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引越し記念! よりぬき東京カレー日記(16)

ロンドン時代のロンドンからくり博物館

2012年05月05日 21時00分更新


 銀座のみゆき通りを歩いていたら「ロンドンからくり博物館」というのに出くわしました。これって、ロンドンにあった「キャバレー・メカニカル・シアター」(Cabaret Mechanical Theatre)で展示されていた人形を持ってきたもんですよね。それで、ロンドンに出かけたときのビデオを探してみたら出てきました。1990年(19年前!)のメカニカル・シアターの中の風景なんだけど、よく見るとまったく同じオートマタが動いています。上の動画はロンドン時代のやつ。下の写真は、銀座。

引越し記念! よりぬき東京カレー日記(16) ロンドン時代のロンドンからくり博物館

 動画に出てくるのは、とくに気に入っているものばかりなんですが、やっぱり上のお風呂でパスタを食べているやつがいいですよね。何かの語呂合わせになっているのか? 英国的な不条理感が、このシアターの魅力です。映像の最後のほうは、ビデオのお尻に続いていた部分をそのまま。当時のコベントガーデンは、地上(メカニカル・シアターは地下にあったのですね)でも、いろんなパフォーマンスをする人たちで溢れていたのですよ。下の写真は、お馴染みのマリオネットするネコくん(銀座)。

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 ところで、銀座でメカニカル・シアターに遭遇した前日、スカパーのBBCで「CLICK」を見てたら偶然にもメカニカル・シアターの初期メンバーの1人ティム・ハンキンのサイトを紹介していたのでした(http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/click_online/8197159.stm)。いやほんと、偶然。ティム・ハンキンの著書の翻訳(抄訳)の解説を書かせてもらったことがあります。『イギリス式いたずらの天才』(太田出版刊)という本で、原著「ALmost Everything There Is To Know」を100分の1くらいにした本。「ロンドンからくり博物館」の関係者の方々はご存じですかね?

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 うちにも1台「オートマタ」(Automata=からくり人形)がいたのを思い出しました。1991年9月に、ネス湖に出かける途中でロンドンに立ち寄ったNくんに、キャバレー・メカニカル・シアターで買って送ってもらったものです。ホコリだらけになっていたのですが、ひっぱり出すとちゃんと動きました。針金はサビついてしまってキコキコと音をたてますが、プーリーに渡されたゴム紐が切れずに回ってくれたのはうれしいです。

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 日本風にいえば「畳の水練」。足は、三角形のカムで上下するようになっているので、ベルトによる腕の部分の減速とあわせて、だいたい8ビートくらいしている勘定になるところがなかなか。当時、いくらしたのか覚えていませんが、「138」とシリアルナンバーが刻まれていました。

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 写真だけあげようとしたのですが、首を、いちおう息継ぎをする感じでヨコにあげる動作をしているところを見ていただきたい。やっぱり、動きがあってメカニカル・シアターというものではないでしょうか?


 ちょっと思い出したのは、Nくんが見せてくれたネス湖の博物館(?)のパンフレット。日本語が全般におかしいのですが、スコットランド地方の湖の広がりだかで、「爪の伸びるスピードで」という喩えがありました。地学的現象を、生命現象で喩えているのがおかしい。私の中では、Cabaret Mechanical Theatreのオートマタたちのイメージと結びついた記憶になっています。

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【筆者近況】
遠藤諭(えんどう さとし)
アスキー総合研究所所長。同研究所の「メディア&コンテンツサーベイ」の2012年版の販売を開始。その調査結果をもとに書いた「戦後最大のメディアの椅子取りゲームが始まっている」が業界で話題になっている。2012年4月よりTOKYO MXの「チェックタイム」(朝7:00~8:00)で「東京ITニュース」のコメンテータをつとめている。
■関連サイト
・Twitter:@hortense667
・Facebook:遠藤諭

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