏側に張り付けられた様子です。実際見てみてもBeaconが厚みを感じさせないので、ポスターに装置が着けられているのがわかりにくいほどでした。
ポスターに近づいたスマホにプッシュで商品の情報通知などを可能にします。
極薄フィルム型Beaconが駆動する期間は電池1個で1週間~10日ほどと短期間ではありますが、一般的にポスターや中吊り広告が差し替わるタイミングは1、2週間なので、その期間のみBeaconを使用すると考えるとちょうど良いです。Beacon自体は情報を蓄積せず電池がなくなったら紙のように戻るので、処分も比較的容易そうです。
■ポスターからスマホに非接触で情報通知という新しいO2O
ポスターや中吊りから情報をプッシュ通知するという、例のない広告が極薄フィルム型Beaconを用いてできるようになります。
また、例えば商業施設内のポスターに複数Beaconを貼ることで、お客さんの進行方向を検知して、入店したときに「いらっしゃいませ」、退転間際に「ありがとうございました」など、シチュエーションに応じたメッセージを送ることも可能で、効果的なO2Oにつながります。
対応端末にアプリをダウンロードしていれば、ユーザーがアクションせずともプッシュ通知を送れるのがBeaconの強みです。
紙に貼れる極薄フィルム型Beaconの登場によって、書籍そのものや靴など生活用品にBeaconを貼ったりすることもできます。Beaconの使い方はO2O目的が多いですが、例えばKDDIが会議室予約システムにBeaconモジュールを採用しているように、工夫次第で無限の用途ができそうです。
■既に利用されているアプリックスのBeacon
アプリックスでは新開発の極薄フィルム型Beaconのほか、乾電池やコイン電池対応のBeacon、USB給電タイプのものや、防塵、防水タイプのBeaconまで既に開発しており、既に店舗で導入されてる例もあります。
こちらは乾電池使用のBeaconで、10年近く連続で利用することもできます。渋谷パルコなど数店舗で利用できるアプリ『tab』の“足あと”サービスなどには、このようなアプリックスのBeaconが使用されています。
箱の中にはモジュールや電池が内蔵されています。
Beaconにスマホが近づくと、クーポンのポップアップなど情報が通知がされます。情報が通知される距離はBeaconで設定できますが、だいたい20メートルくらいの範囲が圏内になります。
こちらはボタン型電池を利用したタグ型Beacon。
小型でタグの形状をしているので、衣服のハンガーなどに括り付けることが可能です。
スマホを近づけると、衣服のカラーバリエーションなどを詳細な情報が通知されます。
アプリックス以外にも日本写真印刷などを筆頭にして、日本でもBeaconシステムの開発は進んできています。Beaconを導入する店舗は今年いっきに増えると思われます。今後、さまざまな形状のBeaconをいたるところで見かけることになるかもしれません。
●関連サイト
アプリックス
リテールテックJAPAN
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