先週から始まったPCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』のゲームレビュー連載、第2回目はみんな大好きゾンビゲーム『Project Zomboid』を紹介したい。「もしも世界にゾンビが現れたら……」という素晴らしい世界を体験できるゲームだぞ。
『Project Zomboid』
●Indie Stone Studios
●Steam販売ページ(関連サイト)
Project Zomboidは、自分以外の人間がゾンビになった世界で何日生き延びられるかを競うサバイバルシミュレーターだ。“プレイヤーの死”だけがこのゲームをクリアさせてくれる。
つまり死ななければずーーーっと遊べるのだが、だいたい死ぬ。とりあえず死ぬ。そもそもゲームシステムがプレイヤーを生かそうと設計されていない。ゲーム序盤からゾンビが全力で殺しにかかってくるのだ。
■ゾンビもビックリの素手スタート
ゾンビゲーといえば銃だ。火炎放射器だ。汚物は消毒されるべきである。しかし、Project Zomboidはそんな爽快ヒャッハーゲーじゃない。もちろん武器としての銃は存在するが、最初は素手スタートである。素手でゾンビに勝てるわけがない。
ゾンビの世界に産まれたらまずは部屋の探索から始めよう。しかし、これまた部屋に武器があるとは限らない。銃はまずないと思っていい。オススメの武器は斧だが、これもまずない。序盤は野球のバットが心の強敵(とも)だ。
もちろんバットもないことがある。というか最初の家にあったら神に感謝しよう。終末世界だけど。しかし、バットがなければフライパンで戦えばいいのである。あれは良い鈍器だ。包丁やペンなどの刺突武器もあるが、撲殺のほうが距離を取れるので安全だ。
何しろここはゾンビの世界。不用意にゾンビに近づいた結果のちょっとしたキズが命取りになる。本当にすぐ死ぬぞ!
■家をあさって物資を手に入れよう!
武器を手に入れたら、もしくは武器を探すためにほかの家にも行ってあさt……もとい探索してみよう。ドアはだいたい鍵がかかっているので、窓をこじ開けて中に入るのがこの世界のグローバルスタンダードだ。
めんどくさいときは武器で窓ガラスをパリーンと破って侵入しても良いが、音でゾンビを引きよせてしまう。振り向いたら割った窓から次々とゾンビが入ってきてた、なんてこともあるから慎重に行動しよう。
家の中の戸棚やクローゼットからは、武器はもちろん、生きるために必要な食料、薬、包帯やロープになるシーツ、大工道具、着替え、暇つぶしのための本などなど、さまざまな物資が手に入る。
ゲーム序盤はこれらのアイテムを拠点となる家に溜め込んでいこう。どうせ“自分以外に使う人間”はいないのだ。なお、バッグを見つけたら装備しておこう。より多くのアイテムを持ち運べるようになるぞ。ゾンビが集まってこないうちに、素早く多くの物を持ち去ろう。
■できるかぎりゾンビと戦うな!
武器が手に入り、アイテムもたまってくると心に余裕が出てくる。「どれ、ちょっとゾンビでも倒してやるか」という気分にもなる。だが、それはただの死亡フラグである。戦わないですむならそれにこしたことはない。
そもそもゾンビは強い。ゾンビを一撃で倒せることはまれで、大抵は2~3発必要だ。それでも1体のゾンビならそうでもないが、2、3体いるとあっという間に囲まれてしまう。ヒット&アウェイ戦法も使えない。スタミナがもたないのだ。武器を振り回して疲れ、走って息切れし、最後には捕まってゾンビの仲間入りである。
また、戦闘に夢中になって後ろから近づいてくるほかのゾンビに気がつかないこともある。Project Zomboidのカメラシステムは、プレイヤーのキャラが向いている方向しか表示されない。振り向けばそこにゾンビ、というドッキリはゾンビ映画ではお約束である。
■銃を使えば死ぬ……自分が
続いて「銃で戦えばいい」も死亡フラグだ。Project Zomboidには、ピストルとショットガンという2つの銃器が存在する。どちらも1発でゾンビを昇天させられる強力な武器だが、これを使うと自分が死ぬことになる。なぜなら、音が新たなゾンビを呼び寄せることになるからだ。
ゲーム序盤で、かつピストルならまあそうでもない。ヒャッハーして辺りのゾンビを一掃することぐらいはできる。しかし、中盤以降はゾンビが増殖しすぎて手が付けられなくなる。ショットガンで撃ち殺すゾンビの数と、その音に引き寄せられるゾンビの数、一体どちらが多いのか。正解はショットガンの弾数がイチバン少ない、だ。
銃はもうどうしようもなくなって自殺するしかないときに使おう。最期に大暴れすると気持ち良いぞ。
■食べ物と水の摂取は忘れずに
そしてゾンビの世界で忘れてはいけないのが食料と水だ。食料はほかの家から集めよう。水は家の水道からいくらでも出てくる。定期的にのどが渇くので水分の摂取はこまめに行なおう。オーブンのある家もあるため、集めた材料を焼いて食べたり、数種類使って美味しいスープをつくったりもできる。
こう書くと「けっこう生きられそうだな」と思うだろうが、そんなことをゾンビが許してくれるわけがない。じつは、ゲームはある程度の日数が経つと電気が止まる。つまり冷蔵庫に溜め込んだ食材が全て腐る。調理すれば食べられないわけではないが、次の日には食あたりで死んだゾンビになっている。
電気の次は水道が止まる。水がなくては人間は生きられない。つまり、そうなる前に水を溜め込んでおかなければいけない。プレイヤーは電気も水もない世界でサバイバルするのだ。
■セーフゾーンをつくり、自給自足しよう!
このままだと単なる家捜しゲーだが、斧とノコギリを手に入れてからゲームはガラリと変わる。じつは斧を使えば木を切って丸太を手に入れることができ、ノコギリがあればそれを木材にできるのだ。
木材と釘とハンマーがあれば木の壁やドアをクラフトでき、その壁ですき間を埋めればセーフゾーンをつくれるようになる。
セーフゾーン内でクラフトしたタルに雨水を溜め、地面を耕して植物を栽培すればゾンビ島0円生活が送れるというわけだ。
ここまでくるとあとはひきこもって生き延びるだけだが、ここまでもってくるのが難しい。それに、ゲーム内容は今後のアップデートで大きく変わるだろう。と言うのも、Project Zomboidはまだ早期アクセスのα版なのだ。しかし、現状で十分遊べるうえ、今後はNPCや待望のマルチプレイヤーモードの実装も予定されているから大いに期待できる。ゾンビ好きはぜひとも本作を買って開発費を貢いで欲しい。Steamで販売される前から遊んでいるが死にまくりで楽しいぞ!
『Project Zomboid』
●Indie Stone Studios
●14.99ドル(2013年11月8日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、Mac、Linux
ジャンル 早期アクセス、独立系開発会社、RPG、シミュレーション
●著者
篠原 修司
Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
個人ブログ:デジタルマガジン
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