週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

iTunes Storeで週末に観たい映画「トム・クルーズ」編|Mac

2013年05月11日 20時00分更新

 今週のテーマは「トム・クルーズ」。初の人物縛りのテーマです。トム・クルーズの最新作である「オブリビオン」(外部サイト)は、国内で5月31日に公開されますので、その前に過去の主演作品をチェックしておきましょう。代表作である「ミッション・インポッシブル」以外をチョイスした編集者は一体何人いるのでしょうか。

コラテラル
itm11

 マイケル・マンていう映画監督がいるんですけど、知ってます? 今じゃけっこうな大御所で、ベネチア国際映画祭の審査委員長も務めている人なんですけど、僕ね、この人が撮る映画が好きなんです。絵づくりに対する執念がハンパない。でも、うまく表現できませんけど、すごく完成度の高いものをつくっているのに、どこかちょっとだけ壊れている感がある。そこを含めて僕は好きなんですが、万人向けではないかもしれませんね。どこか北野武監督に通じるものがあると僕は思うんですが、どうでしょうか? 全国のマイケル・マン好きの皆さん。

 さて、本作はそのマイケル・マンがトム・クルーズを主演にして撮った作品です。しかもトム・クルーズが悪役を演じるというのだから、当時はかなり期待して見たのを覚えています。もう9年も前なのかあ。

 コラテラルというのは「巻き添え」の意味です。トム・クルーズ演じる凄腕の殺し屋ヴィンセントが、依頼された「仕事」をこなしていくわけですが、その巻き添えを食うのが、ヴィンセントを客として乗せたタクシードライバーのマックスです。ジェイミー・フォックス演じるマックスが、本作のもう一人の主人公。ヴィンセントとマックスの二人が、偶然の出会いを契機に少しずつ変わっていき、ついにはお互いが相手の命運を左右する存在へと変化していきます。いわゆる化学反応ってやつです。序盤はジリジリとした小規模な反応だったのが、あるポイントから爆発的な相互作用へと転化していく。その過程が実にスリリングです。  二人の男の化学反応を描いた映画といえば、同じマイケル・マン監督の「ヒート」(1995)があります。こちらは僕の映画鑑賞史上トップ3に入る作品で、これについては1万字の論文を書けるくらい語りたいことがあります。「コラテラル」と併せて「ヒート」もプッシュしようかと思ったらiTunes Storeに入ってないでやんの。マジ興醒め。まあいいです。TSUTAYAとかHuluで探して見てください。

 閑話休題。「ヒート」は、強盗犯と刑事という真逆の立場の二人が、実は精神面では非常に似通っていたという話です。一方「コラテラル」も、殺し屋とタクシードライバーという、まったく異なる人生を生きる二人が、相手に対してどこか自分と同じ臭いをかぎ取ります。

 自分の分身とも言える相手との対決。つまりこの2作品は、「自分との対決」を描いた映画なんですね。自分が生き残るためにもう一人の自分と闘わねばならないという葛藤。たまらんです。

 トム・クルーズの演技もよいです。あの100万ドルのスマイルは封印。ギラついた目つきで、白髪交じりの短髪に無精ヒゲ、グレーのスーツという出で立ちがカッコいい。冷徹な殺し屋というシリアスな役どころを、予想以上にうまく演じています。この人は役者としては本当に素晴らしい。「ヒート」がロバート・デニーロを最高にかっこよく撮った映画とすれば、本作は史上最もかっこいいトム・クルーズを描いた作品です。かっこいいオッサンを見たいなら、ヒリつく緊張感を味わいたいなら、絶対に見るべき1本です(諸富)。

ロック・オブ・エイジズ
itm11

 「ミッション:インポッシブル」のようなハンサムでアクションもかっこいいトム・クルーズとはちょっと違った一面が楽しめる本作。酒や女にだらしないカリスマロックスター、ステイシーを演じ、Guns N' Rosesのメンバーに指導を受けたという熱唱姿まで見られてしまいます。

 シンガーという夢を追いかけてロサンゼルスにやってきたドリューとシェリー。2人は憧れのライブハウス「バーボンルーム」で働き、互いに惹かれ合いながら夢を追いかけます。一方、かつては失神者を出すほど人気だったバンド「アーセナル」のフロントマンだったステイシーはいまや酒と女におぼれる日々。そんなある日、ライブをしにバーボンルームにやってきたステイシーに声をかけられたドリューは有頂天になり、その姿をシェリーが見てしまい……。というストーリーです。

 全編を通して’80年代の名曲を使ったミュージカル仕立てで、ロックにダンスにと、まるでライブやコンサートを見ているようです。基本的には若い2人の純愛もあり夢を追うけなげさもありの正統派青春ストーリーなのですが、そこに大人の男たちのバカさやエロさも加わり、何も考えずにあっという間に2時間が過ぎてしまいました。

 楽曲は、Guns N' RosesやBON JOVI、Def Lepardといった’80年代を代表するロックナンバーが使われており、その頃の音楽が好きな人ならニヤニヤしながらさらに楽しめるはず。私はわかりませんでしたが、著名なミュージシャンも多数カメオ出演しているようなので、音楽を楽しみながらもじっくり見てみてくださいね!(藤村

———————————————————————————————

 トム・クルーズは出てきますが、いちおう主役ではないです。ミュージカル映画だからなのか、ストーリーはものすごく陳腐です。田舎から出てきた女子がライブハウスで働く若者に恋をして誤解から破局して、また戻るという感じです。彼氏も悪徳マネジャーにつかまって、売れるために不本意な曲やパフォーマンスを強要されるというありがちな展開です。

 とはいえ30代後半や、40代の読者なら、最初からテンション上がりまくりです。オープンニング曲はガンズの「Paradise City」。最初からストーリーなんでどうでもいいです。調べてみたら、これもトム・クルーズが歌ってるんですね。

 トム・クルーズは、主演の二人の憧れのロックスターという役どころなんですが、振る舞いといい体型といい見事に再現してます。しかも歌うんですよ。BONJOVIの「Wanted Dead or Alive」をトムが歌い始めたときには、無意識にソファーから立ち上がってしまいました。ちなみにBONJOVIの曲はこれだけ。誰でも間違いなく盛り上がれる「Livin' on a Prayer」は使われていませんでした。サントラ版もあるのでそっちを聞いてみるのも楽しいです。ベタな選曲なので、洋楽をあまり聴かない人でも聞いたことある曲ばかりです。
 
 しかし、女性の胸をわしづかみにしているときも、ディープキスで舌をからめまくっているときも、女性の服を脱がしているときも、トム・クルーズは絵になりますね。エロさより、カッコよさが勝ちます。あと、ミュージカル映画なので主要な出演者はみんな歌うんですが、こいつは歌わねぇーだろうなぁという人物も歌っていたのが笑えました。

 さらに、LAの市長夫人役で登場するキャサリン・ゼタ=ジョーンの演技も圧巻です。パット・ペネターの「Hit Me with Your Best Shot」を歌いながら踊るんですが、もうなんだかハジけまくりです。

 最近、いまひとつ元気が出ない方は、必ず観ることをお勧めします(吉田)。

ロック・オブ・エイジズ(字幕版)」をiTunes Storeで見る
(HD版レンタル:500円、SD版レンタル:400円)

アイズ ワイド シャット
itm12

  iTunesにあるトム・クルーズ出演作品の中で、スタンリー・キューブリックの遺作ということだったので選んでみました。iTunesの説明は抽象的でストーリーがよくわかりませんが、そこまでではないにしても確かにやや不思議な作品です。トム・クルーズ出演作だと、最近はミッション:インポッシブルをよく見ていたので、新鮮な感じ。R18なのは裸がいっぱい出てくるからですが、きれいな感じで過激じゃないです。

 医師のビルは、愛する妻のアリス(ニコール・キッドマン)から、以前、旅行先のホテルで目が合っただけの海軍士官に欲望を抱いたと告白され、その想像が頭から離れない。そんなとき、友人のピアニストからある屋敷で仮面を付けて行われる不思議な乱交パーティーの話を聞き、興味本位で侵入するのだが……。といった感じの話です。

 何か大きな事件とその結論みたいなものはないです。おそらくテーマは夫婦の心の動き。「夫婦の愛と性」と書いてあるサイトがあったのでそんな感じです。他人事ですけど、何かとらえにくい作品なんです。

 普通にアメリカの街中や家や病院なのに、どこか映像に不思議な感じがあり、それが音楽のせいなのか、撮影技法なのか、考えてみたけど詳しくないのでよくわかりませんでした。

 全体的にユーモアはほぼゼロで、奇妙な感じに包まれるんですが、最後の最後のセリフでニヤッとさせられました。爽快感はないですが、こんな映画を観る夜もあっていい気がします(山口 

アイズ ワイド シャット」をiTunes Storeで見る
(HD版レンタル:400円、SD版レンタル:300円)

M:I-2
itm11

 どれだけ出演作を観たかと調べてみたら、約半分の20作しか観ていませんでした。で、鳥と豚のインフルエンザ株を交配させてワクチンを作ったというニュースが出たばっかりなので、旬なキメラウイルスが登場する「M:I-2」を紹介しましょう。

 感染したら20時間で死亡するキメラウイルスと、ワクチン“ベルレフォーン”をめぐる元エージェントとの攻防がストーリーだが、スパイ要素よりもアクション要素が非常に強く、頭を空っぽにして楽しめる作品。ベルレフォーンとは、ギリシャ神話に登場する英雄で、ペガサスに乗ってキメラを退治したため、ウイルスとワクチンにこの名称がつかわれている次第です。

 トムが一番かっこよく見えるように撮影される「ミッション:インポッシブル」シリーズですが、シリーズ4作中一番のドヤ状態が満載なのがこの2作目。監督はジョン・ウーなので、過剰な爆発とスローモーション、突然飛ぶ白い鳩というお約束はもちろん、そこにドヤ顔のトムが止め絵のように長時間映る大盤振る舞い。「これが観たかったんだろ?」という演出に度肝を抜かれます。

 その他にも、ヒロインの乗るオープンカーとカーチェイスが始まり、2台がスピンするという手に汗握るべきシーンで、急に甘い曲が流れスローモーション。ゆっくり流れる車内でトムスマイルが演出されるなど、押さえるべきポイントを20回くらい強打した良作。

 音楽はハンス・ジマーにテーマ曲はリンプ・ビズキットと、スタッフ陣はフルオプション状態なので、全部入り大好きな日本人は大満足できるでしょう。

 なお、トム・クルーズ演じるエージェント、イーサン・ハントはいつもG-SHOCKをはめているのですが、この作品ではDW-6900型ケースにカスタマイズした画面を組み込んだものです。世に出ているM:I-2モデルとは全然違うので購入には注意しましょう。

 さて、Appleファンが楽しめるミッションは、最新4作目の「ゴースト・プロトコル」。Apple製品が計5分以上も劇中に登場するため、これ目当てに観ても楽しめます。

 iTunesでこのシリーズを検索するとき、“ミッションインポッシブル”だと1作目と4作目を表示。2作目と3作目は“M:I”と入れないとダメなあたりが、スパイミッションのようでイライラするため注意です。(三宅

M:I-2(字幕版)」をiTunes Storeで見る
(HD版レンタル:400円、SD版レンタル:300円)

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(字幕版)」をiTunes Storeで購入する
(2000円)

【MacPeopleデジタル版をNewsstandでも配信中!】

Newsstand 電子雑誌をダウンロード

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう