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世界的スマホゲームの最高峰『Angry Birds』 日本代表に独占インタビュー

2012年03月19日 13時00分更新

文● 内田幸二 編集●KONOSU 撮影●高野裕靖

 スマホゲームアプリの代名詞ともいえる『Angry Birds(アングリー・バード)』。Facebook版の登場や最新作の発売など、活発な動きを見せる本作について、開発会社でもあるRovioの日本担当者アンティ・ソンニネン(Antti Sonninen)氏に話をうかがった。

アングリーバード

アンティ・ソンニネン氏(Antti Sonninen)
Business Development, Japan/Rovio Entertainment Ltd.
 世界的な大ヒットスマホゲーム『
アングリー・バード(Angry Birds)』を開発したRovioの日本代表。主に、ビジネス開発を担当し、日本とフィンランドを行き来する日々を送る。

■なんと地球上の70人にひとりが毎月ドハマリ中!

――『アングリー・バード』はどのようにして誕生したのですか。

「2003年のフィンランドで、携帯電話向けのゲーム制作会社として誕生したのが、私たちの会社、ロビオ(Rovio)です。

 最初に51タイトルものゲームをつくったのですが、なかなかヒットに恵まれず、非常に苦戦していました。そんな中でふいに生まれたのが、赤い1羽の鳥のキャラクターです。社内での評判もよく、じゃあこの鳥のゲームをつくってみようよ、ということになりました。ゲームにするために敵キャラを考えなければならなかったのですが、ちょうどそのとき、豚インフルエンザが流行っていたこともあって、「じゃあ、敵は豚にしようか!」という、そんな流れで生まれたんです(笑)

 ゲームはとにかく“簡単でおもしろい”をコンセプトに進めました。実際にできあがったものを、スタッフの家族に触ってもらったら、今までゲームに興味をもたなかった人たちが、“楽しい”と夢中になったのです。そういった意味では、発売前から手応えがあったのも事実ですね。

 発売後には、スマートフォン、ゲーム機、Facebookとさまざまなハードに登場することができました。現在では累計で7億ダウンロードを超える大ヒット作となり、今ではなんと、月間のアクティブユーザーが約1億人に達するまでになってくれました。」

アングリーバード

――ブレイクした理由は何だと思いますか?

「じわじわと評価を上げていったので……ヒットの瞬間のようなタイミングはありません。ただ、いくつかのポイントは存在します。

 最初のポイントは、2009年にフィンランドのAppStoreで1位になったこと。ただ、当時のフィンランドは、iPhoneの販売台数も少なく、国としての人口自体も少ないため、1位を取れたのは社員のダウンロードと、社員たちがまわりの友人たちへ勧めたことが影響しているのではないかと思っています(笑)。

 トリノオリンピックでアルペンスキーの金メダリストになったスウェーデン人のアニヤ・パーション選手の影響も大きいポイントです。アニヤ・パーション選手は、2010年のバンクーバオリンピック直前に怪我をしたのですが、そのときのインタビューで、“アングリー・バードを楽しんでいるから、怪我をしていても退屈ではないよ”というような発言をしたんですね。実は、これがきっかけで、フィンランドに続き、ヨーロッパ各国でAppStoreの1位を獲得しました。

 その後は、ハリウッドスターや各国の首相や大統領など、たくさんの著名人の方々にも遊んでいただけて、その人気はそのままアジアにも飛び火し、今では中国でも非常に人気のあるタイトルになってくれました。」

アングリーバード

――アングリー・バードの登場でスマホゲーム市場は何か変わったでしょうか。

アンティ 「iPhone発売当初、AppStoreでは最低価格(日本の場合は、現在85円)のアプリ自体、あまり存在しませんでしたが、アングリー・バード発売後には、たくさん登場しはじめました。これは、アプリの低価格化というビジネスモデルの変化が起こったといえます。もちろん、このムーブメントは我々だけでつくったものではありませんが、このトレンドに影響を与えたのではないかと思っています」

――Facebook版はどういった経緯で始まったんですか?

アングリーバード

「スマートフォン版を出した後、“スマホ以外の展開はしないの?”という、問い合わせを数多くいただき、『アングリー・バード』は年齢や性別に関係なく、数多くの方に評価されるゲームなんだということに気付いたんです。それで、マルチプラットフォーム展開を目指しました。

 Flash採用の理由は、まずひとつに“多くのユーザーの方が利用しているフォーマットであること”。また、基礎技術やノウハウの蓄積があってつくりやすく、ハイパフォーマンスなのも理由のひとつです。
 
 Facebook版は、まだ公開したばかりですが、ソーシャル機能もあり、友達と戦って得点を競うこともできるため、なかなか好評です。Facebook版は、PCさえあれば誰でも楽しめますので、これをきっかけにたくさんの人に遊んでいただけるといいなと思っています。」

■ 大ヒットから2年! 今年は新作アングリー・バードのラッシュ!

――今後の展開を教えてください。

「まず、『アングリー・バード(Angry Birds) Seasons』として、日本をテーマにした最新作が、アップデートで登場したばかりです。

アングリーバード

 また、『アングリー・バード(Angry Birds) Space』という新作も開発中です(3月22日公開予定)。場所が宇宙だけに、いままでとはまったく別のゲームになります。アングリー・バードの場合、物理演算によるリアルな挙動がゲームのおもしろさにつながっていますが、“Space”では、ゲーム性の根本から変わる予定です。

アングリーバード
アングリーバード

 また、今年は新しいアングリー・バード(Angry Birds)のゲームをいくつか出していく予定です。現状では、まだどんなゲームになるのかお話しできませんが、同じ“キャラクターをつかったゲーム”を鋭意制作中ということで。

 ほかにも、(アングリー・バードと関係のない)新作ゲームもつくっていますので、今後のRovioにぜひご期待ください!!」

アングリーバード

■関連サイト
Rovio
アングリー・バード(Angry Birds) Space

■ダウンロードリンク(iOS版)
Angry Birds - Clickgamer.com
Angry Birds - Clickgamer.com
Angry Birds Seasons - Rovio Mobile Ltd.
Angry Birds Seasons - Rovio Mobile Ltd.

■ダウンロードリンク(Android版)
Angry Birds
Angry Birds Seasons

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