2013 Samsung SSD Global Summitで登場した『840 EVO』の価格と新技術が発表になりました。ソフトウェアなどのみが付属する、もっとも売れ筋であろうBasicモデルの250GBで、189.99ドル(1万9000円前後)。日本で発売される場合は多少上乗せされる可能性がありますが、価格的な魅力は十分にありそうです。
120GB | 250GB | 500GB | 750GB | 1TB | |
Basic Model | 109.99ドル | 189.99ドル | 369.99ドル | 529.99ドル | 649.99ドル |
Laptop Kit | ー | 199.99ドル | 379.99ドル | ー | ー |
Desktop Kit | 124.99ドル | 204.99ドル | ー | ー | ー |
なお、Basic Modelは専用ソフトウェアが付属するのみで、Laptop Kitはデータ移行用のUSB3.0ケーブルやマウント用スペーサー、Desktop KitはUSB2.0ケーブルやマウンター、SATAケーブルなどが付属します。
●840から“進化”したところは?
既報どおり、840から特に書き込み速度が向上しており、プレゼンテーションでより詳しく解説していたのでその様子をお伝えしたいと思います。まずは、ハードウェア面での進化として、840では21nmプロセスだったNANDフラッシュメモリーが19nmプロセスになったこと。スライド上では“1x”となっていますが、後の質疑応答で明らかになりました。そしてコントローラーが400MHz動作にアップ、最大1GBのDRAMキャッシュメモリーのサポート、アルゴリズムの改善ということが上げられています。
●書き込みを高速化する技術”TurboWrite Technology“
250GBモデルの場合、ランダム書き込み(QD1=4K)で840の7900IOPSから1万IOPSに、順次書き込みで毎秒250MBから520MBに向上している。これらの書き込み速度を向上した技術として重要なのが“TurboWrite Technology”。そもそもSLCは0と1という信号だけ処理をすればいいため高速だが、MLCは演算が多く発生するので遅くなる性質をもつ。そこで、例えば1TBの840 EVOの場合、3bit MLCで36GBぶんのバッファーを、仮想的にSLCとして扱い(12GBとなる)バッファーを高速化している。120GBでは3GBバッファーとなるが、これは「普段の作業を十分にカバーできる容量となっている」とのこと。120GBモデルでTurboWrite Technologyのオン/オフを試したところ、毎秒140MBが410MBと約3倍になっていました。
そのほか、全モデルから搭載している基板上の温度センサーを活用して、動作保証温度の70度を上回ると自動的に速度を下げて故障を防ぐ機能も追加されていた。
●専用ソフトで爆速化!?
サムスン製SSDは専用ユーティリティーソフトの豊富さも特長。ユーザーにとってはいかに簡単に導入できるかが重要だと考えており、3つのソフトが付属している。導入手順を図入りでわかりやすく伝える『Installation Navigation』、新たにクローン作成時にユーザーがデータの移行先などを任意にカスタムできるオプションが追加された移行ソフト『Data Migration 2.0』、そして注目がステータスやファームウェアなどの管理ソフトの『Samsung Magician』だ。新バージョンでは、高速化機能『RAPID Mode』が利用できる。
会場では実際にデモが行なわれ、その結果が上の写真。右がRAPID Mode有効時で、順次書き込み、ランダム読み込み(512KB)がなんと1000MBを超えているほか、ランダム4Kの値も大きく向上している。
RAPID Modeでは“Read Acceleration Technology”と“Write Optimization Technology”という技術を用いて高速化している。前者はアクセス頻度の高いデータ(Hot Data)をメインメモリーのDRAMに保存して素早く呼び出せるようにしたり、しばしば読み出すデータも管理する。再起動後も頻繁にアクセスするデータは保持しているという。後者は詳しくは不明だが、SSDの特性ごとに最適化して特にランダム4K書き込みが高速化されているようだ。
冒頭でお伝えしたとおり、価格面では旧840の発売時と同等の価格なので、自作PC派にもノートPC換装目的にも楽しみな存在になってくれそうだ。
(7月19日訂正)SSDの容量に誤りがありました。240GBではなく正しくは250GBです。関係者並びに読者の方にお詫びして訂正いたします。
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