日本テレビ放送網(日テレ)は3月5日、世界初となるデータ放送とフェイスブックを活用したソーシャル視聴サービス『JoiNTV』を発表した。本サービスは3月13日放送予定の同社のIT情報番組『iCon』から開始する。事前登録は3月6日の夜から行なわれる予定だ。
本サービスは、番組放送中のデータ放送の画面上に“このシーンでいいね!する”というボタンを表示し、視聴者がそのボタンを押すことで、フェイスブックの自分のアカウントのタイムライン上に番組を見ている告知を出せるというもの。また、フェイスブックに登録している友人で同じ番組を見ている場合には、データ放送の画面にその友人のアカウント名が表示される。
さらに、番組に出演しているゲストが視聴している場合には、そのゲストのフェイスブックアカウント名も出てくる。表示されるアカウント名は、出演ゲスト以外は承認している友人のみで、同じ番組を視聴していても未知のユーザーのアカウントは表示されない。なお、サービスを利用するためには、テレビやテレパソなどの視聴端末がデータ放送に対応しており、かつインターネットに接続されている必要がある。
■テレビ番組連携ならではの仕組み
さらに、番組で募集されるプレゼントへの応募や、クーポン機能を使った、番組内で紹介した店舗のクーポンの発行なども行なっていくとのこと。特にプレゼント応募に関しては番組が終わるまでに当選がわかる仕組みにできる。
また、番組内の情報をクリッピングしてフェイスブックのタイムライン上に掲載することも可能。番組のどの部分で“いいね!”を押すかでクリッピングされる内容も変わってく。
なお、現在のところデータ放送からのコメントの投稿やチャットなどには対応していない。
■本サービスのしくみ
本サービスは、'11年9月に実施されたフェイスブックのアップデート『オープングラフ』の機能を使っている。この機能は、“いいね!”ボタンがフェイスブック外部のサイトやサービスに設置できるようになったほか、“いいね!”以外のボタン機能も使えるようになった。
これにより、番組を視聴中は“視聴中です”とタイムラインに表示し、番組が終了したら“視聴していました”というように動的に表示を変えることができる。
■本サービスの狙いは“友人といっしょにテレビを見ている感覚!”
本サービスの狙いについて、同社編成局メディアデザインセンター長 若井真介氏は、「データ放送とインターネット接続という、現在一般的なテレビに搭載されている機能を使うので、スマートテレビを買わなくても既存のテレビで対応できるのが強み。
フェイスブックで友人が同じ番組を見ていることを知らせることで、その番組について友人と会話して盛り上がってほしい。また、番組を視聴中であるとフェイスブックのタイムラインに載せることで、その番組を見ていない友人にも番組が放送中であることを知らせることができ、テレビのリアルタイム視聴の促進になる。」と語った。
また、本サービスはいまだ実験段階の“フェーズ0(ゼロ)”であると述べ、状況を見つつ、さらに発展させていきたいと、本サービスに対する期待感を表わした。将来的には投票機能なども搭載し、視聴者がリアルタイムに番組に参加できるシステムに育てていくつもりのようだ。
表示されるアカウント名が自分の友人のみに限定されている件に関しては、「結果的に不特定多数の人間に出会いの場を提供してしまう可能があり、公共放送という性質を考えると限定せざる得ない。」とのこと。
とはいえ、ツイッターの“おすすめユーザー”のように視聴する番組が似ているユーザーはリストで表示される機能があるとおもしろそうだ。また、今回はフェイスブックの機能を使ったが、ほかのソーシャルサービスとの連携も視野に入れているようだ。
なお、『JoiNTV』の意味として、本サービスを軸にみんながつながる“Joint”、テレビ番組に参加する“Join TV”、そして日本テレビ(NTV)を楽しんで欲しい“Joy NTV”の3つを表わしているという。
■サービスの登録方法
『JoiNTV』の登録方法は
(1)視聴端末で日本テレビのデータ放送を起動すると、“JoinNTVに登録する”というボタンが表示させるので選択する。
(2)データ放送の画面に登録用の認証コードが表示されるため、スマホでテレビ画面のQRコードを読み取るか、PCで“http://join.ntv.co.jp/”にアクセスして、認証コードを入力。フェイスブックにアプリを登録する。
■3月の『JoiNTV』対応番組
IT情報番組『iCon』(30分番組)
3月13日(火)25時44分~
3月20日(火)26時09分~
3月27日(火)25時49分~
■関連サイト
JoiNTV
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